AI疲れ・情報疲れ

スマホがあるのに、いつも退屈。米国の中高生10万人の調査では退屈が年々増えていて、研究者はスマホなどのデジタル機器との関係を指摘していた

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的指針0件を整理出典照合済み(2026-10-12)
机の上のスマートフォンと色ペン
Photo: Gabriel Santiago gabrielssantiago / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

動画もSNSもニュースも、スマホを開けばいくらでもあります。それなのに、なぜか毎日が退屈で、何を見ても満たされない。そう感じるのは、あなただけではありません。研究では、娯楽が手軽になったこの10年ほどで、退屈を感じる人がむしろ増えていました。研究者は、その理由の一つにスマホなどのデジタル機器を挙げています。

3行でわかる

  1. 米国の中高生約10万人の調査では、「よく退屈する」への当てはまりの度合い(5段階)が2010〜2017年に毎年約1.1%ずつ上がっていました。
  2. オランダの職場の83人の記録では、退屈なときほどスマホを手に取り、使ったあとの退屈はむしろ少し高くなっていました。
  3. スマホを開く前に退屈の中身を考え、動画は飛ばさずに見て、少し頭を使う遊びを一つ持つことが、研究から考えられる工夫です。

01 結論から言うとスマホがあるのに退屈なのはなぜ?

スマホが、注意を細かく分け、刺激への期待を高め、退屈しのぎとしては効きにくいためだと、研究者は説明しています。退屈は娯楽の量よりも、注意を向けられない・意味を感じにくいときに起きやすい気持ちです。

心理学では、退屈を「何かに打ち込みたいのに、満足できる活動に入り込めない、いやな状態」と説明します。ポイントは、刺激の量ではなく、注意を向けて入り込めるかどうかです。

トロント大学のTamとInzlichtは2024年の論文で、デジタル機器が退屈を強める道筋を5つ挙げました。注意を分ける、求める刺激の水準を上げる、意味を感じにくくする、「ほかにもっと良いものがあるかも」という気持ちを強める、退屈しのぎとして効きにくい、の5つです。

02 研究とデータでわかっていること退屈は本当に増えている?スマホと関係ある?

学生を対象にした調査では、退屈はこの10年ほどで増えていました。スマホを使うと退屈が強まったという実験や記録も増えていますが、原因と言い切れる段階ではありません。

約1.1%米国の8・10・12年生(中2・高1・高3相当)10万6,784人で、「よく退屈する」への当てはまりの度合いが毎年上がった割合(2010〜2017年)
64件中国の大学生2万8,269人の研究をまとめた分析。退屈しやすさの平均点は2009年の104.49から2020年の118.75に上昇
83人オランダの大学で働く大学院生が、3日間1時間ごとに疲れと退屈を記録した研究(2021年発表)

Tam, Inzlicht / トロント大学(2024年)[1]

退屈とデジタル機器に関する研究を整理した論文です。紹介している米国の全国調査では、8・10・12年生(中2・高1・高3相当)の「よく退屈する」への当てはまりの度合い(5段階)が、2010〜2017年に毎年約1.14%ずつ上がっていました。中国の大学生の64件の研究のまとめでも、退屈しやすさは2009年から2020年にかけて大きく上がっていました。59件の研究のまとめでは、退屈はデジタル機器の使用と小〜中程度、使いすぎ(問題のある使用)と中〜大程度の関連がありました。

対象: 紹介している研究は主に米国の中高生と中国の大学生 / 限界: 論文自体は研究の整理と著者の考えを示すもので、大人や日本の人の退屈が増えているかは調べられていません。著者は「不安をあおるのが目的ではない」とも書いています。

Dora ほか / ラドバウド大学(2021年)[2]

職場で働く83人が、3日間、1時間ごとに疲れと退屈を答え、その間のスマホの使用をアプリで自動記録しました。疲れや退屈が強いときほど、その後20分のあいだにスマホを手に取りやすくなっていました。一方で、スマホを使ったあとの退屈は使わなかったときより少し高く、休憩のつもりの使用が退屈を減らしてはいませんでした。

対象: オランダの大学で雇用されている大学院生83人(オフィス勤務の日) / 限界: 記録の関連を見た研究で、スマホが退屈を高めたとまでは言えません。使ったあとの疲れも高めでしたが、こちらははっきりした差ではありませんでした。

