AIとの付き合い方

AIと話すと「誰かとつながった」気がする人と、何も感じない人がいるのはなぜ?米国とカナダの1,034人の実験では、AIを人のように感じやすい人ほど、6分のチャットのあとにつながりを強く感じていた

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的指針0件を整理
木の机の上のノートパソコンとコーヒー、鉛筆、付せん
Photo: Lauren Mancke / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

AIと少し話しただけで、誰かに聞いてもらえたような温かさを感じる人がいます。一方で「しょせん機械」としか思えず、何も感じない人もいます。どちらかが変というわけではありません。研究では、この違いの一部は「AIを人のように感じやすいかどうか」で説明できることがわかってきました。カナダの大学の研究チームによる2つの研究と、米国の調査から整理します。

3行でわかる

  1. 米国とカナダの1,034人の実験では、AIと6分話した人は、日記を書いた人よりつながりの感覚がわずかに高くなりました。
  2. その差は、AIに心や意識があるかもしれないと考えやすい人ほど大きく、そう考えにくい人では日記との差が見られませんでした。
  3. 日本・中国・米国の大人の調査では、日本の人は米国の人より技術を人のように感じやすく、それがAIとの会話への見方の違いを一部説明していました。

01 結論から言うとAIで「つながった」と感じるかは、人によって違う?

違います。米国とカナダの実験では、AIを人のように感じやすい人ほど、AIと話したあとのつながりの感覚が強くなっていました。ただし平均の差は小さく、測ったのは話した直後の気持ちだけです。

研究で使われているのは「擬人化」という考え方です。人でないものに、心や意識、気持ちがあるように感じる傾向を指します。「AIもいつか意識をもつかもしれない」と思いやすい人もいれば、まったくそう思わない人もいます。

AIの返事に気持ちがあるように感じるしくみは AIの返事に気持ちを感じてしまう記事 にまとめています。この記事は、その感じ方の違いが「つながりの感覚」にどう表れるかを扱います。

02 研究とデータでわかっていることAIとの会話でつながりを感じやすい人の特徴は?

AIに心や意識があるかもしれないと考えやすい人ほど、AIと話したあとにつながりを強く感じていました。米国とカナダの実験では、参加者の72%がAIと話したほうがつながりを感じやすい範囲にいました。

1,034人AIと話すか日記を書くかをくじで分けた実験に参加した米国とカナダの大人(2024年5月)
72%AIと話したほうが日記よりつながりを感じやすい範囲にいた参加者の割合(同じ実験)
310人AIとの会話への見方を調べた調査に参加した日本在住の大人(中国・米国と比較)
67%対話型AIに少しは意識があるかもしれないと答えた米国の大人の割合(300人、2023年)

Folkら(2025年) [1]

参加者はまず、AIに心や意識があると思うかを答えました。その後くじで分かれ、この1か月の出来事を、温かく返事をするよう設定したAIと6分話すか、6分日記に書きました。直後に「いつもと比べて、今どのくらい人とつながっている感じがするか」を答えると、AIと話した組のほうがわずかに高くなりました。AIを人のように感じやすい人ほどこの差は大きく、そう感じにくい人では日記の組との差が見られませんでした。

対象: オンラインで集めた米国とカナダの大人1,034人(平均36.6歳、事前に分析の計画を登録) / 限界: 話した直後の気持ちを1つの質問で測っただけで、長く続けた影響はわかりません。平均の差は小さく、先に行った240人の実験より小さくなりました。

Folkら(2025年)・打ち明けた深さ [1]

同じ実験で、書いた文章をAIで採点して比べると、日記を書いた組のほうが、AIと話した組より自分のことを深く打ち明け、温かい言葉で書いていました。打ち明けた深さは、つながりの感覚とは関係していませんでした。研究者は、とても個人的な悩みを整理するには、日記のほうが向いている可能性があると述べています。

対象: 同上(AIとの会話は、技術的な問題で保存できた468件を分析) / 限界: 採点したのは人ではなくAIで、文章の長さや形式も組によって違います。

Folkら(2025年)・日本・中国・米国の比較 [2]

日本310人、中国314人、米国360人の大人が、AIか人と話している会話の文章を読み、AI・知らない人・友だちとの会話をどのくらい楽しめそうか答えました。米国の人は、知らない人との会話をAIとの会話よりはっきり楽しめそうと答えた一方、日本の人ではこの2つにはっきりした差がありませんでした。日本と中国の人は米国の人より技術を人のように感じやすく、それが見方の違いを一部説明していました。

