考える力・集中

スマホが近くにあるだけで集中できない?22件の研究のまとめと、置き場所の工夫

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わかっている度 ★☆☆ 低研究3本・公的指針0件を整理
A planner is open to a new week with blank pages on a wooden desk. Nearby are colored pencils, glasses, and ink, suggesting an organized wor
Photo: Shixart1985 / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

使っていないのに、机の上のスマホが気になって集中できない。そんな感覚を持つ人は少なくありません。研究では、スマホが近くにあるだけで、テストの成績が少し下がる傾向が見られました。ただし、差が出なかった実験もあり、結果はまだ分かれています。

3行でわかる

  1. 22件の研究をまとめた分析では、スマホが近くにあると成績が少し下がる傾向がありました。
  2. 差がはっきり出たのは記憶のテストで、注意力のテストでは全体として差ははっきりしませんでした。
  3. 置き場所を変えるのはお金がかからない工夫なので、自分に合うか試してみる価値はあります。

01結論から言うと

スマホが近くにあるだけで集中しにくくなる可能性はありますが、影響は小さく、研究によって結果が分かれています。集中したい時間だけ、別の部屋やカバンに入れる工夫は試しやすい方法です。

研究では、スマホがそばにあるだけで頭の働きが下がる現象を「ブレインドレイン(頭の資源が吸い取られる)効果」と呼ぶことがあります。使っていなくても、スマホを気にしないようにすること自体に、頭の力を使ってしまうという考え方です。

ただ、この考え方を確かめ直した研究では、同じ結果が出ないこともありました。「スマホが近くにあると必ず集中できない」とまでは言えません。

02研究とデータでわかっていること

研究をまとめると、スマホが近くにあると成績は少し下がる傾向がありました。ただし、影響が出たのは主に記憶のテストで、注意力では差が出た実験と出なかった実験があります。

22件スマホがそばにあることと頭の働きの関係を調べた研究をまとめた数(43の結果を分析、2023年発表)
108.95→99.71ドイツの20〜34歳の学生で、スマホを別の部屋に置いた組と、電源を切って机に伏せた組の注意力テストの平均点(2021年の実験)
144人スマホを目に入る場所に置いた組と置かなかった組で、注意力テストに差が出なかった実験に参加した、ギリシャの18〜25歳の若者(2024年の実験)

Böttgerら(2023)[1]

スマホがそばにあることや使うことと、頭の働きの関係を調べた22件の研究(43の結果)をまとめると、全体として成績が少し下がる傾向がありました。分野別に見ると、はっきり差が出たのは記憶のテストで、注意力のテストでは差ははっきりしませんでした。地域別では、アジアの研究で差が大きく、ヨーロッパと北アメリカの研究でははっきりしませんでした。

対象: スマホがそばにある条件とない条件などを比べた22件の研究(43の結果) / 限界: 研究ごとの結果のばらつきが大きく、数も少ないため、著者らはさらに研究が必要だと述べています。

Skowronekら(2023)[2]

電源を切ったスマホを、画面を伏せて机に置いた組は、スマホを別の部屋に置いた組より、注意力テストの点数が低くなりました(平均99.71点と108.95点)。作業の速さにも差がありましたが、間違いの割合には差がありませんでした。

対象: ドイツの20〜34歳の学生42人。2021年にビデオ会議を使い、自宅の机で行った実験 / 限界: 人数が少なく、自宅で行ったため、ほかの要因が影響した可能性があります。

Christodoulou・Roussos(2025)[3]

通信と音やバイブレーションをオンにしたスマホを、目に入る机の上に置いても、注意力テストの速さと間違いの数に、はっきりした差は出ませんでした。ただし、スマホ依存の傾向が強い人ほど、スマホがあるときに間違いがやや多い関連がありました。

対象: ギリシャの18〜25歳の若者144人 / 限界: 知り合いの紹介で集めた参加者で、1種類の注意力テストしか使っていません。

まとめると、スマホがそばにあることの影響は「あるかもしれないが小さく、人や作業の種類で変わる」というのが今の研究の姿です。

03まだわかっていないこと

どんな人や作業で影響が大きくなるのか、働く大人の実際の仕事でどうなるのかは、まだよくわかっていません。研究の多くは学生を対象にした短い実験です。

  • 働く大人が、実際の職場や在宅勤務で長い時間作業したときの影響
  • スマホ依存の傾向や、地域・文化によって影響が変わる理由
  • スマホの電源を切る、伏せる、カバンに入れるなど、置き方による違い
  • AIのチャットなど、スマホ以外の画面がそばにあるときの影響

04今日からできるセルフケア

研究の結果は分かれていますが、置き場所を変えるのはお金も手間もかからない工夫です。集中したい時間だけ試して、自分に合うかを確かめてみてください。

1

集中したい作業の間だけ、スマホを別の部屋に置く

覚える作業や、考える作業をするときだけ、スマホを別の部屋に置きます。実験では、別の部屋に置いた組の注意力テストの点が高くなりました。

目安 1回25〜50分

2

別の部屋が難しければ、カバンの中に入れる

目に入らない場所に入れるだけでも、手に取るまでのひと手間が増えます。通知は音もバイブレーションも切っておきます。

目安 準備1分

3

置き場所を変えて、自分の集中しやすさを比べる

同じくらいの作業を、スマホを机に置いた日と、別の部屋に置いた日で比べ、終わったあとに集中できた度合いを10点満点でメモします。影響には個人差があるので、自分の結果を参考にします。

目安 1週間・1日1回

05よくある質問

スマホを裏返して置けば、集中への影響はない?

そうとは言えません。ドイツの学生42人の実験では、電源を切って画面を伏せて置いても、別の部屋に置いた場合より注意力テストの点が低くなりました。一方で、目に入る場所に置いても差がなかった実験もあり、結果は分かれています。

スマホが近くにあると、記憶にも影響する?

22件の研究のまとめでは、はっきり差が出たのは記憶のテストでした。覚える作業をするときは、スマホを目に入らない場所に置く工夫が考えられます。ただし、研究の数はまだ少なめです。

スマホ依存ぎみの人ほど、影響を受けやすいの?

その可能性はあります。ギリシャの若者144人の実験では、スマホ依存の傾向が強い人ほど、スマホが近くにあるときに間違いがやや多い関連がありました。ただし関連は弱く、はっきりした結論はまだ出ていません。

出典

  1. Böttger, T., Poschik, M., & Zierer, K. (2023). Does the Brain Drain Effect Really Exist? A Meta-Analysis. Behavioral Sciences, 13(9), 751. https://doi.org/10.3390/bs13090751
  2. Skowronek, J., Seifert, A., & Lindberg, S. (2023). The mere presence of a smartphone reduces basal attentional performance. Scientific Reports, 13, 9363. https://doi.org/10.1038/s41598-023-36256-4
  3. Christodoulou, A., & Roussos, P. (2025). "Phone in the Room, Mind on the Roam": Investigating the Impact of Mobile Phone Presence on Distraction. European Journal of Investigation in Health, Psychology and Education, 15(5), 74. https://doi.org/10.3390/ejihpe15050074