AI疲れ・情報疲れ

パソコンやスマホで目が疲れる。「20分ごとに20秒、遠くを見る」休憩は効く?研究の答えは条件しだいだった

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わかっている度 ★★☆ 中研究5本を整理出典照合済み(2026-10-07)
建物の窓ガラスに映る木々の緑
Photo: Jules Verne Times Two / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

AIとのやりとり、資料づくり、オンライン会議。気づけば一日中画面を見ていて、夕方には目がしょぼしょぼする。そんな人は少なくありません。よく勧められる「20分ごとに20秒、遠くを見る」休憩は、毎日続けた研究では症状が軽くなりましたが、1回の作業では差が出ませんでした。効くかどうかは、続け方しだいと言えそうです。

3行でわかる

  1. 画面による目の疲れは、パソコンを使う人の50%以上にあるかもしれない、とレビュー論文は推定しています。
  2. 20分ごとに休憩を知らせる通知を2週間使った29人では症状が軽くなりましたが、やめて1週間後には元に戻っていました。40分の作業1回の実験では、休憩の効果は見られませんでした。
  3. お金をかけずにできるのは、遠くを見る休憩を毎日の習慣にすること、ときどき目をしっかり閉じること、文字を大きくして見やすくすることです。

01結論から言うと

遠くを見る短い休憩は、毎日続けると目の疲れの症状を軽くする可能性があります。ただし研究は少なく、1回の作業では効果が見られなかった実験もあります。

画面を長く見たあとの目の疲れ、乾き、かすみ、頭の重さ。これらは研究では「デジタル眼精疲労」と呼ばれます。

レビュー論文によると、症状は大きく2つに分かれます。1つは、近くにピントを合わせ続けることによる疲れです。もう1つは、目の乾きに関わる症状です。

遠くを見る休憩は、近くにピントを合わせ続ける状態をいったんゆるめるための方法です。米国検眼協会が勧める「20-20-20ルール」として広く知られています。ただ、その数字自体を確かめた研究はまだ多くありません。

02研究とデータでわかっていること

画面による目の疲れはよくある症状で、画面を見ている間はまばたきが減るという先行研究があります。20-20-20ルールの効果を調べた研究は、結果が分かれています。

50%以上パソコンを使う人のうち、画面による目の疲れがある人の割合の推定(レビュー論文、2018年)
18.4→3.6回1分あたりのまばたきの平均。パソコン作業の前と作業中(1991年の研究。2018年のレビューが紹介)
29人・2週間休憩を知らせる通知を使い、目の疲れの症状が軽くなった人数と期間(2023年)
34%20-20-20ルールを、ときどきでも実践していた人の割合(インドの432人、2020〜2021年の調査)

Sheppard & Wolffsohn(2018)[1]

画面による目の疲れは、パソコンを使う人の50%以上にあるかもしれないと推定されています。この論文が紹介している先行研究では、まばたきが1分あたり平均18.4回から、作業中は3.6回に減っていました。小さい文字やコントラストの低い表示では、まばたきが減っていたという研究も紹介されています。

対象: 画面による目の疲れについての研究をまとめたレビュー(英国の研究者) / 限界: まばたきの数字は古い研究のもので、今の画面では差が小さいかもしれない、と著者ら自身が書いています。

Talens-Estarellesら(2023)[2]

目の疲れを感じていた29人のノートパソコンに、20-20-20ルールにもとづいて休憩を知らせるソフトを入れました。2週間使うと、1日の休憩の回数が増え、目の疲れと目の乾きの症状が軽くなっていました。ただし、通知をやめて1週間後には、その改善は続いていませんでした。

対象: 目の疲れの症状があるパソコン利用者29人 / 限界: 人数が少なく、同じ人の前後を比べた研究です。涙の量や目の表面など、目の状態を測った値には変化がありませんでした。

Johnson & Rosenfield(2023)[3]

若い参加者30人が、タブレットで単語を読む40分の作業を4回しました。20秒の休憩を、5分・10分・20分ごとに入れる回と、休憩なしの回を比べました。どの回でも作業後に目の症状は増えていて、休憩の入れ方による差はありませんでした。読む速さと正確さにも差はありませんでした。

対象: 若い参加者30人 / 限界: 1回40分の作業での結果で、毎日続けたときの効果は調べていません。

Dattaら(2023)[4]

インドで2020年10月から2021年1月に行ったオンライン調査では、432人のうち、20-20-20ルールを習慣的、またはときどき実践していたのは34%でした。目の焼けるような感じや頭痛がある人ほど、このルールを実践している傾向がありました。

対象: 5歳以上の432人(うち125人は子どもで、保護者が回答) / 限界: SNSなどで集めた回答で、ルールの効果そのものは調べていません。

Singhら / コクラン・レビュー(2023)[5]

ブルーライトをカットする眼鏡レンズを、カットしないレンズと比べた17件の比較試験をまとめました。パソコン作業での目の疲れの症状は、短い期間では和らげないかもしれない、と結論づけています。

