AIとの付き合い方

AIが使えないと、そわそわして何も手につかない。スイスの若者90人の実験では、スマホを預けてただ待った組は退屈が強く、紙の数独をした組は待つ前より気分がよくなっていた

約7分で読めます

わかっている度 ★☆☆ 低研究3本・公的指針0件を整理
赤いジグソーパズルのピース
Photo: Profpcde / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

AIがつながらない、使える回数の上限に達した、職場や試験で使えない。そんなとき、何度も画面を開き直して、そわそわしたまま時間が過ぎることがあります。AIが使えない時間そのものを調べた研究は見当たりませんでした。ただ、スマホを預けて待つ実験では、ただ待つより紙の数独をしたほうが退屈が少なく、気分もよくなっていました。

3行でわかる

  1. スマホを預けて7分30秒待つスイスの実験では、何もせず待った組の退屈は、紙の数独をした組の約3倍だった。
  2. 数独をした組は、待つ前より気分がよくなっていた。ただ待った組では、気分にはっきりした変化はなかった。
  3. 中国の大学生112人の実験では、退屈な作業のあとにスマホを使いたい気持ちが強まった。AIが使えない間は、空白の時間にせず、AIなしでできる作業で埋めるのが手がかりになる。

01 結論から言うとAIが使えないとき、どう過ごせば落ち着く?

AIが復旧するのをただ待つより、紙と手でできる小さな作業を始めるほうが落ち着きやすいと考えられます。スマホを預けた実験では、何もせず待つと退屈が強く、時間も遅く感じられていました。AIそのものを調べた研究はまだありません。

AIが使えない時間のつらさは、「AIに頼りすぎている」というより、急にぽっかり空いた時間の退屈さから来ている部分があるかもしれません。

スマホを取り上げて待ってもらう実験では、何もせず待つ人ほど退屈し、時間がのろく感じられていました。同じようにスマホがなくても、紙の数独をしていた人は退屈が少なく、気分も上向いていました。ここで紹介する研究は、スマホや退屈を調べたものです。AIが使えない場面に当てはまるかは、確かめられていません。

02 研究とデータでわかっていること使えない時間に、ただ待つと何が起きる?

スマホを預けてただ待った人は、数独をした人やスマホを使えた人より退屈が強く、時間も遅く感じていました。退屈な作業のあとにはスマホを使いたい気持ちが強まった実験もあり、空白の時間が「また開きたい」気持ちを強めると考えられます。

527 対 1697分30秒待つ間の退屈の平均点(0〜1000点)。ただ待った組と、紙の数独をした組(スイス、主に大学生、2025年発表)
5分44秒実際は7分30秒だった待ち時間を、参加者が平均で答えた長さ(同じ実験)
112人退屈な書き写し作業でスマホを使いたい気持ちを調べた、中国の大学生(2025年発表)

Meteier ら(2025)[1]

参加者を3組に分け、7分30秒待ってもらいました。スマホを自由に使う組、スマホを預けて紙の数独をする組、スマホを預けて何もせず待つ組です。退屈の平均点(0〜1000点)は、何もせず待った組が527点で、数独の組の169点、スマホの組の192点より高くなっていました。何もせず待った組は、時間が過ぎるのも遅く感じていました。数独の組は、待つ前より待っている間のほうが気分がよく、何もせず待った組より前向きな気分でした。何もせず待った組では、待つ前と比べて気分にはっきりした変化はありませんでした。

対象: スイスの若い成人90人(平均21.7歳、うち女性76人、主に大学生。スマホの組は使った時間が短い人などを除いた24人を分析) / 限界: 実験室で7分30秒だけスマホを預けた実験で、AIが使えない場面を調べたものではありません。参加者は若い女性が中心でした。

Shi ら(2025)[2]

大学生をくじで2組に分け、文献の書き写しという退屈な作業をしてもらいました。10本を書き写す組(退屈が強い組)と、2本だけの組です。退屈が強い組では、作業の前より後のほうが「スマホを使いたい」気持ちが強まっていました。2本だけの組では、はっきりした変化はありませんでした。この結びつきの強さは、取り残される不安(FoMO)の強さによって変わっていました。

対象: 中国の大学生112人 / 限界: 1回だけの実験室の作業で、ふだんの生活での退屈とは違う可能性があると著者らも書いています。AIではなくスマホについての結果です。

Park ら(2026)[3]

お酒を飲みたい気持ちについての、別の分野の実験です。くじで2組に分け、一方は画面に光るブロックの順番を覚えて再現する課題(目と位置の記憶を使う作業)を、もう一方は覚えなくてよい似た課題をしました。2つあった「飲みたい気持ち」の測り方のうち、質問票では覚える課題の組だけ点数が下がりました(効果量d=0.41)。もう1つの測り方では、組の間に差はありませんでした。

対象: 韓国で飲酒に問題のある成人50人(分析は45人、平均23歳前後) / 限界: お酒についての研究で、AIやスマホに当てはまるかはわかりません。参加者の欲求はもともと低めで、強い欲求でも同じかは不明だと著者らは書いています。

AIとのチャットが長引いてやめられないときは「AIとのチャットがやめられない」、暇な時間についAIを開いてしまう癖は「暇なとき、ついAIに話しかけてしまう」で整理しています。

03 まだわかっていないことAIが使えないときの不安は、研究で確かめられている?

