ネットやSNSの時間が長くて、孤独にならないか心配。英国の26歳前後1,632人の調査では、SNSの時間は孤独と関連せず、やめられない使い方やネットで嫌な目にあった経験のほうが孤独と結びついていた

調べものもAIとのやりとりもネットで済む毎日だと、「画面の時間が長いほど孤独になるのでは」と心配になります。研究を並べると、SNSに使う時間だけで孤独が決まるわけではなさそうでした。孤独とはっきり結びついていたのは、見るのをやめられない使い方や、ネットで嫌な目にあった経験のほうでした。
3行でわかる
- 英国の26歳前後1,632人の調査では、SNSに使う時間と孤独に関連はなく、やめられない使い方やネットで嫌な目にあった経験が孤独と結びついていました。
- 米国の30〜70歳1,512人の調査では、SNSを1日22回以上確認する人で孤独の当てはまりやすさが高く、時間より確認の回数がはっきり関連していました。
- 時間を減らすことにこだわるより、確認の回数をまとめる、やめられない使い方に気づく、つながりたい人には直接連絡する、が研究に合った予防です。
01 結論から言うとSNSの時間が長いと、孤独になりやすい?
時間の長さだけでは決まらない、というのが今の研究の答えです。時間と孤独の関連は研究によって分かれ、より一貫していたのは、やめられない使い方や嫌な経験との関連でした。
ここで整理した研究は、どれも「同じ時期に孤独な人ほど、こういう使い方をしていた」という関連を調べたものです。SNSが孤独を生んだのか、孤独な人がSNSに向かったのかは区別できません。中国の大学生を1年追った研究では、孤独とやめられない使い方が、互いに強め合う関係にありました。
だからこそ、孤独を防ぐ工夫は「SNSをやめる」より、「やめられない使い方にしない」「人とのやりとりに変える」ほうが研究の結果に合っています。SNSの友達の数と頼れる人の数についてはSNSの友達は何百人もいるのに、本当に頼れる人がいないでも整理しています。
02 研究とデータでわかっていること孤独と結びついていたのは、どんな使い方?
見るのをやめられず、仕事や家族・友達をおろそかにしてしまう使い方と、ネットで悪口や嫌がらせを受けた経験でした。米国の調査では、SNSを確認する回数の多さも孤独と関連していました。
Matthews ら / グリニッジ大学・キングス・カレッジ・ロンドンほか(2025)[1]
子どものころから追跡している英国の双子の調査で、26歳前後の1,632人に、ネットの使い方と孤独をたずねました。SNSに使う時間と孤独には関連がありませんでした。一方、ネット全体に使う時間、テレビ、ゲーム、調べものの時間は、孤独とわずかに関連していました。
比べた項目の中で孤独といちばん強く結びついていたのは、「ネットを使っていて仕事や家族、友達をおろそかにした」といった、やめられない使い方でした。悪口や嫌がらせなど、ネットで嫌な目にあった経験も孤独と結びついていました。これらの関連は、18歳のときのうつや不安を考えに入れても残っていました。
投稿する頻度も、投稿せずに眺める頻度も、孤独とは関連していませんでした。メッセージのやりとりに使うアプリをよく使う人は、孤独が少なめでした。
対象: 1994〜1995年にイングランドとウェールズで生まれた双子の調査参加者1,632人、2019〜2020年 / 限界: 一時点のアンケートで、どちらが原因かはわかりません。使う時間は本人の自己申告です。
Bonsaksen ら / ノルウェー内陸応用科学大学ほか(2023)[2]
ノルウェー、英国、米国、オーストラリアの大人1,649人の調査では、SNSに使う時間が長い人ほど孤独が強い関連がありました。ただしこの関連が見られたのは、SNSを主に人とのつながりを保つために使っているグループだけでした。
つらい気持ちを紛らわすためなど、つながり以外の理由が同じくらい強い人のグループでは、時間と孤独の関連ははっきりしませんでした。著者たちは、SNSは人との関わりを助ける面がある一方、つながりを求めて使う人が望むような関わりは得にくいのかもしれない、と考察しています。
対象: 4か国の大人1,649人(約4分の3が女性)、2021年11月〜2022年1月 / 限界: 誰でも答えられるネット調査で、国の代表的な集団ではありません。一時点の調査です。
Gorman ら(2025)[3]
米国の30〜70歳1,512人の全国調査では、SNSを確認する回数が多い人ほど、孤独と判定される人が多くなっていました。1日22回以上確認する人は、0〜4回の人に比べて、孤独と判定されるオッズが1.90倍でした(確認の回数と使う時間を同時に考えに入れた分析)。
同じ分析で使う時間のほうを見ると、週21〜41時間の人で孤独のオッズがもっとも高く(1.62倍)、週42時間以上の人では統計的な差が見られませんでした。参加者は中央値で週21時間SNSを使い、1日11回確認していました。
対象: 米国の30〜70歳の大人1,512人、2023年 / 限界: 一時点の調査で、どちらが原因かはわかりません。使い方の目的や、ネットでの良い経験・嫌な経験は調べていません。
Wu・Feng・Zhang(2024)[4]
中国の4つの大学の学生を、2022年9月から2023年9月まで3回調べました。孤独が強いと、その後にやめられないSNSの使い方が強まり、やめられない使い方が強いと、その後に孤独が強まるという、両方向の関係が見られました。
1年の間に、孤独とやめられない使い方は、どちらも少しずつ強まっていました。
対象: 中国の大学生538人(分析の対象) / 限界: 自己申告のアンケートで、1つの国の大学生に限られます。性格や生活の状況など、ほかの要因は調べていません。
03 まだわかっていないことSNSの使い方を変えれば、孤独は防げる?
