パートナーとの毎日がマンネリになりそう。デートを計画して出かけた米国の150人の研究では、新しくてわくわくする内容だった人ほど、相手と近づいた感じが強かった

けんかをしたわけではないのに、パートナーとの会話が連絡ばかりになってきた。夜はそれぞれ画面を見て過ごし、休日もいつも同じ。そんな「マンネリ」は、長く一緒にいれば多くの二人に起きることです。研究では、二人で新しいことやわくわくすることをするほど、関係の満足や近さと結びついていました。
3行でわかる
- 付き合い始めの高揚は、時間がたつと落ち着いていくのが自然な流れだと考えられています。
- 二人で「新しい・少し挑戦がある」ことをした組で関係の満足が高まった実験が、研究のまとめで紹介されていました。
- 米国の研究では、わくわくするデートを計画して出かけた人ほど、相手と近づいた感じが強い関連がありました。
01 結論から言うとパートナーとのマンネリは、前もって防げる?
確実な方法はまだありません。ただ、心地よいだけの過ごし方より、二人にとって新しいことを一緒にするほうが、関係の満足と結びつく研究がそろいつつあります。
心理学には「自己拡張」という考え方があります。人は、新しいことを知ったりできることが増えたりする感覚を求めます。付き合い始めは、相手を知ること自体がこの感覚を生みます。
ところが相手のことがわかってくると、新しさは減っていきます。2026年に出た研究のまとめは、ここで二人で新しいことをすると、その高揚が関係と結びつき、関係が深く感じられると説明しています[1]。
関係がすっかり冷めてから慌てるより、ふだんから取り入れるほうがよいと考える研究者もいます[2]。
02 研究とデータでわかっていること二人で新しいことをすると、関係はどう変わる?
わくわくすることを一緒にした組で満足が高まった実験が複数あり、計画したデートがわくわくする内容だった人ほど、相手と近づいた感じが強い関連がありました。
Aron & Tomlinson(2026)[1]
このまとめが紹介している先行研究では、二人で新しい・わくわくする活動をするほど関係の満足が高い結果が、調査と実験の両方で出ていました。
たとえば、カップルが互いに「楽しくてわくわくする」と選んだ活動を、週1.5時間以上、10週間続けた実験です。この組は、楽しいだけの活動をした組や何もしなかった組より、関係の満足が高くなっていました。
4週間、自分たちで考えたわくわくする活動を毎週1.5時間した実験でも、順番待ちの組より関係の質が上がっていました。新聞と戸別訪問の2つの調査では、一緒にすることのわくわく度と満足の相関は0.45と0.51でした。
対象: 実験・日記・調査など多くの研究のまとめ(論文の見直しで、新しいデータではありません) / 限界: どんな活動がいちばんよいかは、まだ研究が必要だと著者たちも書いています。
Harasymchuk ら(2021)[2]
パートナーとのデートを自分で計画し、約1週間以内に実際に出かけた人では、計画がわくわくする内容だった人ほど「相手と近づいた」と感じていました(相関0.43)。
わくわく度が高いほど、デートで「新しい見方が得られた」と感じる度合いも高く(相関0.47)、それが近さにつながる流れが見られました。外から評価した人によると、わくわく度の高いデートには、遠出して知らない場所を探検するなど、いくつもの体験を組み合わせたものが多くありました。
対象: 米国のネット調査で集めた、恋人・夫婦のいる人(計画した248人のうち、実際に出かけて回答した150人) / 限界: 同じ人の答えどうしの関連で、因果はわかりません。外の人が評価したわくわく度と近さの関連はほとんどなく(相関0.09)、パートナー側の感じ方も調べていません。
Balzarini ら(2025)[3]
別々の部屋から仮想現実で一緒に新しい体験をしたカップルは、平凡な体験をした組より退屈さが少なく、終わったあとに近さを感じていました。ただし関係の満足には差が出ませんでした。
同じ研究の別の実験では、仮想現実とビデオ通話を比べました。仮想現実の組は退屈さが少なかったものの、関係の満足や近さには直接の差は出ませんでした。
対象: 大学の参加者募集などで集めた、平均20歳ほどの付き合っているカップル(ビデオと比べた実験は93組、平凡な体験と比べた実験はカナダの大学の142組) / 限界: 実験室での短い体験で、長く続く効果は調べていません。
03 まだわかっていないことどんな活動なら誰にでも効くかは、わかっている?