対象: 日本・中国・米国の大人984人(日本の人は平均43.9歳) / 限界: 実際に話したのではなく、文章を読んで想像した結果です。3か国とも、友だちとの会話がいちばん楽しめそうと答えていました。

ColombattoとFleming(2024年) [3]

年齢と性別の構成を米国の人口に合わせて集めた300人に、対話型AIに意識や感じる力があると思うかを尋ねました。33%は「はっきりない」と答え、67%は少しはあるかもしれないと答えました。AIをよく使う人ほど、意識があると感じる度合いが高くなっていました。

対象: 米国の大人300人(2023年7月) / 限界: 1回の調査で、よく使うから意識を感じるのか、意識を感じるからよく使うのかはわかりません。

03 まだわかっていないことAIでつながりを感じやすい人は、AIに頼りすぎやすい?

まだわかっていません。今回の実験は、6分話した直後の気持ちを測っただけです。AIを人のように感じやすい人が、長く使ううちに人とのつながりを補えるのか、逆に人づきあいをAIに置き換えやすいのかは、研究者自身も今後の課題としています。

  • 日本の人が実際にAIと話したとき、つながりの感覚がどう変わるかを調べた実験は、今回の範囲では見つかりませんでした。
  • 人と6分話した場合と比べた結果はなく、AIとの会話が人との会話の代わりになるかはわかりません。
  • 研究者は、AIを話し相手にし続けることが長い目で見て孤独を深める可能性を示す研究にも触れており、短期の結果だけで判断できません。

04 今日からできるセルフケア自分とAIの距離感を知るには?

まず自分がAIをどのくらい人のように感じているかを知り、AIと話したあとの気持ちを振り返ります。深い悩みは書き出すか人に話す道も残します。どれも研究から考えた工夫で、効果を直接確かめたものではありません。

1

「AIに心はあると思う?」を0〜10で答えてみる

今の自分の感じ方を数字にします。高くても低くても、よい悪いはありません。実験では、この感じ方によって、AIと話したあとのつながりの感覚が違っていました。

目安 1分

2

AIと話したあと、「気が楽になった」と「話せた深さ」を分けて振り返る

つながった感じがしても、本当に気になっていることまで話せたとは限りません。実験では、AIと話した組は日記の組より、自分のことを打ち明ける度合いが低めでした。

目安 1回1分・週に数回

3

深い悩みは、紙に書き出す時間を別にとる

誰にも見せない前提で、気になっていることを10分書きます。実験では、日記を書いた人のほうが自分のことを深く打ち明けていました。人に打ち明けにくい理由は AIになら話せる理由の記事 にまとめています。

目安 10分・週1回

AIと毎日話すうちに情が移ってきたときは AIに情が移る記事、AIに慰めてもらっても物足りないときは AIの慰めが物足りない記事 も参考になります。

05よくある質問

AIとのおしゃべりで、人とつながった気持ちになるのはおかしい?

おかしなことではありません。米国とカナダの1,034人の実験では、AIと6分話した人は、日記を書いた人よりつながりの感覚がわずかに高く、参加者の72%はAIと話したほうがつながりを感じやすい範囲にいました。差は小さく、話した直後だけを測ったものです。

AIに何も感じないのは、冷たい性格だから?

性格の冷たさとは別の話です。同じ実験では、AIに心や意識があるかもしれないと考えやすい人ほどつながりを感じ、そう考えにくい人では日記を書いた人との差が見られませんでした。AIを人のように感じるかどうかの違いと考えられます。

日本人はAIとの会話に抵抗が少ない?

日本の大人310人を含む調査では、日本の人は米国の人より、技術を人のように感じやすい傾向がありました。AIとの会話と知らない人との会話の楽しさの予想に、はっきりした差はありませんでした。会話の文章を読んで想像した結果で、実際に話したものではありません。

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出典

  1. Folk D, Heine SJ, Dunn E (2025). Individual differences in anthropomorphism help explain social connection to AI companions. Scientific Reports, 15, 36548. https://doi.org/10.1038/s41598-025-19212-2
  2. Folk DP, Wu C, Heine SJ (2025). Cultural Variation in Attitudes Toward Social Chatbots. Journal of Cross-Cultural Psychology, 56, 219–239. https://doi.org/10.1177/00220221251317950
  3. Colombatto C, Fleming SM (2024). Folk psychological attributions of consciousness to large language models. Neuroscience of Consciousness, 2024(1), niae013. https://doi.org/10.1093/nc/niae013