既読がつかないと、何度もトークを開いてしまう。待つ人の研究では、心配が強い時ほど確かめに行き、夢中になれる作業で嫌な気分が和らいでいた

送ったメッセージに既読がつかない。既読はついたのに返信が来ない。気づくと、何度もトークを開いている。そんな自分に疲れる人は少なくありません。結論から言うと、何度も確かめたくなるのは心配に自然についてくる動きで、確かめても心配は減りにくいことが、結果を待つ人の研究からわかっています。待つ間は、夢中になれる作業と、見通しを1つに決めておくことが手がかりになります。
3行でわかる
- 結果を待つ人を追った3つの研究では、心配が強い人ほど、また心配が強まった時ほど、情報を確かめに行っていた。
- 309人の実験では、夢中になれるゲームで待つ間の嫌な気分は減ったが、心配そのものは減らなかった。
- メッセージの返信待ちそのものを調べた研究は見当たらない。ここでの話は、ほかの「待つ場面」の研究からの推測を含む。
01 結論から言うと返信待ちで何度も開くのはなぜ?
心配が強まると、人は答えを確かめに行きたくなるからです。ただし確かめても答えは出ず、心配は減りにくいと考えられます。
返事を待つ時間は、結果がわからない「宙ぶらりん」の時間です。人は、結果のわからない状態が苦手なほど、心配しやすい傾向があります。
注意したいのは、メッセージの返信待ちそのものを調べた査読つきの研究は、今回調べた範囲では見当たらなかったことです。この記事では、試験の結果や就職の結果を待つ人の研究、人とのやりとりがはっきりしない場面の実験を使って考えます。グループで反応がもらえないつらさはグループで自分だけ反応がない気がするときの記事に、自分が返信を急かされる側のつらさはチャットをすぐ返さないと不安になるときの記事にまとめています。
02 研究とデータでわかっていること確かめるほど、心配は減る?
減るとは言えません。待つ人の研究では、心配が強い時ほど情報を探していました。見通しがころころ変わる人ほど心配が強く、夢中になれる作業は気分を少し楽にしていました。
HowellとSweeny(2025)[1]
大切な結果を待つ人を追った3つの研究です。米国の大統領選挙の前の4週間の有権者、司法試験の結果を待つ17週間の受験者、大学の就職活動をする研究者を調べました。3つすべてで、心配が強い人ほど情報を探していました。さらに、その人の中で心配が最も強まった時期に、特に情報を探していました。
対象: 米国の有権者、法科大学院の卒業生、大学の職を探す研究者 / 限界: 人数は要旨に書かれていない。メッセージの返信待ちではなく、人生の大きな結果を待つ場面。著者らは、心配が「ときに役に立たない」情報探しを後押ししていると述べている。
Rankinら(2019)[2]
司法試験の結果を待つ125人のうち、待つ間に「時間を忘れて没頭する」体験が多かった人ほど、心配や嫌な気分が少なくなっていました。ただ、多くの人は、自分が没頭できる活動を正しく言い当てられませんでした。309人の大学生の実験では、自分の見た目を他の学生に評価されるのを待つ間に、難しさが合わせて変わるブロックのゲームをしてもらうと、嫌な気分は減り、よい気分は増えました。しかし、心配そのものは減りませんでした。
対象: 司法試験の受験者125人、大学の職を探す博士課程の学生141人、大学生309人 / 限界: 国は要旨に明記されていない。前の2つは観察した研究で、実験は1件。内容は論文の要旨で確認した範囲。
WilsonとSweeny(2024)[3]
司法試験の結果を待つ248人に、2週間ごとに合格の見込みを答えてもらいました。見込みが変わる回数が多い人ほど、待つ間の心配や嫌な気分が強くなっていました。大統領選挙の結果を待つ444人の研究では、見込みを一定に保ってもらうと、ころころ変える場合に比べて心配が少なくなるという、原因と結果の関係も示されました。
対象: 法科大学院の卒業生248人、米国の大統領選挙の支持者444人 / 限界: 2つめの研究は結果の一部だけが再現された。内容は論文の要旨で確認した範囲。
Akbariら(2026)[4]
「結果がわからない状態が苦手な気持ち」と心配の関係を調べた115件の研究(138の集団・28,693人)をまとめました。この気持ちと心配の間には、強めの関連がありました(相関0.59)。著者らは、この気持ちを心配の土台になる要因、心配をそのすぐ手前で働く考えの動きと位置づけています。
対象: 不安の悩みを持つ人を含む、さまざまな集団 / 限界: 関連を見た研究のまとめで、原因と結果は確かめていない。返信待ちの場面は調べていない。
Mengら(2026)[5]
中国の845人の調査と220人の実験です。実験では、会話の相手が途中でスマホを見るという「はっきりしない」扱いを受けたあと、2分間の待ち時間にスマホの使い方を記録しました。結果のわからなさが苦手な人ほど、その後にメッセージや通知を確かめる回数が多くなっていました。
対象: 中国の若い大人(調査の平均24.44歳、実験の平均22.62歳) / 限界: 著者らは、実験が事前登録されていないこと、中国の若い大人が中心であることを限界に挙げている。
Wijngaardsら(2022)[6]
オランダの金融機関で、仕事のメールを見るのを1日3回までにする取り組みを1か月行いました。取り組んだグループは、メールで作業を中断されることが減り、終了直後の疲れ果てた感じが少なくなっていました。特に、メールが多い人と、すぐ返信しなくてよいと考えていた人で効果がありました。ただし効果は2週間後には消えていました。
対象: 選ばれた112人の会社員(事前の調査に答えたのは79人) / 限界: 仕事のメールの研究で、友人や家族とのメッセージではない。ランダムに分けた実験ではない。
6つの研究を並べると、何度も確かめたくなるのは心配の自然な動きで、確かめる回数を増やしても心配は減りにくいと考えられます。一方で、待つ間の過ごし方や見通しの持ち方で、負担は少し変えられそうです。
03 まだわかっていないこと既読や返信の速さを調べた研究はある?