まだ確かめられていません。ここで整理した研究はどれも調査で、使い方を変えたら孤独が減るかを、組を分けて試したものではありません。
- 時間と孤独の関連は、英国の若い大人では見られず、米国や4か国の大人では見られました。年齢、国、時期、時間のたずね方の違いが影響している可能性があります。
- 英国の調査のうち約4割は、新型コロナの外出制限が始まったあとに答えたもので、ふだんの時期と同じかは確かめきれていません。
- AIと話す時間や、AIに調べものを任せる使い方が孤独とどう関わるかは、これらの研究では調べられていません。
- 使う時間は本人の申告で、実際の利用記録とずれている可能性があります。
04 今日からできるセルフケアネットの時間が長くても、孤独をためないには?
確認する回数をまとめ、やめられない使い方になっていないかを週に一度ふり返ります。つながりたい人には眺めるだけで済ませず直接連絡し、嫌な目にあった場所からは離れます。
SNSを確認する回数をまとめる
米国の調査で孤独とはっきり関連していたのは確認の回数でした。通知を切り、朝・昼・夜など見る時間を決めて、合間に開くのを減らします。
目安 1日3〜4回にまとめる
「おろそかにしていないか」を週1回ふり返る
この1週間、ネットのせいで仕事や家族、友達との時間を後回しにしたことがあったかを思い出します。あれば、その時間帯だけスマホを別の部屋に置きます。
目安 週1回・2分
つながりたい人には、眺めるより1通送る
近況を眺めて終わりにせず、短いメッセージや電話で直接やりとりします。会う約束まで決められれば、なおよい形です。
目安 週に2〜3人へ1通ずつ
嫌な目にあった場所からは、早めに離れる
悪口や嫌がらせを受けたら、ミュートやブロックを使い、そのやりとりから距離を置きます。ひとりで抱えず、信頼できる人に話します。
目安 その日のうちに
感謝を伝えるメッセージの効果はつながりを保つ感謝の伝え方、しばらく連絡していない人への連絡は昔の友達に連絡したいけど気まずい、ネットで用が足りて人と話さない日が増えたときはゆるいつながりの保ち方で整理しています。
05よくある質問
SNSをやめれば、孤独は防げますか?
そうとは言い切れません。英国の26歳前後1,632人の調査では、SNSに使う時間と孤独に関連は見られませんでした。孤独と結びついていたのは、やめられない使い方や、ネットで嫌な目にあった経験のほうです。どの研究も一時点の調査で、やめたらどうなるかを確かめたものではありません。
投稿せずに眺めるだけだと、孤独になりやすいですか?
英国の調査では、自分で投稿する頻度も、投稿せずに眺める頻度も、孤独とは関連していませんでした。眺めるかどうかより、見るのをやめられずに仕事や人づきあいがおろそかになっていないかのほうが、孤独との結びつきがはっきりしていました。
人とつながるためにSNSを使っているのに、寂しいのはなぜですか?
4か国1,649人の調査では、SNSを主に人とのつながりを保つために使う人ほど、使う時間が長いと孤独が強い関連が見られました。著者たちは、SNSでは求めているような関わりが得られにくい可能性を挙げています。気になる相手には、眺めるだけでなく直接連絡するのも一つの方法です。
つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。
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出典
- Matthews, T., Arseneault, L., Bryan, B. T., Fisher, H. L., Gray, R., Henchy, J., Moffitt, T. E., & Odgers, C. L. (2025). Social media use, online experiences, and loneliness among young adults: A cohort study. Annals of the New York Academy of Sciences, 1548(1), 194–205. https://doi.org/10.1111/nyas.15370
- Bonsaksen, T., Ruffolo, M., Price, D., Leung, J., Thygesen, H., Lamph, G., Kabelenga, I., & Geirdal, A. Ø. (2023). Associations between social media use and loneliness in a cross-national population: do motives for social media use matter? Health Psychology and Behavioral Medicine, 11(1), 2158089. https://doi.org/10.1080/21642850.2022.2158089
- Gorman, J. R., Kim, H., Sakuma, K. K., Koneru, G., Aslam, M., Arredondo Abreu, C., & Primack, B. A. (2025). Time and Frequency of Social Media Use and Loneliness Among U.S. Adults. International Journal of Environmental Research and Public Health, 22(10), 1510. https://doi.org/10.3390/ijerph22101510
- Wu, P., Feng, R., & Zhang, J. (2024). The relationship between loneliness and problematic social media usage in Chinese university students: a longitudinal study. BMC Psychology, 12, 13. https://doi.org/10.1186/s40359-023-01498-4


