考える力・集中

徹夜や寝不足で頭が回らない日、運動すると持ち直す?カナダの53人の実験では、30時間起きたあとに20分自転車をこいだ組も90分眠った組も、何もしない組より写真をよく覚えていた

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わかっている度 ★☆☆ 低め研究3本・公的指針0件を整理
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

締め切りの前の晩にほとんど眠れず、翌日は画面の文字が頭に入ってこない。そんな日にどうするかを調べた実験があります。カナダで30時間起き続けたあとの53人を比べた研究では、20分の運動も90分の昼寝も、何もしないより記憶を守っていました。ただ、どれも小さな研究で、運動で眠気そのものが消えるわけではありません。

3行でわかる

  1. 30時間起き続けたカナダの若い大人53人の実験では、20分の自転車こぎの組と90分の昼寝の組が、何もしない組より、あとで見た写真を平均22%多く覚えていました。
  2. 疲れの感じが軽くなったのは昼寝の組だけで、運動の組は何もしない組と変わりませんでした。
  3. 徹夜のあとに運動したドイツと中国の小さな実験でも、注意の課題の一部が持ち直した一方、組の差がはっきりしない結果もあり、結論はまだそろっていません。

01 結論から言うと寝不足の日、体を動かせば頭は持ち直す?

一部は持ち直す可能性があります。30時間起きたあとの実験では、20分の運動で記憶の成績が昼寝と同じくらい守られていました。ただし研究は数十人規模の少数で、運動で眠気が消えるとは言えません。

眠りが足りないと、新しいことを覚える力や、余計な反応を抑える力が落ちやすいことが知られています。研究者は、睡眠をとれない人がその日をどう乗り切るかという問いに、運動と昼寝という手軽な方法で答えようとしています。

ここで紹介する実験は、ひと晩まったく眠らなかった若い人が対象です。ふだんより1〜2時間短い寝不足が続く場合に、同じことが言えるかはわかっていません。

02 研究とデータでわかっていること運動と昼寝で、何がどれくらい変わった?

運動と昼寝はどちらも、30時間起きたあとの記憶を何もしない場合より守っていました。疲れの感じが減ったのは昼寝だけです。注意の課題では、運動で持ち直した研究と、差がはっきりしなかった研究があります。

22%20分の運動・90分の昼寝の組が、何もしない組より写真を多く覚えていた平均の割合(カナダの18〜35歳、2026年)
昼寝だけ同じ実験で、疲れの感じが軽くなった組
約6ポイント徹夜後に30分こいだ日、押してはいけない合図で押した誤りが休んだ日より少なかった差(中国の大学生30人、2022年)
差は不確か徹夜後の20分の運動と注意の課題(ドイツの学生22人、2022年)

Lotlikar ら / カナダ・マギル大学(2026)[1]

健康な18〜35歳が実験室で30時間起き続けたあと、くじ引きで3組に分かれました。20分の自転車こぎ(最大心拍数の80%)、90分の昼寝、自転車に20分座るだけ、の3つです。そのあと写真を見て、3日後にどれを見たかを答えました。

見た写真を「見た」と正しく答えた割合は、何もしない組が平均46%、運動の組が56%、昼寝の組が57%でした。研究者は、運動と昼寝の組が平均22%高かったとまとめています。運動と昼寝の間には、はっきりした差がありませんでした。

一方、疲れの感じが軽くなったのは昼寝の組だけで、運動の組は何もしない組と同じくらいでした。また、見ていない写真を「見た」と答えた誤りまで含めた見分けの成績では、組の差ははっきりしませんでした。

対象: カナダの健康な18〜35歳53人(夜勤のない人、平均約25歳) / 限界: 実験室での1回の徹夜で、ふだんの慢性的な寝不足とは違う可能性がある。運動と昼寝で時間の長さが違う。

Fleckenstein ら / ドイツ・フランクフルト大学(2022)[2]

スポーツを学ぶ学生22人がひと晩起き続け、翌朝7時ごろに半数が20分のサーキット運動(スクワットや腕立てなど)をし、残りは座って過ごしました。

注意の課題で誤った割合は、運動した組で約17ポイント下がり、座っていた組では約4ポイントの低下でした。眠気の点数(0〜10)は、座っていた組で3.0上がり、運動した組では0.6の上昇でした。ただ、どちらも組どうしの差は統計的にはっきりせず、言葉の記憶の課題にも差はありませんでした。

対象: ドイツの体育系の学生22人(1組11人、18〜35歳) / 限界: 人数がとても少なく、研究者自身も予備的な研究としている。ふだんから運動している学生が対象。

Liu・Zhang / 中国・呂梁学院(2022)[3]

大学生30人が、ひと晩眠らなかったあとに、中くらいの強さの自転車こぎ30分をする日と、座って休む日の両方を試しました。運動した日は、押してはいけない合図で押してしまう誤りが、休んだ日より約6ポイント少なく、反応も速くなっていました。

この差は、運動の直後から1時間後まで残っていました。ひと晩眠らなかった朝は、ふつうに眠った朝より、この誤りが増えていました。

対象: 中国の健康な大学生30人(男女15人ずつ) / 限界: 人数が少なく、課題は食べ物の写真を使った特殊なもの。参加者は自分が運動したか休んだかを知っていた。

03 まだわかっていないことふだんの寝不足でも、運動は効く?

