人とのつながり

会議のあと「変なこと言ったかも」と一人反省会が止まらない。相手はあなたが思うより好意的だった

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わかっている度 ★★☆ 中研究5本を整理出典照合済み(2026-10-04)
1751 Rue Richardson, Montréal, Canada
Photo: Breather breather / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

会議が終わったあと、自分の発言を何度も思い出してしまう。「あの言い方はまずかった」「変に思われたかも」と、一人反省会が止まらない。そんな夜は少なくないはずです。研究では、この反省会は多くの人に起きること、そして相手はあなたが思うより好意的に見ている可能性が高いことがわかっています。

3行でわかる

  1. 恥ずかしさを感じたあとに同じ場面をくり返し考えるのは、診断のない人にもよく起きる反応です。
  2. 初対面の会話の研究では、人は相手からの好感を実際より低く見積もっていました(好感のギャップ)。
  3. 反省を「あとで最大30分」とまとめる工夫が、心配の研究で試されています。

01結論から言うと

一人反省会は、気にしすぎな人だけのものではありません。そして反省会で思い描く「相手の評価」は、実際より厳しくなりやすいことが研究でわかっています。

会話のあと、自分の言葉を思い返してくよくよすることを、心理学では「事後の反すう」と呼びます。反すうとは、同じことを何度もかみしめるように考え続けることです。

一方で、会話の相手が自分をどう思ったかを予想させる実験では、多くの人が相手からの好感を実際より低く見積もっていました。反省会の材料になっている「変に思われたかも」は、事実より悲観的である可能性が高いのです。

02研究とデータでわかっていること

気まずさのあとにくり返し考えるのはよくある反応で、相手からの好感は実際より低く見積もられがちです。会議の場面そのものの研究はまだ少ないです。

96.67%恥ずかしさを感じたやりとりのうち、診断のない人がその場面をくり返し考えていた割合(ドイツ・スイスの18〜65歳、2020年発表)
4.71 対 5.46相手からの好感の「予想」と「実際」(7段階、中国の大学生72人・5分の初対面の会話、2020年発表)

Boothbyら(2018)[1]

会話のあと、人は相手が自分をどれだけ好きか、一緒にいて楽しかったかを、実際より低く見積もっていました。研究チームはこれを「好感のギャップ(liking gap)」と名づけています。

このずれは、実験室での初対面の会話、大学の寮の新入生どうし、一般の人が集まる講座でも見られました。会話の長さを変えても残り、寮生では数か月続いていました。

対象: 大学生と一般の参加者(5つの研究) / 限界: 初対面に近い会話が中心で、職場の会議を直接調べたものではありません。

Liら(2020)[2]

初対面の2人が5分間話したあと、相手が自分をどれだけ好きかを予想してもらいました。予想の平均は7段階で4.71でしたが、相手が実際に答えた好感は5.46で、予想のほうがはっきり低くなっていました。

対象: 中国の大学生72人(36組) / 限界: 1回きりの短い会話で、人数も多くありません。

Čolićら(2020)[3]

7日間、1日5回スマホで気持ちを記録してもらう研究です。恥ずかしさを感じたやりとりのあと、その場面をくり返し考えていた割合は、診断のない人(対照群)で96.67%でした。社交不安症やうつ病の人との間で、この割合に差はありませんでした。

対象: ドイツ・スイスの18〜65歳。社交不安症47人、うつ病118人、診断のない119人 / 限界: 恥ずかしい場面の数そのものは、診断のある人のほうが多くなっていました。

03まだわかっていないこと

好感を低く見積もる理由や、反省会を減らす確実な方法は、まだ結論が出ていません。職場の会議を対象にした研究も少ないままです。

  • 好感を低く見積もる理由ははっきりしていません。Boothbyら[1]は自分の発言への否定的な考えに注目しましたが、Liら[2]は、初対面で身構える気持ちが関わるという別の結果を報告しています。
  • 気をそらすだけでよいかもわかっていません。社交不安が高めの日本の参加者40人の実験では、緊張する課題のあとに10分間気をそらしても、反すうをした場合と比べて、ストレスホルモン(コルチゾール)の戻り方に差はありませんでした[4]。
  • 研究の多くは初対面の会話です。毎週顔を合わせる同僚との会議で、同じずれがどれくらい起きるかは、まだ直接は調べられていません。

