人とのつながり

人と会うと、あとからどっと疲れる。大学生74人の記録では、人と社交的に過ごした2〜3時間後に疲れが強まっていた

約6分で読めます

わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的指針0件を整理
開いた窓に向かって置かれた一脚の椅子
Photo: PattayaPatrol / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

久しぶりの友達との食事も、職場の打ち合わせも、その場は楽しかった。なのに家に帰るころ、どっと疲れが出る。在宅やAIとのやりとりで人と話す日が減るほど、たまの集まりの疲れが目立つかもしれません。日々の記録をとった研究では、人と過ごした直後は気分や元気が上がり、疲れは2〜3時間ほど遅れて出ていました。疲れは、人付き合いが下手な証拠ではありません。

3行でわかる

  1. フィンランドの大学生74人の記録では、直前の1時間に社交的にふるまった人ほど、2〜3時間後に疲れが強まっていた。その場の気分はむしろよかった。
  2. オーストリアの80人を2週間調べた研究でも、周りに人が多いと元気がすぐ上がり、疲れは遅れて出ていた。その場を自分で動かせる感覚があるときほど、疲れから戻りやすかった。
  3. 疲れを「人が苦手だから」と決めつけなくてよい。会ったあとの数時間を軽めにし、その場で自分が決められることを1つ持つのが、研究に合った工夫になる。

01 結論から言うと人と会ったあと、遅れて疲れが出るのはなぜ?

日々の記録の研究では、人と社交的に過ごすと、その場では気分や元気が上がり、疲れは2〜3時間ほど遅れて強まっていました。楽しさと疲れは同じ日に両方起きるもので、疲れは人付き合いが下手な証拠ではありません。

人と話すときは、相手の話に注意を向け、言葉を選び、表情にも気を配ります。親しい相手でも、多少は自分の見せ方を整えています。研究者は、こうした気配りや注意の使い方が、あとからの疲れにつながっている可能性を挙げています。

その場で疲れを感じにくいのは、人と過ごしている間は気分や元気が上がりやすいからです。疲れは、その盛り上がりが落ち着いたあとに表に出てきます。

02 研究とデータでわかっていること人と過ごしたあと、疲れはいつ出てくる?

フィンランドの大学生の研究では、社交的にふるまった1時間の2〜3時間後に疲れが強まっていました。オーストリアの研究でも、周りに人が多いと元気がすぐ上がり、疲れは遅れて出るという同じ流れが見られました。

2〜3時間後社交的にふるまったあと、疲れが強まっていた時間(フィンランドの大学生74人、2020年発表)
3,716回オーストリアの80人が2週間に答えた気分の記録の数(2025年発表)
約1.25倍その場を自分で動かせる感覚が強いとき、疲れた状態から元気な状態に戻る起こりやすさ(同じ研究)

Leikas(2020年)[1]

参加者は4日間、1日4回(11時・14時・17時・20時)、スマホでその時の気分と疲れ、直前1時間のふるまいを答えた。直前の1時間に「社交的だった」と答えた回ほど、次の回答(2〜3時間後)で疲れが強かった。

この結びつきは、もとの疲れや性格、時間帯、仕事や勉強をしていたかを考えに入れても残った。一方、「人と会ったかどうか」だけでは、あとの疲れと結びついていなかった。疲れと結びついていたのは、会ったことより、社交的にふるまったことのほうだった。その場の気分は、社交的にふるまったときのほうがよかった。

対象: ヘルシンキ大学の学生74人(女性58人、平均26.8歳)、回答1,046回 / 限界: 答えた内容の結びつきを見た研究で、社交的なふるまいが疲れの原因だとまでは言えない。対象は大学生で、期間は4日間だけ。

WillingerとStieger(2025年)[2]

参加者は約2週間、1日4回、元気・疲れ・落ち込み・怒りを答えた。スマホが近くのBluetooth機器の数を数え、周りにいる人の多さの目安にした。周りに人が多いときは元気が高く、落ち込みが低かった。一方で、次の回答では疲れが強まっていた。

気分を「元気な状態」と「疲れた状態」に分けると、周りに人が多いほど、元気から疲れへ移る起こりやすさが約1.25倍だった。その場を自分で動かせる感覚が強いときは、疲れから元気へ戻る起こりやすさが約1.25倍だった。

対象: オーストリアの大学の研究に参加した18歳以上の80人(女性59人、男性20人、平均31.5歳) / 限界: Bluetooth機器の数は「周りの人の多さ」の目安で、会話をしたかどうかまではわからない。答えた内容の結びつきを見た研究。

Nguyenら(2025年)[3]

参加者は1日、朝8時から夜11時まで1時間ごとに、気分と「今、ひとりでいたいか、人といたいか」を答えた。緊張やイライラなどの強い気持ちがあるときほど、ひとりでいたいと答えやすかった。この傾向は、人と一緒にいるときに強まった。

反対に、わくわくするなど前向きで強い気持ちのときは、人といたいと答えやすかった。外向的か、心配しやすいかといった性格で、この傾向は変わらなかった。若い人ほど、強いいやな気持ちのときにひとりを望む傾向がはっきりしていた。

対象: 英国の大学の研究に参加した18〜66歳の362人(平均26.2歳)、回答4,338回 / 限界: 調べたのは「ひとりでいたい気持ち」で、ひとりになって気持ちが落ち着いたかは確かめていない。記録は1日分だけ。

03 まだわかっていないこと人と会う疲れは、性格でどれくらい違う?

