人とのつながり

SNSの友達は何百人もいるのに、本当に頼れる人がいない。英国の調査では、ネットの友達が平均155人でも、つらいときに頼れる人は平均4人ほどだった

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的指針0件を整理
湖のそばに置かれたベンチ
Photo: Andre Carrotflower / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

SNSを開けば、何百人もの「友達」や「フォロワー」がいる。それなのに、本当に困ったとき、連絡できる人が思い浮かばない。そんな自分はおかしいのではと、不安になる人もいるかもしれません。英国の大規模な調査では、ネットの友達が平均155人いても、つらいときに頼れる人は平均4.1人でした。これは対面のつながりを調べた研究とほぼ同じ人数で、多くの人に共通する形です。

3行でわかる

  1. 英国の18〜65歳2,000人の調査では、Facebookの友達は平均155.2人。つらいときに助言や慰めを求めに行ける人は平均4.1人、親しい友達は平均13.6人で、対面の研究とほぼ同じだった。
  2. カナダの5,025人の調査では、実際に会う友達の数は生活の評価の高さと関連していたが、ネットの友達の数はほとんど関連がなかった。
  3. 米国の50歳以上1万1,065人の研究では、対面で会う回数が数か月に1回以下の人ほど、2年後に落ち込みの症状が強い割合が高かった。電話やメールの回数では、この関連は見られなかった。

01 結論から言うとSNSの友達が多いのに、頼れる人が少ないのは変?

変ではありません。英国の調査で、つらいときに頼れる人は平均4.1人でした。ネットの友達が多くても、この内側の輪の大きさは、対面のつながりを調べた研究とほとんど変わりませんでした。

人のつながりは、玉ねぎのように何層にも分かれていると考えられています。いちばん内側は、困ったときに頼れる数人です。その外側に親しい友達、さらに外側に知り合いが広がります。

SNSでは、この全部が「友達」という同じ言葉でまとめられます。そのため、数字は大きく見えても、内側の輪の人数は増えていない、ということが起きます。頼れる人が数人しか思い浮かばないのは、あなたに何かが欠けているからではありません。

02 研究とデータでわかっていることネットの友達は、心の支えになっている?

数としては、あまり支えになっていない可能性があります。カナダの調査では、ネットの友達の数は生活の評価とほとんど関連がありませんでした。一方、実際に会う友達の数や、対面で会う回数は、心の状態と関連していました。

155.2人Facebookの友達の平均(英国の18〜65歳、ふだんSNSを使う2,000人、2015年の調査)
4.1人強い苦しみのときに、助言や慰めを求めに行ける人の平均(同じ2,000人)
27.6%Facebookの友達のうち「本当の友達」と思える人の割合の平均(同じ2,000人)
11.5%と7.3%2年後に落ち込みの症状が強かった割合。対面で会うのが数か月に1回以下の人と、週1〜2回の人(米国の50歳以上)

Dunbar(オックスフォード大学、2016)[1]

英国で、年齢・性別・地域の割合をそろえて集めた2つの調査を分析しました。ふだんSNSを使う2,000人ではFacebookの友達は平均155.2人、別の働く人1,375人では平均182.8人でした。2,000人のほうに、内側の輪の人数も聞きました。強い苦しみのときに助言や慰めを求めに行ける人は平均4.1人、親しい友達は平均13.6人でした。どちらも、これまでの対面の研究で報告されてきた人数と、統計的に違いはありませんでした。300人より多くの友達がいる人は、14.2%でした。

対象: 英国の18〜65歳(2015年4月・5月、調査会社のパネルから選んだ2,000人と1,375人) / 限界: 友達の数は区切った選択肢で答えてもらった自己申告です。一人ひとりの関係の質は聞いていません。

Helliwell、Huang(ブリティッシュコロンビア大学ほか、2013)[2]

カナダの16歳以上5,025人の調査を分析しました。収入や年齢、ストレスなどをそろえて比べても、実際に会う友達が多い人ほど、生活の評価が高い関連がありました。会う友達が2倍になることは、収入が5割以上増えるのと同じくらいの差と見積もられました。一方、ネットの友達の数は、生活の評価とほとんど関連がありませんでした。関連が見られた分析でも、わずかなマイナスでした。

対象: カナダの16歳以上5,025人(2011年1月、ネットの調査パネル) / 限界: 一度に測った相関です。著者は、幸せな人が友達を増やしやすいという逆の向きもありうると書いています。調査は飲料会社が出資したものでした。

Teo ら(米国退役軍人省ポートランド医療システムほか、2015)[3]