まだわかっていません。人によって合う過ごし方が違う可能性があり、画面越しの体験の効果もはっきりしていません。
- どの種類の活動がいちばん役立つかは、研究のまとめでも「さらに研究が必要」とされています。
- 研究のまとめが紹介している日記の研究では、相手に見捨てられる不安が強い人では、新しいことより慣れた心地よい過ごし方のほうが満足を支えていました。
- 米国のデート研究はネット調査の参加者が中心で、他の国の人に当てはまるかはわかりません。日本の夫婦を対象にした研究は、今回の出典にはありません。
- 仮想現実やビデオ越しの「新しい体験」は、退屈さを減らす手がかりはあっても、関係の満足まで変わるかははっきりしていません。
04 今日からできるセルフケアお金をかけずに、マンネリを防ぐには?
遠くや高い場所に行く必要はありません。二人にとって初めてのことを、月に何回か予定に入れておくのが手軽な始め方です。
「二人でしたことがないこと」を書き出す
行ったことのない公園、作ったことのない料理、歩いたことのない道。互いに3つずつ出し、両方が「楽しそう」と思えるものを選びます。
目安 10分・月1回
日時を先に決めてカレンダーに入れる
米国の研究では、計画を立ててから出かけていました。計画すること自体の効果はまだ調べられていませんが、日時と場所だけ先に決めておくと、忙しくても実行しやすくなります。
目安 週1回・1〜2時間
少しだけ難しいことに二人で挑む
研究のまとめでは、ほどよく難しいパズルのような課題でも満足が高まったと紹介されています。難しすぎて失敗しない程度のものを選びます。
目安 30分〜
落ち着く時間も残しておく
新しいことがいつも合うとは限りません。相手が疲れている時期は、慣れた心地よい過ごし方を選ぶのも一つの手です。
目安 相手の様子を見て
日ごろの感謝の伝え方はパートナーに「ありがとう」を言わなくなった、一緒にいてもスマホばかりの悩みはパートナーがスマホばかりで会話がない、よそのカップルと比べてしまうときは他のカップルと比べて物足りなさを感じるで整理しています。
05よくある質問
夫婦や恋人のマンネリは防げますか?
確実に防げる方法はわかっていません。ただ、二人で新しいことやわくわくすることをする組は、心地よいだけのことをする組より関係の満足が高まった実験がいくつかあり、研究のまとめで紹介されています。
わくわくすることは、お金のかかる旅行でないとだめですか?
研究のまとめでは、体を動かす課題だけでなく、ほどよく難しいパズルのような頭を使う活動でも満足が高まったと紹介されています。大事なのは本人たちにとって新しいか、少し挑戦があるかだと考えられています。
離れて暮らしていて会えません。画面越しでもいいですか?
カナダの大学のカップルの実験では、仮想現実で新しい体験をした組は退屈さが少なく近さを感じていましたが、関係の満足には差が出ませんでした。画面越しの効果は、まだはっきりしていません。
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出典
- Aron, A., & Tomlinson, J. M. (2026). Self-Expansion Activities with a Partner as One Path to Well-Being. Behavioral Sciences, 16(5), 700. https://doi.org/10.3390/bs16050700
- Harasymchuk, C., Walker, D. L., Muise, A., & Impett, E. A. (2021). Planning date nights that promote closeness: The roles of relationship goals and self-expansion. Journal of Social and Personal Relationships, 38(5), 1692–1709. https://doi.org/10.1177/02654075211000436
- Balzarini, R. N., Sharma, A., & Muise, A. (2025). Virtually Connected: Do Shared Novel Activities in Virtual Reality Enhance Self-Expansion and Relationship Quality? Behavioral Sciences, 15(1), 67. https://doi.org/10.3390/bs15010067


