AIとの付き合い方

AIを毎日のように使っていると、気分が落ち込みやすくなる?米国の大人を夏から秋冬まで追った研究では、週に何回も使う人と使わない人で、落ち込みの点数の変化に差は見られなかった

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的指針0件を整理
葉を寄せ合って育つ多肉植物
Photo: Agnieszka Kwiecień, Nova / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

仕事でも家でもAIを開く毎日に、「このままで気持ちは大丈夫だろうか」と思うことがあります。米国の大人を時間を追って調べた研究では、AIをよく使うことが、その後の気分の落ち込みを強めたという結果は出ませんでした。一方、落ち込みが先にあり、そのあとAIに頼る流れを示した研究もあります。

3行でわかる

  1. 米国の大人の調査を時間を追って分析すると、週に何回もAIを使う人と使わない人で、落ち込みの点数の変化に差は見られなかった。
  2. ある時点だけで比べると、AIを毎日使う人ほど落ち込みの点数がやや高く、もともとの違いが混ざっていた可能性がある。
  3. 中国の子どもと若者の研究では、落ち込みや不安が先にあり、同じ年の秋のAIへの依存が強まる流れが見られた。

01 結論から言うとAIをよく使うと、気分は落ち込みやすくなる?

米国の大人を時間を追って調べた研究では、AIをよく使うことが、その後の気分の落ち込みを強めたという結果は出ませんでした。ただし、心の調子をくずしやすい一部の人への影響は、まだわかっていません。

「使う人ほど落ち込んでいる」という調査結果を見ると、AIのせいだと感じやすくなります。けれども、もともと落ち込んでいた人がAIをよく使っている、という逆の流れも考えられます。

この2つを見分けるには、同じ人を時間を追って調べ、もともとの気分の違いをそろえて比べる必要があります。

02 研究とデータでわかっていること時間を追って比べると、何がわかった?

米国の研究では、ある時点だけで比べると使う人ほど落ち込みの点数がやや高めでした。ところが、最初の落ち込みの違いなどをそろえて数か月後の変化を比べると、差は見られませんでした。

−0.18点週に何回もAIを使う人の、数か月後の落ち込みの点数(0〜27点)の差。米国の大人3,109人、2024〜2025年
3点研究チームが「意味のある差」と事前に決めていた大きさ
10.3%AIを毎日以上使うと答えた米国の大人。20,847人の調査、2025年
3,843人中国の子どもと若者(平均13歳)を春と秋に調べた研究、2022年

Perlisら / マサチューセッツ総合病院など(2026年)[1]

2024年夏に答えた19,099人のうち、AIを週に何回も使う人は15.0%でした。秋〜冬にも答えた3,109人で、使う人と使わない人の数か月後の落ち込みの点数を比べると、差は−0.18点で、偶然の範囲でした。

調整なしで比べると、使う人のほうが0.67点高く出ていました。最初の落ち込みの点数をそろえるだけで、差は0.02点まで小さくなっています。毎日使う人、1日に何回も使う人、私的な用途で使う人に絞っても、落ち込みが強まる結果は出ませんでした。

対象: ネットで集めた米国の18歳以上の大人。落ち込みは9問の質問票(0〜27点)で測定 / 限界: 最初に答えた人の83.7%が2回目に答えておらず、その偏りは計算で補っている。くじ引きで使う・使わないを分けた試験ではない。

Perlisら / マサチューセッツ総合病院など(2026年)[2]

2025年春の1回の調査では、AIを毎日使う人は、使わない人より落ち込みの点数が約1点高く、中等度以上の落ち込みに当てはまるオッズ比は1.29でした。使い道では、私的な用途の人で関連が強めでした。

対象: 米国の18歳以上の大人20,847人(平均47歳) / 限界: 1回だけの調査のため、AIが落ち込みを生んだのか、落ち込んだ人がAIを多く使うのかは区別できない。

Huangら / 北京師範大学など(2024年)[3]

2022年の春と秋に同じ子どもと若者に聞くと、春に落ち込みや不安が強かった人ほど、秋のAIへの依存が強くなっていました。逆に、春のAIへの依存は、秋の落ち込みや不安とは結びついていませんでした。

対象: 中国の3地域の3,843人(平均13.2歳) / 限界: 調べたのは「依存」の度合いで、使う回数ではない。音声アシスタントなども含むAIについての、対話型の生成AIが広がる前の調査で、大人にも当てはまるかはわからない。

03 まだわかっていないことAIの使いすぎが心に影響する人はいる?

