人とのつながり

仲のいい友達と、気づけば疎遠になりそう。18か月の追跡研究では、親しい友達も半数以上が「いちばん近い輪」から外れ、連絡や一緒の活動が増えた関係ほど離れにくかった

約7分で読めます

わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的指針0件を整理出典照合済み(2026-10-14)
木のテーブルに置かれた2杯のカプチーノ
Photo: Alisa Anton alisaanton / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

仕事が忙しい、引っ越した、連絡はSNSで近況を見るだけ。そうしているうちに、仲のよかった友達と疎遠になりそうで心配になることがあります。研究では、親しい友達でも親しさは下がりやすく、連絡や一緒に何かをする機会が増えた関係ほど下がりにくいことがわかっています。

3行でわかる

  1. 英国の若者25人を18か月追った研究では、いちばん近い輪にいた友達のうち、そこに残ったのは48.6%だった(家族・親戚は70.3%)。
  2. 連絡の回数や一緒にする活動が増えた友達ほど、親しさが下がりにくかった。
  3. 疎遠を防ぐ鍵は気持ちより「手入れ」。月1回の短い連絡や、一緒にする予定を1つ入れることから始められる。

01 結論から言うと親しい友達でも、放っておくと疎遠になる?

なりやすいと考えられます。友達との関係は家族よりも、生活が変わると親しさが下がりやすく、連絡や一緒の活動が増えた関係ほど保たれやすいことが研究で示されています。

家族や親戚とのつながりは、会う回数が減っても比較的保たれやすいことが知られています。一方で友達との関係は、会う・話す・一緒に何かをするといった行動の積み重ねで保たれる面があります。

研究者はこれを「関係の維持」と呼びます。疎遠になるのは、どちらかが冷たいからとは限りません。生活が変わって、維持のための時間が自然に減ることが大きいと考えられています。

02 研究とデータでわかっていること友達と疎遠になりやすいのは、どんなとき?

進学などで生活が変わり、新しい人間関係が増えた時期に、古い友達との親しさは下がりやすくなります。連絡や一緒の活動が増えた関係ほど、その低下は小さくなっていました。

48.6%いちばん近い輪にいた友達のうち、18か月後もそこに残った割合(英国の若者25人、2015年発表)
70.3%同じく、いちばん近い輪にいた家族・親戚が残った割合(同じ研究)
6,106人友人・親戚との接触の多さと、その後の生活の質の関連を調べた中東欧の45〜69歳(2002〜2008年)

Roberts & Dunbar(2015)[1]

高校最後の年から進学・就職後までの18か月で、友達への親しさは下がり、家族・親戚への親しさは上がっていました。長く知っている友達や、もともと最も親しい輪にいた友達でも、親しさの低下は避けられていませんでした。

対象: 英国の同じ大都市に住む高校3年生30人のうち、最後まで参加した25人(平均約18歳)。名前が挙がった相手は1,291人 / 限界: 人数が少なく、進学という大きな変化の時期の若者に限った研究です。

Roberts & Dunbar(2015)[1]

連絡の回数や、一緒にした活動の種類が増えた友達ほど、親しさは下がりにくい関連がありました。女性では連絡の回数の影響が大きく、男性では一緒にする活動(スポーツ・遊び・勉強など)の影響が大きいという違いもありました。

対象: 同上。連絡は対面のほか電話やメールなども含む / 限界: 観察研究のため、連絡が親しさを保ったのか、親しいから連絡が続いたのかは区別できません。

Roberts & Dunbar(2015)[1]

新しい友達を多く作った人ほど、昔の友達や家族への親しさが下がりやすい傾向がありました。人づきあいに使える時間には限りがあるため、新しい関係に時間を使うと古い関係の手入れが減る、と著者らは考えています。

対象: 同上 / 限界: 昔の友達では、この傾向は9か月目から18か月目の変化で見られたもので(家族では最初の9か月にも見られた)、理由については著者らの解釈を含みます。

Luna ら(2020)[2]

チェコ・ポーランド・ロシアの中高年では、友人や親戚と接する回数が多い人ほど、数年後の生活の質(自分で決められる感覚や楽しみなど)が高い関連がありました。最初の時点の生活の質などをそろえても、この関連は残っていました。

対象: 45〜69歳の6,106人。2002〜2005年と2006〜2008年に調査 / 限界: 友人と親戚をまとめた指標です。関連の大きさは、接触の多さの指標が1段階上がるごとに、36点満点の生活の質で0.12点でした。

人とのつながりそのものの大切さについては、148件・30万人超の研究をまとめた分析で、つながりの強い人ほど追跡期間中に生存している見込みが高かったという結果があります[3]。詳しくは「つながりは本当に大事?」で整理しています。

03 まだわかっていないことどれくらい連絡すれば、疎遠を防げる?

