パートナーがスマホばかりで会話がない。52の研究でわかった「ながらスマホ」と2人の関係

話しかけても、パートナーはスマホから目を上げない。一緒にいるのに、ひとりでいるような気がする。そんなさみしさを感じる人は少なくありません。一緒にいる相手を前にスマホに気を取られることは、研究で「ファビング」と呼ばれています。52の研究のまとめでは、相手のファビングを感じる人ほど、関係の満足度が低い関連がありました。
3行でわかる
- 52の研究・19,698人のまとめで、パートナーのながらスマホを感じる人ほど、関係の満足度や親密さが低く、けんかが多い関連がありました。
- 196人の日記の研究では、相手のながらスマホが多いと感じた日ほど、満足度が下がり、怒りや不安が強く、自分もスマホを手に取りやすくなっていました。
- ながらスマホを感じる人ほど、気持ちの上での孤独感が強い関連もありました。
01結論から言うと
パートナーのながらスマホでさみしくなるのは、気にしすぎではありません。研究では、相手のながらスマホを感じる人ほど、関係の満足度が低い関連が、くり返し見られています。
ファビングは、電話(phone)と冷たくあしらう(snub)を合わせた言葉で、一緒にいる人を前にスマホに気を取られることを指します。悪気がなくても、話しかけた側は「自分より画面の方が大事なのかな」と感じやすいものです。
スマホには通知やニュースが次々に届くため、つい手が伸びるのは誰にでも起きることです。だからこそ、どちらか一方を責めるより、2人で過ごす時間の使い方を話し合う方が、手がかりになると考えられます。
02研究とデータでわかっていること
相手のながらスマホを感じる人ほど、満足度や親密さが低く、けんかや孤独感が多い関連が、複数の研究で見られました。ただし、多くは1回だけの調査です。
Niら(2025)[1]
52の研究をまとめると、パートナーのながらスマホを感じる人ほど、関係の満足度や親密さが低く、相手が自分に応えてくれる感覚が弱く、けんかが多い関連がありました。満足度との関連は、欧米の研究でもアジアなどの研究でも見られました。
対象: 恋人や夫婦の関係にある人19,698人(52の研究) / 限界: 多くが1回だけの調査で、ながらスマホが関係を悪くするのか、関係がうまくいっていないからスマホを見るのかはわかりません。親子など、恋人や夫婦以外の関係は含まれていません。
Carnelleyら(2026)[2]
9日間、毎日の様子を記録してもらうと、相手のながらスマホが多いと感じた日ほど、関係の満足度が低く、怒りや不安な気分が強くなっていました。同じ日に、自分もスマホを手に取って使うことが多くなっていました。自分が見捨てられないか心配しやすい人では、その日の自己評価の低下や落ち込みも見られました。
対象: 同居して6か月以上の恋人や夫婦の片方196人(平均36歳、イギリスの大学が募集) / 限界: 本人の感じ方の記録で、相手が実際にどれだけスマホを使ったかは測っていません。原因と結果の向きは調べていません。
Aslanturk・Arslan(2025)[3]
パートナーのながらスマホを感じる人ほど、気持ちの上での孤独感が強く、関係の満足度が低い関連がありました。
対象: トルコの、恋人や夫婦がいる18〜55歳の320人(2023年6〜8月のオンライン調査) / 限界: 1回だけの調査で、若い女性の回答者が多い結果です。
つまり、一緒にいる時間のスマホが、2人の満足度やさみしさと関わっている可能性があります。そして、相手がスマホを見ると自分もスマホを見る、というように、お互いに広がりやすい面もあると考えられます。
03まだわかっていないこと
ながらスマホが関係を悪くするのか、関係がうまくいっていないとスマホを見るのか、向きはまだわかっていません。減らす工夫の効果を確かめた研究も見つかりませんでした。
- ながらスマホが原因で関係の満足度が下がるのか、その逆なのか
- 2人で決めたスマホのルールで、関係が実際によくなるか
- 親子や家族など、恋人や夫婦以外の関係での影響
- 日本のカップルや夫婦で同じ結果になるか
04今日からできるセルフケア
相手を責めずに気持ちを伝え、2人で小さなルールを決める工夫です。研究で関連が見られた点を手がかりに、お金をかけずにできることを選びました。
「さみしい」を主語にして、1つの場面だけ伝える
「いつもスマホばかり」と責めるより、「夕食のときに話せるとうれしい」のように、自分の気持ちと場面を1つに絞って伝えます。日記の研究の著者たちも、話し合ってルールを決めることに触れています。
目安 1回・5分
2人で「スマホを置く時間」を1つ決める
食事中、寝る前の15分など、スマホを伏せるか別の部屋に置く時間を1つだけ決めます。最初から多くを決めず、続けやすいものにします。
目安 1日1回・15分
自分もスマホを手に取りたくなったら、話しかけてみる
相手がスマホを見ていると、自分もスマホを見たくなります。研究でも同じ日にそうなりやすい関連がありました。手に取る前に、ひと言話しかけてみます。
目安 気づいたとき・30秒
05よくある質問
パートナーのスマホが気になるのは、自分が気にしすぎ?
そうではありません。52の研究のまとめでは、相手のながらスマホを感じる人ほど、関係の満足度や親密さが低い関連がありました。さみしさは、多くの人が感じる自然な気持ちです。
スマホばかり見るのは、自分に関心がないから?
そうとは限りません。スマホには通知が次々に届くため、関心とは別に手が伸びることもあります。研究でも、ながらスマホが関係の悪さの原因なのか結果なのかは、まだわかっていません。
どう伝えたらけんかにならない?
研究で確かめられた伝え方はまだありません。一般的には、相手を責める言い方より、「話せるとうれしい」と自分の気持ちを伝え、場面を1つに絞る方が受け止めてもらいやすいと考えられます。
つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。
出典
- Ni, N., Ahrari, S., Zaremohzzabieh, Z., Zarean, M., & Roslan, S. (2025). A meta-analytic study of partner phubbing and its antecedents and consequences. Frontiers in Psychology, 16, 1561159. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2025.1561159
- Carnelley, K. B., Hart, C. M., Vowels, L. M., & Thomas, T. T. (2026). Attachment, Perceived Partner Phubbing, and Retaliation: A Daily Diary Study. Journal of Personality, 94(3), 431-445. https://doi.org/10.1111/jopy.70012
- Aslanturk, A., & Arslan, C. (2025). How Does Being Phubbed Affect Commitment? Exploring the Roles of Emotional Loneliness and Relationship Satisfaction. Journal of Marital and Family Therapy, 51(3), e70027. https://doi.org/10.1111/jmft.70027