疲れとストレスが何週間も抜けない。サウナは効く?スウェーデンの971人の調査では、月1回以上入る人のほうが元気さと幸福感の点数が高かったが、ストレスの点数は変わらなかった

画面と通知に追われる日が続き、休んでも疲れが抜けない。「サウナでととのうと楽になる」と聞いて、試してみたくなることがあります。研究では、サウナに入る人のほうが元気さや幸福感の点数が高めでしたが、疲れやストレスに効くと確かめた研究はまだ少ない状況です。試すなら、効果を期待しすぎず、安全な入り方を守ることが大切です。
3行でわかる
- スウェーデンの25〜74歳971人の調査では、月1回以上サウナに入る人のほうが元気さと幸福感の点数が高かった。ストレスの点数は入らない人と同じだった。
- 40件・3,855人の研究のまとめでは、多くが小さな研究で、睡眠やストレスへの効果をうたう宣伝に対して、確かな根拠は少ないとされていた。
- 北欧の調査では、サウナでの死亡の半分以上に飲酒がかかわっていた。試すなら、月に数回から、飲酒後は入らず、気分が悪くなる前に出る。
01 結論から言うと長引く疲れに、サウナは効く?
効くかどうかは、研究ではまだ結論が出ていません。サウナに入る人のほうが元気さや幸福感が高い傾向はありますが、もともと健康的な暮らしをしている人が多く、サウナのおかげとは言えません。
サウナは、熱い部屋で体を温め、汗をかいたあとに休む入浴法です。日本でも「ととのう」という言葉とともに広まりました。施設や宣伝では、疲れが取れる、よく眠れる、ストレスが減るといった効果が語られることがあります。
ところが、健康な大人を対象に、サウナが疲れやストレスを減らすかをきちんと比べた研究は多くありません。わかっているのは「入る人には元気な人が多い」という関連までです。
長引く疲れを立て直す方法の一つとして試すのはかまいません。ただし、過度に期待せず、体に負担をかけない入り方を選ぶことが大切です。
02 研究とデータでわかっていることサウナに入る人は、何が違っていた?
スウェーデンの971人の調査では、サウナに入る人は元気さと幸福感の点数が高く、睡眠への満足も高めでした。一方でストレスの点数は同じで、運動する人が多いなど暮らし方も違っていました。
Engströmら(スウェーデン、2024年)[1]
月1回以上サウナに入る人は、入らない人より、元気さ(平均71.3対65.6)と幸福感(73.8対69.2)の点数が高く、睡眠への満足や心の健康の点数も高めでした。ストレスの点数(39.0対39.1)は変わりませんでした。心の健康と元気さは、月1〜4回の人で高く、週2回以上の人でもそれ以上は高くなっていませんでした。
対象: 住民台帳から無作為に選ばれ、調査に参加したスウェーデン北部の25〜74歳のうち、サウナの質問に答えた971人 / 研究デザイン: 1回きりのアンケート調査 / 限界: サウナに入る人は若く、運動する人が多く、たばこを吸う人が少ない一方、飲酒の回数は多めでした。サウナが元気さを高めたという因果関係はわかりません。
Hussain・Cohen(オーストラリア、2018年)[2]
2000年以降の40件・3,855人の研究をまとめると、多くの研究で何らかのよい結果が報告されていました。ただし、ランダムに分けた試験は13件だけで、多くは40人未満の小さな研究でした。著者は、睡眠の改善やストレスの軽減などをうたう宣伝に対し、確かな医学的根拠は少ないと指摘しています。
対象: 健康な人を調べた研究は6件で、多くは心臓病・関節の痛みなどの患者の研究 / 限界: 研究ごとに測り方がばらばらで、どのくらいの頻度・時間がよいかはわかっていません。
Lennkvistら(スウェーデン、2025年)[3]
サウナに入る女性384人に聞くと、入ったあとのほうが「よく眠れる」「体の痛みがない」の点数が高いと答えていました。忙しい日のあとに気持ちがほどける、スマホなどの機器から離れて静かに過ごせる、という声がありました。一方で、熱さや脱水でふらついた・失神した、飲酒と組み合わせて吐き気がした、急いでいると逆に落ち着かない、といった声もありました。
対象: サウナの愛好グループなどで募集したスウェーデンの24〜83歳の女性384人 / 限界: サウナが好きな人の、本人の感じ方の調査です。入る前と後の比較も、思い出して答えたものです。
03 まだわかっていないことサウナで疲れが取れたと言えるのはなぜ難しい?