米国の50歳以上1万1,065人を2年間追いかけました。子ども・家族・友達と対面で会う回数が少ないほど、2年後に落ち込みの症状が強い割合が高くなっていました。数か月に1回以下の人では11.5%で、月1〜2回の人の8.1%、週1〜2回の人の7.3%より高い割合でした。電話や手紙・メールの回数では、こうした関連は見られませんでした。

対象: 米国の50歳以上1万1,065人(2004〜2010年の全国調査) / 限界: 観察研究で、会う回数を増やせば落ち込みが防げると確かめたわけではありません。若い世代やSNSでのやりとりは調べていません。

孤独を感じる人がどれくらいいるかは「孤独を感じるのは、自分だけ?」、つながりと健康の関係は「人と会わなくても困らないけど、つながりは本当に大事?」でも整理しています。

03 まだわかっていないことSNSのつながりは、本当に支えにならない?

まだはっきりしていません。紹介した研究は友達の「数」や会う「回数」を調べたもので、ネットの関係の質や中身は測っていません。日本の人を対象にした同じような研究も見当たりませんでした。

  • 英国とカナダの調査は2011年と2015年のFacebookなどが中心です。今のSNSや、メッセージアプリのやりとりで同じ結果になるかは、わかっていません。
  • ネットで知り合い、深く支え合っている関係もあります。研究は人数の平均を見ており、一人ひとりの大切な関係を否定するものではありません。
  • 米国の研究は50歳以上が対象です。若い世代で、対面とオンラインの差が同じように出るかは、確かめられていません。

04 今日からできるセルフケア頼れる人がいないと感じたら、何をすればいい?

数を増やすより、内側の数人との関係を確かめて、ときどき顔を合わせることです。頼れる人が少ないと感じても、平均は4人ほどです。お金をかけずに、今日から少しずつ試せます。

1

「困ったとき連絡できる人」を紙に書き出す

家族や昔の友達、職場の人も含めて、名前を書いてみます。英国の調査の平均は4.1人です。1〜2人でも、ゼロではないと確かめられます。研究で試された方法ではなく、結果から考えた工夫です。

目安 3分

2

そのうち1人と、月に1回は顔を合わせる予定を入れる

米国の研究では、対面で会うのが月1〜2回の人は、数か月に1回以下の人より、2年後に落ち込みの症状が強い割合が低くなっていました。お茶や散歩など、短い時間で十分です。

目安 月1回・30分ほど

3

「いいね」の代わりに、1人へ個別のメッセージを送る

大勢に向けた投稿より、近況が気になる1人に「元気?」と直接送ります。会う約束につながる一歩になります。連絡をためらう気持ちは「昔の友達に連絡したいけど気まずい」で扱っています。

目安 1回2分・週1回

友達との距離が開いていくのが心配なときは「仲のいい友達と、気づけば疎遠になりそう」、新しい友達をつくる時間については「大人になってから友達ができない」も参考になります。

05よくある質問

SNSの友達が多い人ほど、幸せなのですか?

そうとは言えません。カナダの16歳以上5,025人の調査では、実際に会う友達の数は生活の評価の高さと関連していましたが、ネットの友達の数はほとんど関連がなく、関連があっても小さなマイナスでした。ネットの友達を2倍にすることは、収入が10%減るのと同じくらいの小さなマイナスと見積もられていました。

頼れる人が4人くらいしかいないのは、少なすぎますか?

少なすぎるとは言えません。英国の調査で、つらいときに頼れる人の平均は4.1人でした。論文によると、これまでの対面の研究でも、いちばん内側の輪は2.1〜7.4人と報告されています。何百人ものつながりの中で、頼れる人が数人なのは、多くの人に共通する形です。

ネットや電話だけの友達には、意味がないのですか?

意味がないとは言えません。米国の50歳以上の研究で、電話やメールの回数は2年後の落ち込みの症状と関連が見られませんでしたが、それは「対面ほどの関連は見られなかった」という意味です。ネットだけの関係の質や、その人にとっての支えは、この研究では測られていません。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Dunbar RIM (2016). Do online social media cut through the constraints that limit the size of offline social networks? Royal Society Open Science, 3(1), 150292. https://doi.org/10.1098/rsos.150292
  2. Helliwell JF, Huang H (2013). Comparing the happiness effects of real and on-line friends. PLoS ONE, 8(9), e72754. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0072754
  3. Teo AR, Choi H, Andrea SB, Valenstein M, Newsom JT, Dobscha SK, Zivin K (2015). Does mode of contact with different types of social relationships predict depression in older adults? Evidence from a nationally representative survey. Journal of the American Geriatrics Society, 63(10), 2014-2022. https://doi.org/10.1111/jgs.13667