AIとの付き合い方

AIを使うのが不安で、つい避けてしまうのはなぜ?イタリアの335人の調査では、不安が強い人ほど使った経験も仕組みの知識も少なく、トルコの1,151人の調査では、不安と結びついていたのは使うかどうかより「使いこなせる自信」や社会への影響の心配だった

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わかっている度 ★☆☆ 低研究3本・公的指針0件を整理
木の机に置かれた閉じたノートパソコン
Photo: Luca Bravo lucabravo / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

周りがAIを使いこなしているのに、自分はなんとなく怖くて開けない。使い方を覚える前から、気が重くなる。そう感じている人は少なくありません。研究では、AIへの不安は、使った経験や知識の少なさ、そして「自分にも使いこなせる」という自信のなさと結びついていました。不安は、あなたが時代遅れだという印ではありません。

3行でわかる

  1. イタリアの18〜79歳の335人の調査では、AIへの不安が強い人ほど、AIを使った経験が少なく、仕組みを知っていると感じる度合いも低い関連がありました。
  2. トルコの研究者が1,151人を調べた調査では、不安と強く結びついていたのは、使っているかどうかより、使いこなせる自信の低さや、社会への悪い影響が見過ごされているという心配でした。
  3. 2026年の韓国のレビューは、AIへの不安を病気ではなく、急な変化に対するストレス反応として整理し、強すぎると避けることや孤立につながりうると指摘しています。

01 結論から言うとAIを使うのが不安なのはなぜ?

AIへの不安は、使った経験や知識が少ないこと、使いこなせる自信が低いこと、社会への影響が心配なことと結びついていました。ただし調べた研究はまだ少なく、原因まではわかっていません。

新しい道具を前にして不安になるのは、自然な反応です。AIの場合は「使い方がわからない」だけでなく、「仕事を奪われるかも」「悪用されるかも」といった心配も重なりやすいのが特徴です。

2つの調査は、どちらもある時点で一度だけ聞いたものです。不安だから使わないのか、使わないから不安なのかは、まだ区別できません。そのため、この記事のわかっている度は★☆☆としています。

02 研究とデータでわかっていることAIへの不安は、何と結びついていた?

イタリアの調査では、不安が強い人ほど使った経験と知識が少なめでした。トルコの研究者による調査では、使いこなせる自信の低さや、社会への影響の心配が、不安とより強く結びついていました。

−0.35AIへの不安と、AIを使った経験の相関(イタリアの18〜79歳の335人、2025年発表。マイナスは不安が強いほど経験が少ない関連)
−0.38AIへの不安と、仕組みを知っていると感じる度合いの相関(同じ調査)
3.70AIへの全般的な不安の平均(5段階、トルコの研究者による1,151人の調査、2025年発表)

Russo ら / ローマ・ヨーロッパ大学など(2025年)[1]

AIへの不安が強い人ほど、AIを使った経験が少なく、AIの仕組みを知っていると感じる度合いも低く、AIへの前向きな気持ちも弱い関連がありました。女性は男性より不安の平均が高く(7段階で4.00と3.52)、使った経験と知識は少なめでした。

対象: インターネットで集めた18〜79歳の335人(平均約30歳、98.2%がイタリア人) / 限界: 一度きりの調査で、不安と経験のどちらが先かはわかりません。

Uğur・Dursun / サカリヤ大学(トルコ、2025年)[2]

AIへの不安を9つの面から測りました。全般的な不安と最も強く結びついていたのは、「AIの社会への悪い影響や偏りが見過ごされている」という感覚と、監視や悪用への心配でした。使いこなせる自信と、AIを学ぼうとする気持ちが強い人ほど、不安は低めでした。AIを使っている人の全般的な不安は3.82で、使っていない人の3.60よりやや高めでした。

対象: 18歳から55歳以上までの1,151人(ネットと紙の質問票。研究者は1つの国で集めたと記載) / 限界: 一度きりの自己申告の調査で、ほかの国に当てはまるかはわかりません。

Jo / 嶺南大学(韓国、2026年)[3]

AIへの不安についての研究をまとめたレビューです。AIへの不安を、独立した病気ではなく、急な変化に対するストレス反応として整理しました。中身を「ついていけるかの不安」「仕事や役割を失う不安」「社会への不信と制御を失う不安」「人と機械の境目の不安」「未来への大きな不安」の5つに分けています。

対象: これまでの研究の文献 / 限界: 研究を選ぶ手順を決めて集めたまとめ(システマティックレビュー)ではありません。著者は、長く追う研究で確かめる必要があるとしています。

2つの調査では、使っている人と不安の関係が逆向きに見えます。ただ、イタリアの調査で測ったのは使った頻度、トルコの研究者の調査は使っているかどうかで、測り方が違います。共通していたのは、「わかる・できる」という感覚が弱いほど不安が強いという方向でした。

03 まだわかっていないことAIへの不安の研究で、わかっていないことは?