わかっていません。研究はどれも、ひと晩まったく眠らなかった若く健康な人の、数十人規模の実験です。毎日少しずつ寝不足が続く人や、年配の人、もっと軽い運動で同じ結果になるかは確かめられていません。

  • 運動の組で記憶が守られた一方、疲れの感じは減っていませんでした。頭の働きの一部が持ち直しても、眠気やだるさは残るのかもしれません。
  • 研究で使われた運動は、息が上がる強さの20〜30分です。5分の早歩きや階段のような短く軽い運動で、同じ結果になるかはわかりません。
  • 昼寝は90分を試しただけで、職場でとりやすい10〜20分の昼寝が寝不足の日の記憶を守るかは、まだ研究がありません。
  • 効果がその日の何時間後まで続くのか、注意・記憶以外の仕事の質(判断やミス)にどう表れるかも調べられていません。

04 今日からできるセルフケア眠れなかった翌日、その場で何をすればいい?

眠れる時間がとれるなら昼寝、とれないなら体を動かしてから、覚える作業に入る順番にすることです。どちらも記憶を守った研究があります。眠気は残りやすいので、大事な判断は後に回せるなら回します。

1

覚える作業の前に、体を動かす時間をはさむ

研究では、息が上がる程度の自転車こぎやサーキット運動を20〜30分したあとに課題をしていました。階段の上り下りや早歩きなど、その場でできる動きを、新しい資料を読む前に入れます。

目安 作業の前に10〜20分

2

眠れる時間があるなら、横になる

30時間起きたあとの実験では、90分の昼寝で記憶が守られ、疲れの感じも軽くなっていました。在宅の日や休みの日で時間がとれるなら、運動より昼寝を先に考えます。

目安 とれるなら90分

3

大事な判断と新しく覚えることを、後ろにずらす

運動の組でも疲れの感じは減っていませんでした。決めること・覚えることのリストを見て、今日でなくてもよいものを翌日以降に移し、今日は見直しや単純な作業を中心にします。

目安 朝のうちに5分

寝不足で頭が回らない仕組みは寝不足だと頭が回らないのはなぜ?、ふだんの日の昼寝は午後になると眠くて頭が働かない、集中が戻らない日が続くときの運動は頭が働かない日が続いて、集中力が戻らないで整理しています。

05よくある質問

寝不足の日は、運動と昼寝のどちらがいいですか?

カナダの53人の実験では、20分の自転車こぎと90分の昼寝で、あとで写真を覚えていた割合はほぼ同じでした。ただし疲れの感じが軽くなったのは昼寝の組だけでした。眠る時間が取れるなら昼寝、取れないなら体を動かす、という使い分けが研究と合っています。

どのくらいの強さで動けばいいですか?

研究で使われたのは、20分の自転車こぎ(最大心拍数の80%)、30分の自転車こぎ(60〜69%)、20分のサーキット運動でした。息が上がる程度の運動です。もっと軽い散歩で同じ結果になるかは、まだ確かめられていません。

10分ほどの短い昼寝でも効きますか?

この実験では90分の昼寝を試しました。ひと晩眠らなかったあとでは、30分や60分の昼寝で注意の課題が戻らなかった先行研究があると論文は紹介しています。短い昼寝が寝不足の日の記憶を守るかは、まだわかっていません。

運動すれば、寝不足でも大事な仕事をして大丈夫ですか?

そうとは言えません。運動で一部の成績が持ち直した研究はありますが、どれも数十人の小さな実験で、眠気がはっきり下がったという結果はそろっていません。眠気が強い日は、大事な判断や危ない作業をできるだけ後に回すほうが安全です。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Lotlikar, M. S., Ayotte, B., Choi, A., Seo, F., Robertson, E. M., Dal Maso, F., & Roig, M. (2026). Protecting episodic memory after sleep loss: Similar benefits of exercise and naps via distinct neural contributions. Proceedings of the National Academy of Sciences, 123(32), e2528246123. https://doi.org/10.1073/pnas.2528246123
  2. Fleckenstein, J., Gerten, S., & Banzer, W. (2022). Preventive Effects of a Single Bout of Exercise on Memory and Attention following One Night of Sleep Loss in Sports Students: Results of a Randomized Controlled Study. Behavioral Sciences, 12(10), 350. https://doi.org/10.3390/bs12100350
  3. Liu, S., & Zhang, R. (2022). Aerobic Exercise Alleviates the Impairment of Cognitive Control Ability Induced by Sleep Deprivation in College Students: Research Based on Go/NoGo Task. Frontiers in Psychology, 13, 914568. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2022.914568