仕事とAIの不安

会社にAIが導入されてから、なんとなくしんどい。韓国の375人の調査では、仕事のストレスを通じて体調とも関わっていた

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本を整理出典照合済み(2026-10-03)
白い机でマウスとキーボードを使って作業する手元
Photo: Shixart1985 / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

会社でAIのツールが使われ始めてから、なんとなく落ち着かない。仕事のやり方が変わり、覚えることが増え、自分の役割がこの先どうなるのかも気になる。そんなしんどさを抱える人は少なくありません。研究では、職場のAI導入が仕事のストレスと関わること、そして周りの支え方でその関係が変わることが見えてきました。

3行でわかる

  1. 韓国の働く人375人を3回に分けて調べた研究では、会社でAIが使われているほど仕事のストレスが高く、それを通じて体の健康とも関わっていました。上司が成長を支える関わり方をしているほど、その関係は弱まっていました。
  2. 中国の働く人392人の研究では、AIの活用は仕事の不安定さへの不安と関わり、その不安は自信が「中くらい」の人で最も強く出ていました。
  3. 中国の保育者300人の研究では、AIの負担を「成長につながる挑戦」と感じるか「邪魔」と感じるかで、受け止め方が分かれていました。

01結論から言うと

職場にAIが入ってしんどく感じるのは、珍しいことではありません。研究では、AIの導入は仕事のストレスと関わっていましたが、上司の支えがあるとその関係は弱まっていました。一人で抱えず、使い方や期待を確かめることが手がかりになります。

新しい道具が職場に入ると、仕事のやり方や評価のされ方が変わります。覚えることが増えるだけでなく、「自分の仕事はこの先どうなるのか」という不安も生まれやすくなります。

研究では、AIの導入そのものより、それがストレスや不安をどう生むか、そして上司や職場がどう支えるかによって、働く人への影響が変わることがわかってきました。

しんどさの中身を分けて考えると、自分で手を打てる部分と、職場に相談したほうがよい部分が見えてきます。

02研究とデータでわかっていること

会社でのAIの使用は仕事のストレスや仕事を失う不安と関わっていました。一方で、上司の支えがあると、AIとストレスの関係は弱まっていました。

375人AIの導入・仕事のストレス・体の健康の関係を3回に分けて調べた韓国の働く人(2024年発表)
392人AIの活用と仕事を失う不安の関係を調べた中国の越境ECの働く人(2025年7〜8月の調査)
300人AIによる負担の受け止め方と働く人の幸福感を調べた中国の保育者(2026年発表)

Jeongら(2024年)[1]

韓国のさまざまな会社で働く375人に、5〜6週間の間隔で3回アンケートをしました。会社の人事・生産や業務の管理・マーケティングなどでAIが使われているほど、仕事のストレスが高い傾向がありました。AIと体の健康に直接の関係は見られず、仕事のストレスを通じた間接的な関係でした。上司が成長を信じ、意見を聞き、フィードバックをくれる関わり方(コーチング型のリーダーシップ)が強いほど、AIの導入とストレスの関係は弱まっていました。

対象: 韓国の働く人375人 / 限界: すべて本人の回答にもとづく調査で、AIの導入がストレスの原因だと確かめた研究ではありません。

LiuとYe(2025年)[2]

日常的にAIを使っている中国の越境ECの会社45社で、働く人392人と、その上司に回答してもらいました。AIの活用は仕事を失う不安の高さと関わり、その不安を通じて、上司が評価した仕事ぶりの低さと関わっていました。仕事ぶりへの直接のプラスの関係ははっきりしませんでした。仕事を失う不安とAIの関係は、物事に対処できるという自信が低い人や高い人より、中くらいの人で最も強く出ていました。

対象: 中国の越境ECの働く人392人とその上司 / 限界: 1回だけの調査で、1つの業界に限られています。

Hanze(2026年)[3]

中国の保育者300人を調べた研究です。AIによる負担のうち、成長につながる「挑戦」と感じる負担が大きい人ほどAIを使おうとする気持ちが高く、仕事の「邪魔」と感じる負担が大きい人ほど低くなっていました。職場の支援は「邪魔」と感じる負担が使う気持ちを下げる影響を和らげ、仕事量の多さは、その負担が幸福感を下げる影響を強めていました。