AIを使ったり学んだりすると不安が減るのかは、まだ確かめられていません。日本の人を対象にした同じ形の調査も、今回調べた範囲では見つかりませんでした。

  • 2つの調査はどちらも一度きりで、不安が使わない原因なのか、使わない結果なのかはわかりません。
  • 使っている人と不安の関係は、2つの調査で向きが違って見え、結論が出ていません。
  • レビューは、AIへの不安の定義や、時間とともにどう変わるかを、長く追う研究で確かめる必要があるとしています。
  • 対象はイタリアと、トルコの研究者が集めた人で、日本でも同じ傾向かはわかりません。

04 今日からできるセルフケアAIへの不安と、どう付き合えばいい?

不安の中身を書き分けること、困らない用事で小さく試すこと、AIのニュースに触れる時間を区切ること。研究の結果から考えられる、お金のかからない工夫です。

1

不安の中身を、5つのどれに近いか書き分ける

レビューは、AIへの不安を「ついていけるか」「仕事や役割」「社会への不信」「人と機械の境目」「未来」の5つに分けていました。自分の不安がどれに近いかを書くと、使い方を覚えれば和らぐ不安と、そうでない不安を分けて考えられます。

目安 紙に書き出して3分

2

失敗しても困らない用事で、1回だけ使ってみる

調査では、使いこなせる自信が低い人ほど不安が強めでした。献立の案や、言葉の言い換えなど、間違っても困らない用事で1回だけ試します。合わなければ、やめてかまいません。

目安 1回10分

3

AIのニュースに触れる時間を区切る

レビューでは、メディアを通じてAIの危険を知ることも、不安が生まれる道の1つに挙げられていました。AIの話題を追うのは1日1回までなど、時間を決めます。

目安 1日1回・15分まで

情報の減らし方は、情報が多すぎて疲れるときの記事でも紹介しています。

05よくある質問

AIが不安なのは、自分だけ?

自分だけではありません。トルコの研究者が1,151人を調べた調査では、5段階で答えるAIへの全般的な不安の平均は3.70で、真ん中の3を上回っていました。2026年の韓国のレビューも、AIへの不安を病気としてではなく、急な変化に対する心のストレス反応として整理しています。

AIを使えば、不安はなくなる?

はっきりしたことは言えません。イタリアの335人の調査では、不安が強い人ほど使った経験が少ない関連がありました。一方、トルコの研究者による1,151人の調査では、AIを使っている人のほうが全般的な不安はやや高めでした。どちらも1回きりの調査で、使うことが不安を減らすかどうかは確かめられていません。

AIへの不安は、女性や年配の人のほうが強い?

イタリアの335人の調査では、女性のほうが不安の平均が高く、使った経験と仕組みの知識は少なめでした。トルコの研究者による調査では年齢層による差ははっきりせず、性別などの影響は、使いこなせる自信などの心理的な要因を考えに入れると小さくなっていました。

AIについていけない焦りや、AIでの失敗が気になる

ついていけない焦りはAIについていけない焦りの記事に、AIの間違いで使うのが怖くなった話はAIの間違いで信頼が下がったあとの記事にまとめています。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Russo C, Romano L, Clemente D, Iacovone L, Gladwin TE, Panno A (2025). Gender differences in artificial intelligence: the role of artificial intelligence anxiety. Frontiers in Psychology, 16, 1559457. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2025.1559457
  2. Uğur NG, Dursun F (2025). The social anatomy of AI anxiety: gender, generations, and technological exposure. Frontiers in Psychiatry, 16, 1641546. https://doi.org/10.3389/fpsyt.2025.1641546
  3. Jo SH (2026). Artificial intelligence anxiety: a narrative review of psychiatric conceptualization and clinical management. Journal of Yeungnam Medical Science, 43, 54. https://doi.org/10.12701/jyms.2026.43.54