平均では差が見られなくても、一部の人に影響がある可能性は否定されていません。長く使い続けた場合の影響や、日本の大人での結果も、まだ調べられていません。

  • 何年も使い続けたときの影響。米国の研究の追跡は数か月だけだった。
  • 心の調子をくずしやすい人や、AIを話し相手として長時間使う人への影響。研究チームも、ごく一部の人での影響は否定できないと書いている。
  • 使う「回数」ではなく、何に使うか・どんな気分のときに使うかによる違い。
  • 日本の大人や働く人での結果。紹介した研究は米国と中国のもの。

04 今日からできるセルフケアAIと気分の関係を、自分で見分けるには?

回数だけで不安になるより、AIを開く前の気分と、使ったあとの気分を見るほうが、研究の結果に合った見方です。落ち込みが先にある流れに気づけば、人に話すなど別の手も打てます。

1

開く前の気分を、ひとことメモする

AIを開くときに「調べもの」「暇」「落ち込んでいる」など、そのときの状態をひとことだけメモします。数日分を見返すと、気分が先か、使い方が先かが見えてきます。

目安 1回5秒・3日間

2

私的な用途の時間を、週に1回ふり返る

仕事や勉強ではなく、話し相手や気晴らしとして使った時間が増えていないか、週末に確かめます。米国の調査では、私的な用途の人で関連が強めでした。

目安 週1回・3分

3

回数が増えた週は、人に連絡を1本足す

気分が沈んでAIを開く回数が増えたと気づいたら、それを合図に、家族や友だちにメッセージを1本送ります。AIをやめるのではなく、人とのつながりを足す考え方です。

目安 1日1回・2分

落ち込みが先にある流れについては「つらいことから逃げるようにAIに頼ってしまい、抜け出せない」で詳しく紹介しています。使う時間と毎日の満足度の関係は「AIを使わないと、取り残されて毎日が楽しくなくなる?」、やめたいのに開いてしまうときは「AIとのチャットがやめられない」も参考になります。

05よくある質問

AIをよく使う人は、うつになりやすいの?

この記事で紹介した米国の研究では、週に何回もAIを使う人と、ほとんど使わない人のあいだで、数か月後の落ち込みの点数の変化に差は見られませんでした。ただし、生活の中でAIの使い方がどう変わっていくかや、心の調子をくずしやすい人への影響は、まだわかっていません。

使う人ほど落ち込みが多いという調査もあるのはなぜ?

ある時点だけを比べる調査では、使う人ほど落ち込みの点数がやや高いという結果が出ています。同じ研究チームが時間を追って比べると、その差は、もともとの落ち込みの違いなどで説明できる程度でした。

気分が沈むとAIを開く回数が増えるのは、よくないこと?

すぐに悪いとは言えません。中国の子どもと若者の研究では、落ち込みや不安が先にあり、そのあとAIへの依存が強まる流れが見られました。開く回数が増えたときは、気分のサインとして受け止め、人に話す機会を一つ足すのが一つの手です。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Perlis RH, Gunning FM, Uslu A, Santillana M, Baum MA, Druckman JN, Ognyanova K, et al. (2026). Emulated trial of artificial intelligence use and subsequent depressive outcomes in a survey of US adults. BMJ Mental Health, 29, e302609. https://doi.org/10.1136/bmjment-2026-302609
  2. Perlis RH, Gunning FM, Uslu A, et al. (2026). Generative AI Use and Depressive Symptoms Among US Adults. JAMA Network Open, 9. https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2025.54820
  3. Huang S, Lai X, Ke L, Li Y, Wang H, Zhao X, Dai X, Wang Y (2024). AI Technology panic—is AI Dependence Bad for Mental Health? A Cross-Lagged Panel Model and the Mediating Roles of Motivations for AI Use Among Adolescents. Psychology Research and Behavior Management, 17. https://doi.org/10.2147/PRBM.S440889