寂しいときほど、人に拒まれている気がして、自分から連絡しなくなるのはなぜ?米国の46〜74歳の157人を20日間追った研究では、孤独と「拒まれた感じ」が互いに強め合い、寂しさが増したあとは人とのやりとりや打ち明け話が減っていた

寂しい日ほど、友だちの短い返事が冷たく見える。誘っても断られそうで、結局だれにも連絡しないまま一日が終わる。そんな流れに覚えがある人は少なくないはずです。米国で157人の毎日を20日間記録した研究では、寂しさと「拒まれた感じ」が互いを強め合い、寂しさが増したあとは、人とのやりとりや打ち明け話が減っていました。
3行でわかる
- 米国の46〜74歳の157人に1日5回、20日間たずねた研究では、寂しさが強い時間ほど「直近のやりとりで拒まれた・批判された」と感じやすく、その逆の関係も見られた。
- 寂しさがふだんより強まったあとは、人とやりとりする見込みが下がり、自分のことを打ち明ける度合いも下がっていた。ふだんから寂しさが強い人ほど、この流れが強めだった。
- 寂しい日の「嫌われたかも」は、ひとまず保留にする。そのうえで、返事を求めない短い連絡を1件だけ送る。この流れを止める工夫として、研究結果から考えられる方法だ。
01 結論から言うと寂しいと、人から拒まれている気がするのはなぜ?
寂しさと「拒まれた感じ」は、数時間の単位で互いを強め合う関係にあると、米国の20日間の記録研究は示しています。寂しさが増したあとは、人とのやりとりや打ち明け話も減っていました。避けるほど寂しさが続く、という循環です。
寂しさは、空腹が食べ物を探させるように、人とのつながりを取り戻させる合図だという考え方があります。ところが、寂しさが長く続いている人では、この合図がうまく働かず、拒まれることへの警戒が強まる場合がある、と研究者らは説明しています。
警戒が強まると、相手の表情や言い方の小さな変化を「拒まれた」と受け取りやすくなります。そう感じると、さらに寂しくなり、人を避けたくなります。この記事で紹介する研究は、この循環が日常の中で実際に起きているかを確かめたものです。
02 研究とデータでわかっていること寂しさと人を避ける気持ちは、どうつながっている?
寂しさが強い時間ほど拒まれたと感じやすく、拒まれたと感じた時間ほど寂しさも強い、という双方向の関係が見られました。寂しさが増したあとは、人とのやりとりや自分のことを話す度合いが下がっていました。
Shao ら(2026)[1]
参加者は20日間、1日5回、スマホに届くアンケートに答えました。内容は「前回から、孤立した・取り残された・仲間がいないと感じたか」と、「直近のやりとりで、どのくらい拒まれた・批判されたと感じたか」などです。分析すると、寂しさと拒まれた感じは、どちらの向きにも結びついていました。寂しさがふだんより強まったあとは、次の回までに人とやりとりする見込みが下がり、やりとりの中で自分のことを打ち明ける度合いも下がっていました。
対象: 米国の46〜74歳の157人(平均56歳、女性117人)。寂しさが特に弱い下位20%の人は、あらかじめ除いています / 限界: 記録から見た関連で、原因と結果を確かめた実験ではありません。相手が実際に冷たかったかは調べていません。
この研究では、ふだんからの寂しさの強さで違いも見られました。ふだんの寂しさが強い人ほど、寂しい時間に拒まれたと感じる度合いが強く、寂しさが増したときの打ち明け話の減り方も大きくなっていました。一方、ふだんの寂しさが弱い人では、寂しさが増しても人とのやりとりは保たれるか、むしろ増える傾向でした。研究者らは、寂しさが「人を求める合図」として働くか、「引きこもる方向」に働くかが、人によって分かれると考えています。
Birken ら(2025)[2]
寂しさを減らすことを主な目的にした心理的な取り組みの研究を、2016〜2023年の論文から集めたまとめです。22件の研究が見つかり、最も多かったのは認知行動療法(考え方と行動のくせを見直す方法)にもとづくもので10件でした。そのうち7件を統合すると、孤独感は中くらいの大きさで下がっていました。認知行動療法の取り組みがねらっていたのは、役に立たない考え方のくせを見直すこと、人と関わる機会を増やすこと、寂しさを続かせる悪循環を断つ工夫を身につけることでした。
対象: 22件の研究、参加者2,567人 / 限界: すべての研究に、結果の偏りの心配があると判断されていました。決まったプログラムとして行われた研究で、この記事の工夫をひとりで試した場合の効果ではありません。
Blodgett ら(2025)[3]
あらゆる年代を対象に、寂しさを減らす取り組み101件の前後の変化をまとめた研究です。心理的な取り組み(23件)で孤独感の下がり方が最も大きく、次に、人と交流する機会を増やす活動(23件)、支えや人とつながる技術を提供する取り組み(46件)の順でした。
対象: 95本の研究で調べられた101の取り組み / 限界: 研究の半分以上(52%)に比べる対照のグループがなく、取り組みの前後を比べただけのものが多く含まれています。
寂しいのに人といるとかえってつらくなる場面は「寂しいのに、人といると余計につらいのはなぜ?」で整理しています。
03 まだわかっていないことこの悪循環は、若い人や日本でも同じ?
