人とのつながり

SNSの自分の投稿に否定的なコメントがつくと、思った以上にこたえるのはなぜ?英国の大学の129人の実験では、否定的なコメントを読んだ組は不安が強く気分も低かったが、ほめるコメントで不安が中立のコメントより下がる差ははっきりしなかった

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的指針0件を整理
木の机に置かれたノートパソコンとスマートフォンとコーヒー
Photo: Alejandro Escamilla alejandroescamilla / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

楽しい気持ちで載せた写真や文章に、知らない人から否定的なコメントがつく。ほかにうれしい反応もあったのに、その一言ばかりが頭に残って、何度も読み返してしまう。「気にしすぎだ」と自分を責める人もいますが、研究を見ると、そう感じるのは珍しいことではありません。

3行でわかる

  1. 英国の大学の実験では、自分の投稿に否定的なコメントがついた場面を体験した組は、中立のコメントの組より不安が強く、気分も低かった。
  2. 一方、ほめるコメントの組と中立のコメントの組では、不安の差ははっきりしなかった。いやな反応のほうが心に響きやすいことがうかがえる。
  3. こたえるのは心が弱いからではない。すぐ返信せず、いったんスマホから距離をとるのは、多くの若い人がとっている対処だった。

01 結論から言うと否定的なコメントがこたえるのは、気にしすぎ?

気にしすぎとは言えません。実験では、否定的なコメントを読むだけで不安がはっきり高まり、気分も下がっていました。ほめるコメントで不安が下がる差ははっきりせず、いやな反応のほうが強く響きやすいようです。

人は、ほかの人から受け入れられているかどうかに敏感です。知らない相手とのネット上のやりとりでも、冷たく扱われると気持ちが大きく揺れることが、多くの実験で確かめられています。

ただし、どのくらいの時間こたえ続けるのか、実際の自分の投稿でも同じなのかは、まだ研究が少ない段階です。

02 研究とデータでわかっていること否定的なコメントで、気持ちはどのくらい変わる?

英国の大学の実験では、否定的なコメントを読んだ組の不安は、中立のコメントの組よりはっきり高く、気分も低くなっていました。性別による差ははっきりせず、若い人の組はコメントの種類にかかわらず不安が高めでした。

2.42 対 1.77否定的なコメントの組と中立のコメントの組の不安の平均点(1〜4点、英語を話す18歳以上、2025年発表)
2.37 対 3.05同じ2つの組の、よい気分の平均点(1〜4点、同じ実験)
120件画面上のゲームで仲間外れにされる体験の実験をまとめた数。気持ちへの影響は「大」だった(計11,869人、2015年発表)
4,029人ネットでいやな目にあった人ほどストレスが高かった米国とインドネシアの調査の人数(16〜25歳、2025年発表)

Aiら / ウォーリック大学(2025年)[1]

10万人のフォロワーがいるブロガーになったつもりで、用意されたレゴや旅行などの短い記事から1つを選んで投稿する、を4回くり返してもらい、そのたびについた10件のコメントを読んでもらった。コメントは、全部否定的、全部中立、全部ほめる、のどれかにくじで分けた。不安の平均点(1〜4点)は、否定的な組が2.42で、中立の組の1.77、ほめる組の1.55より高かった。中立とほめるの差ははっきりしなかった。よい気分の点数も、否定的な組は2.37で、中立の組の3.05、ほめる組の3.25より低かった。

対象: 英語を話す18歳以上の129人(オンラインで募集、平均37.0歳) / 限界: 自分で書いた投稿ではなく、用意された記事とコメントで、どちらもAI(ChatGPT)で作られていた。測ったのは読んだ直後の1回だけ。

同じ実験の、年齢と性別の分析(2025年)[1]

性別による不安の差は、統計でははっきりしなかった。後から追加した分析で、参加者を年齢の真ん中(35歳)で2つに分けると、若い組(平均26.7歳)は年上の組(平均48.1歳)より、コメントの種類にかかわらず不安が高く(2.07対1.77)、よい気分は低めだった(2.79対3.01)。ただ、否定的なコメントのときにだけ若い組の不安が特に上がる、という差ははっきりしなかった。

対象: 同上 / 限界: 年齢の分析は事前に計画していなかった追加の分析で、確かめ直す必要がある。

Hartgerinkら(2015年)[2]

画面上で知らない相手とボールを投げ合うゲームで、途中からボールを回してもらえない体験をする実験120件をまとめた。仲間外れにされた人は、されなかった人に比べて、気分やつながりの感覚が大きく下がっていた。この影響は、性別や年齢、国による違いがほとんどなかった。

対象: 120件の実験、計11,869人 / 限界: コメントで否定される体験ではなく、ゲームで仲間外れにされる体験を調べたもの。

Khaleghipourら(2025年)[3]