04今日からできるセルフケア

反省会の材料は悲観的になりやすいと知ること、考える時間をあとにまとめること。この2つが、研究から考えられるお金のかからない工夫です。

1

「相手は思っているより好意的」と思い出す

「変に思われた」と感じたら、好感のギャップを思い出します。自分の予想は、実際より低めに出やすいと複数の研究でわかっています。

目安 反省会が始まったときに1回、10秒

2

反省は「あとで最大30分」にまとめる

ドイツの試験では、心配を一日中追いかけず、決めておいた時間(30分以内)まで先送りしてもらいました[5]。たとえば「夕方6時から最大30分」と決めておきます。

目安 1日1回・30分以内

3

浮かんだら、追い払わずに一言で流す

同じ試験では、考えが浮かんだら無理に止めようとせず、「また浮かんだな、今は手放そう」のような一言で受け流す練習をしていました[5]。消そうとがんばるより、置いておくイメージです。

目安 浮かぶたびに1回

先送りの試験[5]の対象は、全般性不安症などの診断がある18〜65歳の人でした。全般性不安症の人では心配が減り、4週間後も効果が続いていましたが、会議後の反省会で同じように効くかはまだわかっていません。

05よくある質問

会議のあとに一人反省会をしてしまうのはおかしい?

おかしくありません。ドイツとスイスの研究では、恥ずかしさを感じたやりとりのあと、診断のない人でも96.67%の場面でそのことをくり返し考えていました。多くの人に起きる反応です。

「変なことを言った」と思うとき、相手もそう思っている?

そうとは限りません。初対面の会話の研究では、人は相手からの好感を実際より低く見積もる傾向がくり返し確かめられています。自分の評価は、相手の評価より厳しくなりやすいと考えられます。

気をそらせば反省会は止まる?

10分ほど気をそらす課題をした日本の実験では、緊張のあとのストレスホルモンの戻り方に差は見られませんでした。短く気をそらすだけで十分かは、まだはっきりしていません。

反省会の時間を決めるやり方は、だれにでも効く?

ドイツの試験では、全般性不安症の人で心配が減っていました。この論文が紹介している先行研究では、心配が軽〜中程度の、診断のない人でも効果がみられていました。ただし、会議後の反省会を対象にした研究はまだありません。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

出典

  1. Boothby EJ, Cooney G, Sandstrom GM, Clark MS (2018). The Liking Gap in Conversations: Do People Like Us More Than We Think? Psychological Science, 29(11), 1742-1756. https://doi.org/10.1177/0956797618783714
  2. Li J, Zhong Z, Mo L (2020). Negative Deviation Effect in Interpersonal Communication: Why People Underestimate the Positivity of Impression They Left on Others. Psychology Research and Behavior Management, 13, 733-745. https://doi.org/10.2147/PRBM.S258057
  3. Čolić J, Latysheva A, Bassett TR, et al. (2020). Post-Event Processing After Embarrassing Situations: Comparing Experience Sampling Data of Depressed and Socially Anxious Individuals. Clinical Psychology in Europe, 2(4), e2867. https://doi.org/10.32872/cpe.v2i4.2867
  4. Maeda S, Moriishi C, Ogishima H, Shimada H (2022). The effect of distraction versus post-event processing on cortisol recovery in individuals with elevated social anxiety. Comprehensive Psychoneuroendocrinology, 11, 100142. https://doi.org/10.1016/j.cpnec.2022.100142
  5. Krzikalla C, Buhlmann U, Schug J, et al. (2024). Worry Postponement From the Metacognitive Perspective: A Randomized Waitlist-Controlled Trial. Clinical Psychology in Europe, 6(2), e12741. https://doi.org/10.32872/cpe.12741