今回調べた範囲では見当たりませんでした。既読の表示や返信の遅さが心に与える影響と、その対処を確かめた研究は、これからの課題です。
- 既読の表示や返信の遅さそのものが、不安とどう関わるか。今回の研究は、試験・選挙・就職の結果を待つ場面だった。
- 日本の人で同じ結果になるか。今回の研究に日本の人を調べたものはなかった。
- 気をまぎらわせる方法で、心配そのものが減るか。309人の実験では、嫌な気分は減ったが心配は減らなかった。
- トークを開く回数を決めておく方法が効くか。確かめられているのは仕事のメールだけで、効果も2週間で消えていた。
04 今日からできるセルフケア返信を待つ間、どう過ごせばいい?
開きたくなったら心配のサインと気づき、夢中になれる作業に移ります。見通しを1つに決め、開く時刻をまとめておくのも手がかりです。
開きたくなったら「心配が強まっている」と気づく
何度も開きたくなるのは、心配が強まった合図です。開いても新しいことは起きていないかもしれない、と一度言葉にしてから次の行動を選びます。
目安 開きたくなるたびに5秒
没頭できる作業を、前もって3つ書いておく
人は待っている最中に、没頭できる活動をうまく選べませんでした。パズル、料理、手を動かす片付けなど、時間を忘れやすいことを紙に書いておき、待つ間に1つ選びます。
目安 書き出しに3分、作業は15〜30分
見通しを1つに決めて、動かさない
「相手は忙しいのかも、返事は今夜か明日でふつう」のように、見込みを1つ決めておきます。開くたびに「嫌われたかも」「怒っているかも」と見込みを変えないようにします。
目安 送ったあとに1回、1分
トークを開く時刻をまとめる
「次に見るのは1時間後」「この作業が終わったら」と、開くタイミングを決めます。仕事のメールでは回数を絞ると疲れが減りましたが、効果は続かなかったので、つらい日だけの工夫と考えます。
目安 待つ間、1時間に1回など
05よくある質問
返信が来ないと不安になるのは、気にしすぎ?
そうとは限りません。結果を待つ人を追った研究では、心配が強い人ほど、また心配が強まった時ほど、情報を確かめに行っていました。何度も開いてしまうのは、心配という気持ちに自然についてくる動きです。
何度もトークを開くと、気持ちは落ち着く?
落ち着くとは限りません。待つ間の研究の著者らは、心配が「ときに役に立たない」情報探しを後押ししていると述べています。開くたびに見通しが変わると、心配はかえって強まりやすいという研究もあります。
気をまぎらわせれば不安は消える?
消えるとまでは言えません。309人の実験では、夢中になれるゲームで待つ間の嫌な気分は減りましたが、心配そのものは減りませんでした。気分を少し楽にする方法と考えるのが研究に沿った見方です。
つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。
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出典
- Howell JL, Sweeny K (2025). Information-management behavior during stressful waiting periods. Emotion, 25(7), 1774-1783. https://doi.org/10.1037/emo0001529
- Rankin K, Walsh LC, Sweeny K (2019). A better distraction: Exploring the benefits of flow during uncertain waiting periods. Emotion, 19(5), 818-828. https://doi.org/10.1037/emo0000479
- Wilson M, Sweeny K (2024). Volatility in Expectations While Awaiting Important News. Personality and Social Psychology Bulletin, 50(7), 1040-1050. https://doi.org/10.1177/01461672231158883
- Akbari M, Sheikhi S, Navab Safiadin MS, Rahmani M, Forootan R, Asmundson GJG (2026). A hierarchical uncertainty framework of anxiety: Preregistered meta-analytic structural model of intolerance of uncertainty and worry across anxiety disorders. Clinical Psychology Review, 128, 102773. https://doi.org/10.1016/j.cpr.2026.102773
- Meng Z, Qu M, Qi S (2026). When phones ring in silence: intolerance of uncertainty amplifies the association between being phubbed and online vigilance in face-to-face interaction. BMC Psychology, 14(1), 1143. https://doi.org/10.1186/s40359-026-04904-9
- Wijngaards I, Pronk FR, Burger MJ (2022). For whom and under what circumstances does email message batching work? Internet Interventions, 27, 100494. https://doi.org/10.1016/j.invent.2022.100494


