AIとの付き合い方

暇なとき、ついAIに話しかけてしまう。大学生551人の調査では、退屈しやすい人ほど、約2か月後にAIとのチャットをコントロールしにくい傾向があった

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わかっている度 ★☆☆ 低研究3本・公的指針0件を整理出典照合済み(2026-10-14)
窓辺に置かれた鉢植えの植物
Photo: Tangopaso / Public domain / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

やることがないとき、なんとなくAIのチャットを開いて話しかけている。気づけば時間がたっていて、少し後ろめたい。そんな人は少なくありません。中国の大学生の調査では、もともと退屈しやすい人ほど、約2か月後にAIとのチャットを自分でコントロールしにくい傾向がありました。退屈とさびしさが、その間をつないでいました。

3行でわかる

  1. 中国の大学生551人を3回調べた研究(2024年)では、退屈しやすい人ほど、約2か月後にAIチャットの「問題のある使い方」が多い傾向があった。
  2. その間には、さびしさと「思わず動いてしまう衝動」が関わっていた。スマホやSNSの28件の研究のまとめでも、退屈は使いすぎと結びついていた。
  3. 防ぐ工夫として、退屈に気づく、代わりにすることを決めておく、さびしい日は人に連絡する、の3つから始められる。

01 結論から言うと暇なときにAIと話す習慣は、やめにくくなる?

退屈しやすい人ほど、のちにAIとのチャットをコントロールしにくい傾向があったという研究があります。ただし調査は1件で、因果は確かめられていません。暇なときに使うこと自体が悪いという結果ではありません。

ここでいう「問題のある使い方」は、使う時間の長さではありません。やめようと思ってもやめられない、気持ちの支えとして頼りきってしまう、生活に困りごとが出る、といった状態を指します。

この研究の著者らも、よく使うことをそのまま依存と呼ぶことには注意が必要だと書いています。大事なのは、使い方を自分で選べているかどうかです。

02 研究とデータでわかっていること退屈とAIの使いすぎは、どうつながっている?

大学生の研究では、退屈しやすい人ほどさびしさと衝動が強く、それがのちのAIチャットの問題のある使い方と関連していました。スマホやSNSの研究でも、退屈は使いすぎと結びつくことがくり返し報告されています。

551人退屈しやすさとAIチャットの使い方を約1か月おきに3回調べた中国の大学生(平均19歳、2024年)
週2.98時間同じ研究で、学生がAIチャットを使っていた平均時間
28件退屈しやすさとスマホ・ネット・SNS・ゲームの使いすぎを調べた研究のまとめ(2025年)

Yuan ら(2026)[1]

10月に退屈しやすさを、11月にさびしさと自分を抑える力・衝動の強さを、12月にAIチャットの問題のある使い方を測りました。退屈しやすい人ほど、さびしさが強く(β=0.57)、衝動が強く(β=0.31)、自分を抑える力は弱い傾向でした(β=−0.38)。12月の問題のある使い方とも直接の関連がありました(β=0.25)。

対象: 中国の2つの大学の学生551人(女性57.5%、平均19.02歳)。3回すべてに答えたのは503人 / 限界: 各項目を1回しか測っておらず、最初からAIの使い方に問題があった可能性を除けません。著者ら自身が因果は結論できないとしています。

Yuan ら(2026)[1]

退屈しやすさとAIの問題のある使い方の間は、さびしさを通る道と、衝動の強さを通る道でつながっていました。一方、自分を抑える力の弱さを通る道は確かめられませんでした。著者らは、予防の手がかりとして、さびしさと衝動に目を向けることを挙げています。

対象: 同上。最もよく使われていたのは中国のAIチャット(68.2%) / 限界: さびしさと衝動は同じ時期に測っており、どちらが先かはわかりません。

Tagliaferri ら(2025)[2]

4,603件の文献から選んだ28件の研究をまとめると、退屈しやすさは、スマホ・ネット・SNS・ゲームなどの使いすぎと、直接にも、さびしさや自己調整の弱さを通しても結びついていました。マインドフルネス(いまに注意を向ける力)や注意をコントロールする力は、その影響を和らげる要因として挙がっていました。

対象: 多くは大学生などを対象にした観察研究 / 限界: AIチャットの研究は含まれていません。多くが1時点の調査で、向きや因果は決められません。

Chen と Xu(2026)[3]

中学生・高校生を2年あまり4回追った研究では、SNSの使い方に問題が多かった時期のあとに、退屈しやすさがいつもより高くなる傾向が、3つの期間すべてで見られました。退屈を紛らわすつもりの使い方が、かえって退屈を強める流れもありうると考えられますが、因果は確かめられていません。

対象: 中国・広州の12〜19歳2,163人(2020〜2022年) / 限界: 調査はすべてコロナ禍の時期で、SNSの研究です。AIチャットで同じことが起きるかはわかりません。

03 まだわかっていないこと退屈を減らせば、AIに頼りすぎずにすむ?

