人とのつながり

寂しさがこみ上げて、どうしていいかわからない。米国の153人の実験では、その気持ちを押しのけず受け入れる練習を2週間した組で、日常の孤独感が22%下がり、人との会話が1日2回増えていた

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的指針0件を整理
朝日が差す山あいの草地と小川
Photo: Jawadqada / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

夜、ふと寂しさがこみ上げて、何も手につかなくなる。誰かに連絡したいのに、迷惑かもしれないと思うと動けない。米国の実験では、寂しさを押しのけずに受け入れる練習をした人たちで、日常の孤独感が下がり、人と話す回数も増えていました。寂しさを消そうとするより、まずそこにあると認めることが、人へ向かう一歩になりえます。

3行でわかる

  1. ストレスを抱えた米国の大人153人の実験では、今の体験を観察して受け入れる練習を2週間した組で、日常の孤独感が22%下がり、人との会話が1日2回、話した相手が1日1人増えた。
  2. この差は、観察だけを練習した組と比べても出ていた。研究者は、違いを生んだのは「受け入れる」部分だと考えている。
  3. 8件の試験のまとめでも孤独感は下がっていたが、根拠の質は低いと判定され、試験の半数でははっきりした差がなかった。

01 結論から言うと寂しさは、押しのけたほうが楽になる?

研究からは、押しのけるより、受け入れるほうがよさそうです。米国の実験では、寂しさを含む今の気持ちを観察し、受け入れる練習をした組で、孤独感が下がり、人との会話が増えていました。

寂しいとき、人はその気持ちを早く消そうとしがちです。けれども研究のまとめでは、孤独を感じている人ほど、人からの拒絶や脅威に敏感になりやすいと報告されています。身を守ろうとする見方が、かえって人との距離を広げてしまうことがあるとされています。

実験を行った研究者は、寂しさを落ち着いて受け止められるようになると、孤独感が自然に薄れ、人と関わりやすくなるのではないかと考えています。

02 研究とデータでわかっていること受け入れる練習で、孤独感はどう変わった?

米国の実験では、受け入れる練習を2週間した組で日常の孤独感が22%下がり、人との会話は1日2回増えました。この差は、観察だけの組とも、別の練習をした組とも比べて出たものです。

22%受け入れる練習をした組で下がった、日常の孤独感(米国の大人、2019年)
1日2回同じ組で増えた、人との会話の回数。話した相手も1日1人増えた
8件マインドフルネスと孤独感の試験のまとめ(815人、2021年)。根拠の質は「低い」

Lindsayら(2019)[1]

スマートフォンで14回のレッスンを受けた3つの組を比べた。今の体験を観察して受け入れる練習をした組だけで、日常の孤独感が22%下がり、人との会話が1日2回、話した相手が1日1人増えた。

比べたのは、(1) 観察と受け入れの両方を練習する組、(2) 観察だけを練習する組、(3) 自由な振り返りや問題解決を練習する組です。練習の前後それぞれ3日間、日常の中で孤独感と人との接触を記録しました。孤独感と会話の変化は、観察だけの組とも、振り返りの組とも比べて出た差でした。

対象: ストレスを抱えた米国の地域の大人153人(平均32歳)。練習は1日20分を2週間 / 限界: 練習の直後までの結果。研究のまとめでは、同じ試験でも質問紙で測った孤独感の差ははっきりしなかったとされている。

Teohら(2021)[2]

マインドフルネスの練習と孤独感を調べた8件の試験(815人)のまとめ。順番待ちの組と比べた3件では、孤独感の得点(20〜80点)が平均6.33点下がっていた。

ただし、根拠の質は「低い」と判定されました。8件のうち7件は8週間以上の練習で、孤独感がはっきり下がったのは半数の4件でした。米国の実験も、質問紙の得点でははっきりした差がなかった試験に数えられています。

対象: 米国・インド・韓国の8件の試験。学生、高齢者、乳がんの経験がある女性など / 限界: 多くの試験で偏りのおそれが高く、試験の数も少ない。

CacioppoとHawkley(2009)[3]

孤独を感じることは、否定的な考え方や、人からの脅威への敏感さ、自分を守るための思い込みと結びついている、と研究をまとめて報告した。

対象: 孤独と認知の研究をまとめた総説 / 限界: 研究の整理で、新しい試験ではない。因果がどこまで確かめられているかは研究ごとに異なる。

気軽な会話がもたらす気分の変化はゆるいつながりの記事で、話しかけるのをためらう心理は誰とも話していない日の記事で紹介しています。

03 まだわかっていないこと受け入れる練習は、誰にでも効く?