米国とインドネシアの16〜25歳に、ネットでうそを広められるなどのいやな目にあった頻度と、ストレスの強さを尋ねた。いやな目にあった頻度が高い人ほど、どちらの国でもストレスが高い関連があった。ストレスが高い人ほど、「連絡がつかないようにスマホを切る、しまう、見ない」ことがあると答える傾向もあった。

対象: 米国1,922人、インドネシア2,107人 / 限界: 1回きりの調査で、原因と結果の向きは言えない。スマホから離れることでストレスが下がるかは調べていない。

03 まだわかっていないこと否定的なコメントの影響は、どのくらい続く?

まだわかっていません。実験で測ったのは読んだ直後だけで、何時間、何日こたえ続けるのか、どうすれば早く戻るのかを確かめた研究は、今回見つかりませんでした。

  • 実験の投稿もコメントも用意されたもので、本当に自分が書いた投稿に、知り合いからつくコメントでは、影響がもっと強い可能性がある。
  • 否定的なコメントが1件だけで、ほかはほめるコメントという、よくある状況での影響は調べていない。
  • 参加者は英語を話す人が中心で、日本の人で同じ結果になるかはわからない。
  • 返信する、削除する、スマホから離れるなど、どの対処が気持ちを早く戻すかは、まだ確かめられていない。

04 今日からできるセルフケア否定的なコメントがついたら、まず何をする?

「こたえて当然」と知っておくことが第一歩です。そのうえで、すぐ返信しない、読み返す回数を決めていったんスマホから離れる、信頼できる人に話す、の3つがお金をかけずにできます。

1

すぐに返信しない

動揺したまま返すと、言い合いになりやすくなります。返すかどうかは、いったん時間をおいて、気持ちが落ち着いてから決めます。

目安 少なくとも30分おく

2

読み返すのは1回と決めて、スマホを置く

同じコメントを何度も開くと、そのたびに気持ちが引き戻されます。1回読んだらアプリを閉じ、通知をしばらく止めて、スマホを手の届かない場所に置きます。

目安 1〜2時間

3

信頼できる人に、言葉にして話す

ひとりで読み返すより、家族や友人に「こういうコメントがついて、いやだった」と話してみます。相手の反応を求めすぎず、気持ちを外に出すことを目的にします。

目安 5〜10分

グループチャットで無視されたように感じたときは仲間外れの研究で整理しています。SNSを眺めるだけで疲れるときはSNS疲れの研究もどうぞ。

05よくある質問

否定的なコメントを気にしすぎる自分は、心が弱い?

そうとは言えません。英国の大学の実験では、否定的なコメントを読んだ組全体で不安が高まっていて、性別による差もはっきりしませんでした。知らない相手からの冷たい扱いでも気持ちが大きく揺れることは、120件の実験のまとめでも示されています。

ほめるコメントもたくさんあるのに、否定的な1つが気になるのはなぜ?

理由はまだはっきりしていません。ただ英国の大学の実験では、否定的なコメントで不安は大きく上がった一方、ほめるコメントで不安が中立のコメントより下がる差ははっきりしませんでした。いやな反応のほうが、心に強く響きやすいのかもしれません。

年齢で受け止め方は違う?

英国の大学の実験では、参加者を年齢の真ん中(35歳)で分けると、若い組(平均26.7歳)のほうが年上の組より、コメントの種類にかかわらず不安が高く、気分も低めでした。ただ、否定的なコメントでだけ若い人の不安が特に上がる、という差は統計でははっきりしませんでした。

しばらくスマホから離れるのは逃げ?

逃げとは言い切れません。米国とインドネシアの16〜25歳4,029人の調査では、ネットでいやな目にあった人ほどストレスが高く、ストレスが高い人ほど、あえてスマホを切ったり置いたりして距離をとる傾向がありました。効き目はまだ確かめられていませんが、多くの人がとっている対処です。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Ai Y, von Mühlenen A. (2025). An experimental online study on the impact of negative social media comments on anxiety and mood. Scientific Reports, 15, 26642. https://doi.org/10.1038/s41598-025-10810-8
  2. Hartgerink CHJ, van Beest I, Wicherts JM, Williams KD. (2015). The ordinal effects of ostracism: A meta-analysis of 120 Cyberball studies. PLoS One, 10(5), e0127002. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0127002
  3. Khaleghipour M, Koban K, Stevic A, Matthes J. (2025). Reflective smartphone disengagement as a coping strategy against cyberbullying: A cross-country study with emerging adults from the United States and Indonesia. New Media & Society, 27(10), 5640-5658. https://doi.org/10.1177/14614448241254015