まだわかりません。退屈やさびしさに働きかけたときに、AIの使いすぎが減るかを確かめた実験は見当たりません。著者らも、効果は実験で確かめる必要があるとしています。

  • AIチャットと退屈の関係を調べた研究は、ここで紹介した中国の大学生の1件だけです。働く大人や日本の人で同じ結果になるかはわかりません。
  • 勉強のため、気晴らしのため、気持ちの支えのためなど、使う目的ごとの違いはまだ分けて調べられていません。
  • 調査の間隔は約1か月と短く、もっと長い期間での変化はわかりません。
  • 答えはすべて本人の自己申告で、実際の利用記録は使われていません。

04 今日からできるセルフケア暇つぶしのAIに頼りすぎないためには?

研究で関わりが見えた「退屈」「さびしさ」「衝動」に、先に手を打つことです。開く前に一呼吸おく、代わりにすることを決めておく、さびしい日は人に連絡する。お金をかけずに試せる工夫です。

1

開く前に「いま退屈?」と自分に聞く

AIのチャットを開こうとした瞬間に、ひと呼吸おいて気持ちに名前をつけます。研究のまとめでは、いまに注意を向ける力や注意をコントロールする力が、退屈の影響を和らげる要因として挙がっていました。

目安 1回5秒・開くたびに

2

「退屈したときにすること」を3つ書いておく

散歩する、本を数ページ読む、ストレッチをするなど、画面を使わないことを紙やメモに書いておきます。研究のまとめが紹介している研究では、退屈しにくい10代ほど、自由時間にスポーツや読書を選ぶ傾向がありました。

目安 5分・一度書けばOK

3

さびしい日は、AIより先に人へ1通送る

「元気?」の一言でもかまいません。大学生の研究では、退屈しやすさとAIの使いすぎの間を、さびしさがつないでいました。人とのつながりを先に確保しておくと、AIだけが話し相手になるのを防ぎやすくなります。

目安 1分・さびしさを感じた日に

4

AIを開くときは、用件を一言決めてから

「明日の予定を整理する」など、聞きたいことを決めてから開きます。研究の序論が紹介している先行研究では、目的を持って情報を得るための使い方は、問題のある使い方を防ぐ要因の一つに挙がっていました。

目安 10秒・開くたびに

すでにやめられなくなっていると感じるときは「AIとのチャットがやめられない」、AIと話すことと孤独の関係は「AIと話すと孤独はまぎれる?」、スマホと退屈の研究は「スマホがあるのに、いつも退屈」も参考になります。

05よくある質問

暇なときにAIと話すのは、やめたほうがいいですか?

やめる必要があるという研究はありません。中国の大学生の研究で問題とされたのは、やめようと思ってもやめられない、気持ちの支えとして頼りきる、生活に困りごとが出る、といった使い方です。使う時間の長さだけで依存と決めつけることには、研究者自身も注意をうながしています。

退屈しやすい性格は変えられますか?

はっきりしたことはわかっていません。ただ、中高生のSNSの研究では、SNSの使い方に問題が多かった時期のあとに退屈しやすさが高まる傾向があり、退屈しやすさの得点も時期によって上下していました。生まれつき固定されたものとは限らない可能性があります。

AIに話しかけるのは、さびしいからでしょうか?

人によります。大学生の研究では、退屈しやすい人ほどさびしさが強く、さびしさを通してAIの問題のある使い方とつながる道が見られました。ただしこれは集団全体の傾向で、一人ひとりの理由を決めるものではありません。

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出典

  1. Yuan J, Zhou K, Zhang C (2026). From boredom to problematic AI chatbot use: a three-wave half-longitudinal mediation study of loneliness and dual-system self-control. Australian Journal of Psychology, 78(1), 2737094. https://doi.org/10.1080/00049530.2026.2737094
  2. Tagliaferri G, Martí-Vilar M, Frisari FV, Quaglieri A, Mari E, Burrai J, Giannini AM, Cricenti C (2025). Connected by Boredom: A Systematic Review of the Role of Trait Boredom in Problematic Technology Use. Brain Sciences, 15(8), 794. https://doi.org/10.3390/brainsci15080794
  3. Chen ST, Xu FM (2026). Reciprocal relationship between boredom proneness and problematic social media use among Chinese adolescents: a random intercept cross-lagged panel model. Frontiers in Psychiatry, 17, 1925655. https://doi.org/10.3389/fpsyt.2026.1925655