まだはっきりわかっていません。大学生74人の研究では、遅れて出る疲れに個人差は見られませんでしたが、内向的な人と外向的な人を比べるには人数が足りなかったと、研究者自身が書いています。

  • 2つの研究は、どちらも答えた内容の結びつきを見たもので、人と会うことが疲れの原因だとは確かめていない。
  • 大人数の集まりと、1対1の会話で疲れ方が違うのか、親しい人と初対面の人で違うのかは、分けて調べられていない。
  • オンライン会議や文字のやりとりでも、同じように遅れて疲れが出るのかはわからない。
  • 対象は欧州の大学生や若い大人が中心で、日本の働く人で同じ結果になるかは調べられていない。

04 今日からできるセルフケア人と会ったあとの疲れを軽くするには?

人と会う予定の2〜3時間後は、軽い用事だけにしておきます。そのうえで、帰る時間など自分で決められることを1つ持ち、疲れを「人が苦手だから」と決めつけないようにします。

1

会う予定の2〜3時間後は、軽い用事にする

疲れは、会っている最中ではなく数時間遅れて出やすいものです。集まりのあとに大事な作業や別の予定を詰めず、片づけや入浴など軽いことだけを置きます。

目安 予定を入れるときに1分、会ったあとの2〜3時間

2

その場で自分が決められることを1つ持つ

帰る時間を先に決めておく、座る場所を選ぶ、途中で一度外の空気を吸いに出るなど、自分で決められることを1つ用意します。その場を自分で動かせる感覚が強いときほど、疲れから戻りやすい結果が出ていました。

目安 集まりの前に1分

3

疲れを「人が苦手だから」と決めつけない

疲れを感じたら、「楽しかったぶん、あとから疲れが来ている」と言いかえてみます。研究では、社交的に過ごしたあとの疲れは多くの人に見られる流れでした。

目安 疲れに気づいたときに10秒

4

ピリピリしてきたら、少しだけひとりになる

緊張やイライラが強いときは、人と一緒にいるほど「ひとりになりたい」気持ちが強まっていました。席を外して手を洗う、少し歩くなど、短いひとりの時間をはさみます。

目安 1回5〜10分

ひとりの時間と孤独の違いは自分で選んだひとり時間の研究に、つながりそのものの大切さは30万人超の研究のまとめに、会話のあとの一人反省会については会話のあとの自己評価の研究にまとめています。

05よくある質問

人と会うと疲れるのは、内向的な性格だから?

研究では、性格だけの問題とは言えませんでした。フィンランドの大学生74人の記録では、人と社交的に過ごした2〜3時間後に疲れが強まる傾向に、はっきりした個人差は見られませんでした。ただし、内向的な人と外向的な人の違いを確かめるには人数が足りなかったと、研究者自身が書いています。

楽しかったのに、あとで疲れるのはおかしい?

おかしくありません。2つの研究で、人と過ごしているときは気分や元気が上がり、疲れは数時間遅れて出るという同じ流れが見られました。楽しさと疲れは、同じ日に両方起きうるものです。

疲れるなら、人と会うのを減らしたほうがいい?

減らす必要があるとは言えません。研究で見られた疲れは数時間で現れる一時的なもので、人と過ごしている間の気分はむしろよくなっていました。会う回数より、会ったあとの時間の使い方を工夫するほうが、研究の結果に合っています。

人と会ったあと、ひとりになりたくなるのは変?

変ではありません。英国の大学の研究に参加した362人の記録では、イライラや緊張などの強い気持ちがあるときほど、ひとりでいたいと答えやすく、人と一緒にいるときにその傾向が強まっていました。外向的かどうかでこの傾向は変わりませんでした。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

無料ツール
セルフチェックで「今日やること」をまとめる
当てはまる悩みを選ぶだけ。診断はせず、記事の対策を一覧にします。
研究早見表でほかの悩み210件も見る

出典

  1. Leikas S (2020). Sociable behavior is related to later fatigue: moment-to-moment patterns of behavior and tiredness. Heliyon, 6(5), e04033. https://doi.org/10.1016/j.heliyon.2020.e04033
  2. Willinger D, Stieger S (2025). Bluetooth-sensed social presence is associated with immediate vigor and delayed fatigue: A multi-method time series analysis. iScience, 28(6), 112726. https://doi.org/10.1016/j.isci.2025.112726
  3. Nguyen T-v, Konu D, Forbes S (2025). Investigating solitude as a tool for downregulation of daily arousal using ecological momentary assessments. Journal of Personality, 93, 31-50. https://doi.org/10.1111/jopy.12939