まだわかっていません。研究は米国の46〜74歳が対象で、寂しさが特に弱い人は除かれていました。若い人や日本の人にそのまま当てはまるかは、この研究からはわかりません。
- 寂しさと拒まれた感じのどちらが先に起きるのか、原因と結果の向きは確かめられていません。
- 「拒まれた」と感じたのが思い込みなのか、実際に相手の態度が冷たかったのかは区別されていません。
- 人とのやりとりは「あったか、なかったか」だけを調べていて、やりとりの長さや中身の質は測っていません。
- 寂しい日に自分から連絡すると循環が止まるのかは、この研究では確かめていません。04の工夫は、研究結果からの推測を含みます。
04 今日からできるセルフケア寂しさで人を避けたくなったとき、どうすればいい?
寂しい日の「嫌われたかも」は、決めつけずに保留にします。そのうえで、返事を求めない短い連絡を1件だけ送ります。寂しさから人を避けると、寂しさが続きやすいことが研究で見えているためです。
「嫌われたかも」は、ほかの説明を2つ書いて保留する
返事が短い、既読がつかないといったときは、「忙しいだけ」「移動中」など、ほかの理由を2つ書き出します。寂しい時間ほど拒まれたと感じやすい、と知っておくだけでも、受け取り方を見直すきっかけになります。
目安 3分
返事を求めない連絡を、1件だけ送る
「この前の話、思い出したよ」「おすすめしてくれた店に行った」のような、返事がなくても困らない一言にします。寂しさが増したあとは人とのやりとりが減りやすいので、小さな連絡でその流れを止めにいきます。
目安 1分
やりとりの中で、自分のことを一つだけ話す
今日あったことや、最近気になっていることを一つ添えます。寂しい時間には打ち明ける度合いが下がっていたので、深い悩みでなくてよいので、自分の話を少しだけ入れます。
目安 1回のやりとりで1つ
週に1回、人と一緒に何かをする予定を入れる
習い事や地域の集まり、友だちとの散歩など、話すこと以外の目的がある場を選びます。人と交流する機会を増やす活動は、取り組みのまとめで孤独感の低下と結びついていました。
目安 週1回
寂しさがこみ上げたその場での向き合い方は「寂しさがこみ上げて、どうしていいかわからない」、長引いたときのつながり直し方は「孤独な時期が長引いて、どこから人とつながり直せばいいかわからない」も参考になります。
05よくある質問
寂しいと、相手の反応を悪く受け取りやすいのは本当ですか?
米国の46〜74歳の157人を20日間追った研究では、寂しさが強い時間ほど、直近のやりとりで「拒まれた・批判された」と感じやすい関係が見られました。逆に、拒まれたと感じた時間ほど寂しさも強めでした。ただし、相手が実際に冷たかったのかどうかは調べていません。
寂しいのに人を避けてしまうのは、性格の問題ですか?
性格の問題と決めつける必要はありません。同じ研究では、ふだんからの寂しさが強い人ほど、寂しさが増したときに打ち明け話が減りやすいという傾向でした。ふだんの寂しさが弱い人では、寂しさが増しても人とのやりとりは保たれるか増える傾向でした。
寂しさを減らす方法で、研究で効果が確かめられているものはありますか?
22件の研究のまとめでは、認知行動療法(考え方と行動のくせを見直す方法)にもとづく取り組みで、孤独感が中くらいの大きさで下がっていました(7件を統合)。ただし、どの研究にも偏りの心配がある、と著者らは書いています。101の取り組みを集めた別のまとめでも、心理的な取り組みと人と交流する活動で、孤独感が下がっていました。
つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。
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出典
- Shao, S., Beck, E. D., Hawks, Z., Van Bogart, K., Graham, E. K., & Ong, A. D. (2026). Loneliness modulates social threat detection in daily life. Communications Psychology, 4, 44. https://doi.org/10.1038/s44271-026-00410-1
- Birken, M., Ikhtabi, S., Steare, T., Johnson, S., Benedetto, G., Lin, F., Scott, H. R., Harju-Seppänen, J., McCloud, T., Shafran, R., & Pitman, A. (2025). Investigating the effectiveness of interventions intended to reduce loneliness using psychological strategies and a theory of change: a systematic review of interventional studies and meta-analysis. BMC Psychology, 14, 131. https://doi.org/10.1186/s40359-025-03639-3
- Blodgett, J. M., Tiley, K., Harkness, F., & Musella, M. (2025). What works to reduce loneliness: a rapid systematic review of 101 interventions. Journal of Public Health Policy, 46, 245–268. https://doi.org/10.1057/s41271-025-00561-1