対象: 大人を対象にした17件の比較試験(参加者は1件あたり5〜156人) / 限界: 根拠の確かさは「低い」で、追跡期間は最長5週間です。

2つの実験の結果が分かれた理由は、まだわかっていません。違いとしては、対象が「もともと目の疲れを感じていた人」か「若い参加者」か、期間が「2週間」か「40分の作業1回」か、という点があります。

画面の前での休憩全般については、パソコン作業の短い休憩の研究もあわせて読めます。オンライン会議の疲れは、自分の顔を映さない設定の研究で扱っています。

03まだわかっていないこと

「20分・20秒・6メートル」という数字が最適かどうかは、確かめられていません。長く続けたときの効果や、目の状態そのものが変わるかも、まだわかっていません。

  • 20-20-20ルールの効果を直接調べた比較実験は少なく、どちらも30人前後の小さな研究です。
  • 毎日続けると効くのか、1回の作業では効果が見えにくいだけなのか、はっきりしていません。
  • 2週間の研究では症状は軽くなりましたが、涙や目の表面の状態を測った値は変わっていませんでした。
  • まばたきの回数を増やすより、まぶたをしっかり閉じきることが大切かもしれない、とレビューは書いていますが、確かめた研究は多くありません。

04今日からできるセルフケア

遠くを見る休憩を「思い出す仕組み」とセットにして続けることから始められます。どれもお金はかかりません。

1

20分ごとに、窓の外を20秒見る

6メートルほど先の景色や壁を、ぼんやり眺めます。2週間続けた研究では、休憩を知らせる仕組みがあると休憩の回数が増えていました。パソコンのタイマーなどで思い出せるようにすると続けやすくなります。

目安 20分ごとに20秒(8時間で合計約8分)

2

ときどき、まぶたをしっかり閉じる

画面に集中すると、まばたきが減ったり浅くなったりします。区切りのいいところで、2〜3秒ゆっくり目を閉じてみます。合図に合わせてまばたきの回数を増やす方法では、症状は変わらなかったという研究もあります。

目安 作業の区切りごとに1回

3

文字を大きく、見やすくする

小さい文字やコントラストの低い画面では、まばたきが減っていたという研究があります。画面の拡大表示を使い、目を細めずに読める大きさにします。

目安 設定の変更は1分

休んでも疲れや痛みが続くとき、見え方に変化があるときは、眼科で相談できます。レビュー論文では、視力の度数を合わせることも対策の一つに挙げられています。

05よくある質問

20-20-20ルールは本当に効果がある?

研究の結果は分かれています。目の疲れを感じていた29人が、20分ごとに休憩を知らせる通知を2週間使った研究では、目の疲れと乾きの症状が軽くなっていました。一方、若い参加者30人が40分の読む作業を1回した実験では、休憩の間隔を変えても症状に差はありませんでした。毎日続けたときに効くのか、1回の作業では差が出にくいのかは、まだはっきりしていません。

ブルーライトカット眼鏡は目の疲れに効く?

短い期間では、効果は確かめられていません。17件の比較試験をまとめたコクラン・レビュー(2023年)は、パソコン作業での目の疲れの症状を、ブルーライトをカットするレンズは和らげないかもしれない、と結論づけています。ただし、根拠の確かさは「低い」と評価されていて、長い期間の効果はわかっていません。

目の疲れは休めば治る?

レビュー論文では、画面による目の疲れの症状はふつう一時的なものとされています。ただ、くり返し起きたり、長く続いたりすることもある、とも書かれています。休んでも疲れや痛みが続くとき、見え方に変化があるときは、眼科で相談できます。

出典

  1. Sheppard, A. L., & Wolffsohn, J. S. (2018). Digital eye strain: prevalence, measurement and amelioration. BMJ Open Ophthalmology, 3(1), e000146. https://doi.org/10.1136/bmjophth-2018-000146
  2. Talens-Estarelles, C., Cerviño, A., García-Lázaro, S., Fogelton, A., Sheppard, A., & Wolffsohn, J. S. (2023). The effects of breaks on digital eye strain, dry eye and binocular vision: Testing the 20-20-20 rule. Contact Lens and Anterior Eye, 46(2), 101744. https://doi.org/10.1016/j.clae.2022.101744
  3. Johnson, S., & Rosenfield, M. (2023). 20-20-20 Rule: Are These Numbers Justified? Optometry and Vision Science, 100(1), 52-56. https://doi.org/10.1097/OPX.0000000000001971
  4. Datta, S., Sehgal, S., Bhattacharya, B., & Satgunam, P. N. (2023). The 20/20/20 rule: Practicing pattern and associations with asthenopic symptoms. Indian Journal of Ophthalmology, 71(5), 2071-2075. https://doi.org/10.4103/ijo.IJO_2056_22
  5. Singh, S., Keller, P. R., Busija, L., McMillan, P., Makrai, E., Lawrenson, J. G., Hull, C. C., & Downie, L. E. (2023). Blue-light filtering spectacle lenses for visual performance, sleep, and macular health in adults. Cochrane Database of Systematic Reviews, CD013244. https://doi.org/10.1002/14651858.CD013244.pub2