AIが使えなくなったときの不安や退屈を、直接調べた研究は見当たりませんでした。ここで紹介した結果は、スマホを預ける実験や退屈の実験、お酒の欲求の実験からの推測です。

  • AIの障害や利用制限の間に、人がどう感じ、何をすると落ち着くのかを調べた研究は見当たりませんでした。
  • 数独の実験は7分30秒と短く、何時間もAIが使えない場面で同じ結果になるかはわかりません。
  • 数独以外の作業(片づけや手書きのメモなど)で同じ効果があるかは、確かめられていません。
  • 3本とも参加者は20代前半の若い人が中心で、年齢の高い働く人や日本の人で同じ結果になるかはわかっていません。

04 今日からできるセルフケアAIが使えずそわそわするとき、何をすればいい?

画面を開き直すのをいったんやめて、紙と手でできる小さな作業を始めます。AIなしで進められる部分を先に片づけ、確認する時間を決めておくと、空白の時間が減ります。

1

開き直すのをやめて、紙でできる小さな作業を始める

数独やパズル、手書きの計算など、手と頭を少し使う作業を1つ選びます。スマホを預けた実験では、ただ待った組より数独をした組のほうが退屈が少なく、気分もよくなっていました。

目安 5〜10分

2

AIなしでできる部分を、手書きで先に進める

聞きたかったことを箇条書きにする、文章の骨組みだけ書く、といった下準備を進めます。退屈な時間のあとにスマホを使いたい気持ちが強まった実験があり、空白の時間をつくらないことが手がかりになると考えられます。

目安 15分

3

「また開きたい」が強いときは、目と手を使う作業に切り替える

図を描く、物を決まった順に並べるなど、目で見て位置を覚える作業をします。お酒の欲求の実験では、位置を覚える課題で欲求が少し下がりました。ただし別の分野の研究で、効果が出たのは2つの測り方のうち1つだけでした。

目安 3〜5分

しばらく画面から離れること全般の効果は「デジタルデトックスは本当に効く?」も参考になります。

05よくある質問

AIが使えないだけで落ち着かないのは、依存しているからですか?

そうとは言い切れません。スマホを預けた実験では、何もせず待った人は誰でも退屈が強く、時間が遅く感じられていました。落ち着かなさの一部は、急に空いた時間の退屈さから来ている可能性があります。使えないと仕事や生活に大きな支障が出る状態が続くなら、使い方を見直すきっかけにできます。

AIが復旧するまで、スマホで別のことをしていてもいいですか?

退屈をまぎらす点では、スマホも役に立ちます。スイスの実験では、スマホを自由に使った組の退屈は192点で、数独の組の169点と大きく変わりませんでした。ただ、スマホを使った組は、待つ前と比べて気分にはっきりした変化はありませんでした。数独の組は、待つ前より気分がよくなっていました。

AIが使えないと、時間がとても長く感じるのはなぜですか?

退屈していると、時間の進みが遅く感じられやすいためと考えられます。実験では、何もせず待った組は、作業をしていた組より時間の進みを遅く感じていました。一方で、どの組も実際の待ち時間7分30秒を、平均で約5分44秒と短めに答えていました。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

無料ツール
セルフチェックで「今日やること」をまとめる
当てはまる悩みを選ぶだけ。診断はせず、記事の対策を一覧にします。
研究早見表でほかの悩み276件も見る

出典

  1. Meteier, Q., Délèze, A., Chappuis, S., Witowska, J., Wittmann, M., Ogden, R., & Martin-Sölch, C. (2025). Effect of task nature during short digital deprivation on time perception and psychophysiological state. Scientific Reports, 15, 10469. https://doi.org/10.1038/s41598-025-94316-3
  2. Shi, X., Xu, Y., Liu, Z., Niu, G., Sun, X., & Li, K. (2025). More boring, more craving for smartphone use? The moderating role of fear of missing out. Journal of Behavioral Addictions, 14(1), 405–415. https://doi.org/10.1556/2006.2025.00009
  3. Park, M.-Y., Kim, I., Kim, M., Lee, G.-E., & Lee, J.-H. (2026). The reducing effect of visuospatial cognitive load on alcohol craving in problematic drinkers. Frontiers in Psychology, 17, 1923789. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2026.1923789