対象: 中国の保育者300人 / 限界: 1回だけの調査で、保育という1つの職種の結果です。

03まだわかっていないこと

職場のAI導入とストレスの関係を長い期間で追った研究や、日本の働く人を調べた研究はまだ見つかりませんでした。

  • 紹介した研究は韓国と中国の調査で、日本の職場に同じ傾向があるかはわかりません。
  • AIの導入がストレスの原因なのか、もともとストレスの多い職場でAIが入りやすいのかは、区別できていません。
  • どんな研修や支援が、しんどさを減らすのに効くかを確かめた実験は、まだ見当たりません。

04今日からできるセルフケア

しんどさを「挑戦」と「邪魔」に分けて書き出す、何をどこまで使えればよいかを上司に確かめる、仕事量が増えていないか見直す、の3つです。どれも今日から一人で始められます。

1

しんどさを「挑戦」と「邪魔」に分けて書き出す

AIに関するしんどさを紙に書き、「覚えれば自分の力になること」と「仕事の邪魔になっていること」に分けます。研究では、この2つで受け止め方が分かれていました。邪魔の側が、相談すべき点の候補になります。

目安 1回・10分

2

何のために、どこまで使えればよいかを確かめる

上司や担当者に「このツールで何を目指しているか」「自分はどのくらい使えればよいか」を聞きます。研究では、上司が話を聞きフィードバックをくれる職場ほど、AIとストレスの関係が弱まっていました。

目安 一度・15分

3

仕事量が増えていないか、1週間分を見直す

AIの導入後に、確認作業や覚えることで仕事が増えていないかを1週間分書き出します。仕事量の多さは、負担が幸福感を下げる影響を強めていました。増えていれば、具体的に相談できます。

目安 週1回・10分

4

自信がそこそこあっても不安になるのは自然だと知る

自信がないわけではないのに、AIで仕事を失うのが不安になることがあります。研究では、AIと仕事を失う不安の関係は、物事に対処できるという自信が中くらいの人で最も強く出ていました。珍しくない反応の一つと捉えられます。

目安 気づいたときに

05よくある質問

会社にAIが導入されてストレスを感じるのは、自分だけ?

自分だけではありません。韓国の働く人375人の調査では、会社でAIが使われているほど仕事のストレスが高い傾向がありました。中国の働く人392人の研究でも、AIの活用は仕事を失う不安と関わっていました。

自信がないわけではないのに、AIで仕事を失うのが不安なのはなぜ?

中国の働く人392人の研究では、AIの活用と仕事を失う不安の関係は、物事に対処できるという自信が低い人や高い人より、中くらいの人で最も強く出ていました。自信がそこそこあっても、不安を感じるのは珍しくないようです。

職場のAI導入がしんどいとき、上司に相談してもいい?

かまいません。研究では、上司が成長を信じ、意見を聞き、フィードバックをくれる職場ほど、AIの導入とストレスの関係が弱まっていました。「何をどこまでできればよいか」を聞くのが話しやすい入り方です。

AIのせいで体調まで悪くなることはある?

韓国の375人の調査では、会社でのAIの使用は仕事のストレスを通じて、体の健康がよくない傾向と関わっていました。ただし本人の回答による調査で、AIが原因だと確かめられたわけではありません。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

出典

  1. Jeong J, Kim BJ, Lee J (2024). Navigating AI transitions: how coaching leadership buffers against job stress and protects employee physical health. Frontiers in Public Health, 12, 1343932. https://doi.org/10.3389/fpubh.2024.1343932
  2. Liu X, Ye Z (2025). The forgotten middle: how moderate self-efficacy amplifies the threat of AI through job insecurity. Frontiers in Psychology, 16, 1734254. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2025.1734254
  3. Hanze J (2026). Preschool teachers' AI adoption and occupational well-being: an integrated TAM-JD-R analysis of technostress dual-edged effects. Frontiers in Psychology, 17, 1782464. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2026.1782464