Campbell ほか / トロント大学ほか(2025年)[3]

5つの研究(計2,569人)で、余暇の「頭や手を使う度合い」と「意味のある時間だったと感じるか」を調べました。数独を解いた人は、楽しい動画を見た人より、その時間を意味のあるものと感じていました。日常の記録でも、頭を使う余暇は楽しさを保ったまま意味を高めていました。

対象: 大学生とオンラインで募集した成人など / 限界: より難しくしても意味の高まりは頭打ちになり、どの活動でも同じ結果になるかはわかりません。退屈そのものを減らす効果を直接調べた研究ではありません。

03 まだわかっていないことスマホをやめれば退屈は減る?

まだわかっていません。スマホを使うと退屈が強まった実験はありますが、使う量を減らすと長く退屈が減るのかを確かめた研究はまだ少ない状態です。

  • 退屈が増えたという調査は主に学生が対象で、働く大人や日本の人で同じ傾向があるかはわかりません。
  • 退屈とスマホの関係はお互いに影響し合っている可能性があり、どちらがどれだけ原因かは区別しきれていません。
  • 生成AIとの会話が退屈にどう関わるかは、まだ研究がありません。

04 今日からできるセルフケアスマホ時代の退屈と、どう付き合う?

退屈をスマホですぐに埋めず、何が足りないのかのサインとして受け取ることが出発点です。動画は飛ばさずに見て、少し頭を使う遊びを一つ持つと、研究に沿った付き合い方になります。

1

スマホを開く前に、退屈の中身を10秒考える

「疲れた」「この作業に意味を感じない」「誰かと話したい」など、何が足りないかを一言にします。職場の記録では、退屈なときに手に取ったスマホは退屈を減らしていませんでした。

目安 退屈を感じたとき・10秒

2

見る動画を決めて、飛ばさずに見る

早送りやスキップを繰り返すより、見る1本を先に決めて最後まで見ます。退屈なときほど動画を飛ばしやすく、飛ばすほど退屈が強まったという実験が紹介されています。

目安 1日1本から

3

少し頭を使う遊びを一つ持つ

数独、パズル、楽器、料理など、少し頭や手を使う余暇を一つ選びます。動画を見るより意味のある時間と感じやすく、日常の記録では楽しさも保たれていました。難しすぎないものから始めます。

目安 週に2〜3回・15分

ショート動画がやめられない悩みは「ショート動画がやめられない、集中力が落ちた気がする」で、倍速で見てしまう悩みは「動画を倍速で見ないと落ち着かない」で、何をする気も起きない日の過ごし方は「疲れて何もする気が起きない日が続く」で整理しています。

05よくある質問

スマホで暇つぶしをすると、退屈は消えないの?

消えるとは限りません。オランダの大学院生83人の職場での記録では、退屈なときほどスマホを手に取りやすい一方、使ったあとの退屈はむしろ少し高くなっていました。原因と結果ははっきり区別できませんが、スマホが退屈の解消になっていない場面があることを示しています。

退屈を感じるのは悪いこと?

悪いことだけではありません。研究者は、退屈には「今していることに意味や手応えが足りない」と知らせ、行動を変えるきっかけになる働きがあると説明しています。困るのは、退屈が長く続くことで、慢性的な退屈は落ち込みや不安などと関連していました。

退屈が増えたのは、スマホのせい?

スマホだけが原因とは言えません。退屈の増加を報告した研究者も、デジタル機器を有力な理由の一つとして挙げつつ、唯一の原因ではないと述べています。退屈とスマホの関係を因果として確かめた研究は、まだ増えている途中です。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Tam, K. Y. Y., & Inzlicht, M. (2024). People are increasingly bored in our digital age. Communications Psychology, 2, 106. https://doi.org/10.1038/s44271-024-00155-9
  2. Dora, J., van Hooff, M., Geurts, S., Kompier, M., & Bijleveld, E. (2021). Fatigue, boredom and objectively measured smartphone use at work. Royal Society Open Science, 8(7), 201915. https://doi.org/10.1098/rsos.201915
  3. Campbell, A. V., Depow, G. J., Agarwal, S., & Inzlicht, M. (2025). Effortful leisure is a source of meaning in everyday life. Communications Psychology, 3, 112. https://doi.org/10.1038/s44271-025-00292-9