まだわかっていません。効果がはっきり出たのは、ストレスを抱えた大人を対象にした1件の実験です。研究のまとめでは、試験の半数で差がなく、根拠の質も低いと判定されています。

  • 米国の実験は練習の直後までの結果で、効果がどのくらい続くかはわからない。
  • 日常の記録では孤独感が下がった一方、質問紙で測った孤独感でははっきりした差がなかった。測り方で結果が変わる可能性がある。
  • 1日20分より短い練習や、アプリを使わない練習で同じ効果があるかは確かめられていない。
  • 長く続く深い孤独を抱えた人に、同じ効果があるかはわからない。

04 今日からできるセルフケア寂しさがこみ上げたら、何をする?

寂しさを消そうとせず、体と気持ちの様子を観察し、「今はこう感じている」と受け入れます。落ち着いたら、小さく人に向かいます。研究の考え方を日常に移した工夫で、効果を保証するものではありません。

1

寂しさを、体のどこで感じるか観察する

胸が重い、のどがつまるなど、体の感じを確かめます。「どうして自分は」と理由を探すより、今ある感覚をそのまま眺めます。

目安 1分・寂しさに気づいたとき

2

「今、寂しさがある」と受け入れて、呼吸を3回

追い払おうとせず、寂しさがそこにあってよいと認めます。実験で効果が出たのは、観察に「受け入れる」を加えた組でした。

目安 30秒・ゆっくり3呼吸

3

人の反応を悪く読んでいないか、一度疑う

寂しいときは、人からの拒絶に敏感になりやすい状態です。「返事が短い=嫌われた」と感じたら、別の理由がないか1つ書き出します。

目安 2分・気になったとき

4

落ち着いたら、小さく1人に向かう

家族や友達への短いメッセージ、店員さんへのひとことなど、負担の小さい接触を1つだけ選びます。実験では、受け入れる練習のあとに人との会話が増えていました。

目安 1日1回

05よくある質問

寂しいときは、気をまぎらわせたほうがいい?

まぎらわすこと自体が悪いという研究結果は、この記事の範囲にはありません。米国の実験でわかったのは、今の気持ちを観察するだけでなく、受け入れる練習を加えた組で、孤独感が下がり人との会話が増えたことです。

瞑想の時間が取れなくても、意味はある?

実験の練習は1日20分を2週間でした。それより短い練習で同じ効果があるかは確かめられていません。この記事の4つの工夫は研究の考え方を日常に移したもので、効果を保証するものではありません。

寂しいとき、人の言葉を悪く受け取りやすいのはなぜ?

研究のまとめでは、孤独を感じている人ほど、人からの拒絶や脅威に敏感になりやすいと報告されています。人を遠ざけるつもりがなくても、身を守ろうとする見方が強まるためと考えられています。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Lindsay EK, Young S, Brown KW, Smyth JM, Creswell JD (2019). Mindfulness training reduces loneliness and increases social contact in a randomized controlled trial. Proceedings of the National Academy of Sciences, 116(9), 3488-3493. https://doi.org/10.1073/pnas.1813588116
  2. Teoh SL, Letchumanan V, Lee LH (2021). Can Mindfulness Help to Alleviate Loneliness? A Systematic Review and Meta-Analysis. Frontiers in Psychology, 12, 633319. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2021.633319
  3. Cacioppo JT, Hawkley LC (2009). Perceived social isolation and cognition. Trends in Cognitive Sciences, 13(10), 447-454. https://doi.org/10.1016/j.tics.2009.06.005