健康な大人を無作為に分けて、疲れやストレスが減るかを比べた研究がほとんどないためです。入る人がもともと元気な可能性や、温まる以外の要素の影響を区別できていません。
- 疲れやストレスが続いている働く人を対象に、サウナに入る組と入らない組を比べた研究は、今回の調べでは見つかりませんでした。
- 元気さの差が、熱さによるものか、休む時間を取ること、スマホから離れること、人との会話などによるものかはわかっていません。
- 紹介した調査はスウェーデンの人が対象で、日本の施設や入り方で同じ結果になるかはわかりません。
- どのくらいの温度・時間・回数がよいかは、研究ではまだ決まっていません。
04 今日からできるセルフケアサウナを試すなら、どう入ればいい?
回数は月に数回から、体調のよい日に、飲酒後は避けて入ります。スマホを持ち込まず、休む時間として使うのも一つの方法です。効果は確かめられていないため、つらいときは無理をしません。
回数は「月に数回」から始める
毎日入る必要はありません。スウェーデンの調査では、心の健康と元気さの点数は月1〜4回の人で高く、それより多く入る人でも高くなっていませんでした。
目安 月1〜4回
飲酒後と、体調の悪い日は入らない
研究のまとめが紹介する北欧の調査では、サウナでの死亡の半分以上に飲酒がかかわっていました。熱が出ている日や寝不足の日も控え、持病がある人は心配なら主治医に確かめます。
目安 お酒を飲んだ日は入らない
苦しくなる前に出て、水分をとる
女性の調査では、熱さや脱水、長く入りすぎてふらついた・失神したという声がありました。971人の調査で多かった入り方は1回15〜20分・1〜2セットでしたが、時間より体の感覚を優先し、早めに出ます。
目安 入る前と後にコップ1杯の水
スマホを持ち込まない「何もしない時間」にする
女性の調査では、機器から離れて静かに過ごせることが、よさとして語られていました。サウナに限らず、画面から離れて休む時間をつくること自体が、疲れを立て直す手がかりになります。
目安 1回20〜30分の休憩ごと
湯船につかる習慣の研究は 湯船に10分つかる記事、冷たいシャワーの研究は 冷たいシャワーの記事、燃え尽きた感じが続くときの回復の進み方は 燃え尽きの記事 で紹介しています。
05よくある質問
サウナで「ととのう」と、疲れは取れる?
研究ではまだ確かめられていません。スウェーデンの971人の調査では、月1回以上サウナに入る人のほうが元気さの点数が高めでしたが、入る人はもともと運動する人が多く、サウナのおかげかどうかはわかりません。
サウナには毎日入ったほうがいい?
毎日のほうがよいという根拠は見つかっていません。スウェーデンの調査では、心の健康と元気さの点数は月1〜4回の人で高く、週2回以上の人でもそれ以上は高くなっていませんでした。
お酒を飲んだあとにサウナに入ってもいい?
避けたほうが安全です。研究のまとめが紹介している北欧の調査では、サウナでの死亡の半分以上に飲酒がかかわり、一人で入っていたことも共通していました。スウェーデンの女性の調査でも、飲酒と組み合わせて吐き気や失神を経験した声がありました。
つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。
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出典
- Engström Å, Hägglund H, Lee E, Wennberg M, Söderberg S, Andersson M (2024). Sauna bathing in northern Sweden: results from the MONICA study 2022. International Journal of Circumpolar Health, 83(1), 2419698. https://doi.org/10.1080/22423982.2024.2419698
- Hussain J, Cohen M (2018). Clinical Effects of Regular Dry Sauna Bathing: A Systematic Review. Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine, 2018, 1857413. https://doi.org/10.1155/2018/1857413
- Lennkvist M, Hägglund H, Engström Å (2025). Women's perceptions of sauna bathing and its impact on health and well-being: insights from a cross-sectional study. International Journal of Circumpolar Health, 84(1), 2595806. https://doi.org/10.1080/22423982.2025.2595806