「何日に1回連絡すれば十分」という目安は、研究ではまだ示されていません。連絡の方法(文字・声・対面)による違いも、友情の維持についてはよくわかっていません。

  • 追跡研究は25人と小さく、大人の転職・引っ越し・結婚などでも同じかは確かめられていません。
  • 連絡を増やしたから親しさが保たれたのか、親しいから連絡が続いたのか、因果の向きは区別できていません。
  • SNSで近況を見るだけの「見る」つながりが、関係の維持になるかはこの研究では調べていません。
  • 男女の違いは一つの研究の結果で、個人差も大きいと考えられます。

04 今日からできるセルフケア友達と疎遠にならないために、今日できることは?

大きなことは要りません。気になる相手を書き出し、短い連絡を送り、一緒にする予定を1つ入れる。この「手入れ」を、生活が変わる時期ほど意識して続けることです。

1

最近連絡していない友達を3人書き出す

名前を書くだけで、誰との連絡が途切れているかが見えます。親しさは気づかないうちに下がるので、まず見える形にします。

目安 5分・月1回

2

用事がなくても、短い連絡を1通送る

「この前の話、その後どう?」のように相手の近況を聞く一言で十分です。話すのが好きな相手なら、短い電話も選択肢です。

目安 2〜3分・週に1人

3

一緒にする予定を1つ入れる

食事・散歩・オンラインのゲームなど、話すだけでなく「一緒にすること」を決めます。研究では、一緒にした活動が増えた関係ほど親しさが下がりにくい関連がありました。

目安 月1回

4

生活が変わる時期ほど、古い友達の時間を残す

転職・引っ越し・新しい集まりに入ったときは、新しい関係に時間が流れやすい時期です。カレンダーに「昔の友達に連絡」と1行入れておきます。

目安 1分・変化のあった月に1回

人と話す機会そのものが減っているときは「人と話さない日が増えた」、大人になってから新しく友達を作りたいときは「大人になってから友達ができない」も参考になります。

05よくある質問

友達と疎遠になるのは、自分が冷たいからですか?

そうとは限りません。英国の若者を追った研究では、進学などの生活の変化のあと、長く知っている親しい友達でも親しさが下がっていました。親しさは気持ちだけでは保たれにくく、連絡や一緒に過ごす機会で保たれる面があると考えられています。

どれくらいの頻度で連絡すれば、疎遠にならずにすみますか?

研究では「何日に1回」という目安は示されていません。わかっているのは、連絡や一緒の活動が増えた関係ほど親しさが下がりにくかったことです。まずは月に1回、気になる人に短く連絡するなど、続けられる回数から始めるのが現実的です。

もう疎遠になってしまった友達には、どうすればいいですか?

久しぶりの連絡をためらう気持ちと、背中を押す方法は、別の記事「昔の友達に連絡したいけど気まずい」で研究をもとにまとめています。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

無料ツール
セルフチェックで「今日やること」をまとめる
当てはまる悩みを選ぶだけ。診断はせず、記事の対策を一覧にします。
研究早見表でほかの悩み210件も見る

出典

  1. Roberts SBG, Dunbar RIM (2015). Managing Relationship Decay: Network, Gender, and Contextual Effects. Human Nature, 26(4), 426-450. https://doi.org/10.1007/s12110-015-9242-7
  2. Luna E, Ruiz M, Malyutina S, Titarenko A, Kozela M, Pająk A, Kubinova R, Bobak M (2020). The prospective association between frequency of contact with friends and relatives and quality of life in older adults from Central and Eastern Europe. Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology, 55(8), 1001-1010. https://doi.org/10.1007/s00127-020-01834-8
  3. Holt-Lunstad J, Smith TB, Layton JB (2010). Social relationships and mortality risk: a meta-analytic review. PLoS Medicine, 7(7), e1000316. https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1000316