人とのつながり

孤独な時期が長引いて、どこから人とつながり直せばいいかわからない。スペインの孤独な大人320人の実験では、自然の中のグループ活動でも、近くの活動を紹介されるだけでも、3か月で孤独感が約1割下がっていた

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的指針0件を整理
木々に囲まれた小道と木のベンチ
Photo: Philip Jeffrey / CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

在宅の仕事やAIとのやりとりが増えて、人と話さない日が続いた。気づけば何か月も孤独で、今さらどこから人とつながり直せばいいのかわからない。そう感じている人は少なくありません。結論から言うと、スペインの孤独な大人320人の実験では、週1回のグループ活動に通った人も、近くの活動を紹介されただけの人も、3か月で孤独感が約1割下がっていました。

3行でわかる

  1. スペインの孤独な大人320人の実験では、自然の中の週1回のグループ活動でも、近くの活動を紹介されるだけでも、3か月で孤独感が約1割、12か月で約17%下がった。
  2. 全体では2つのやり方に差はなかった。ただ、気分や心の元気さが低めの人では、グループで通う形のほうが孤独感が下がっていた。
  3. 何もしないグループがない研究や、くじ分けでない研究が多い。効果は小さめで、時間をかけて少しずつ変わるものと考えたほうがよい。

01 結論から言うと長引く孤独は、地域の活動で和らぐ?

少しずつ和らぐ可能性があります。スペインの実験では、グループ活動に通った人も、近くの活動を紹介された人も、3か月で孤独感が約1割下がりました。どちらのやり方が上かは、全体では差がありませんでした。

孤独が長引くと、人に会うこと自体がおっくうになります。それでも研究では、近くの活動に一歩出ることが、孤独感の小さな変化と結びついていました。

大事なのは、形を自分の状態に合わせて選ぶことです。気分が沈みがちな人ほど、決まったメンバーと毎週会うグループの形が合っていた、という結果も出ています。18〜24歳の研究のまとめは、孤独な時期が続いて気持ちが沈んだままのときの記事で紹介しています。

02 研究とデータでわかっていることグループ活動と活動の紹介、どちらが効いた?

スペインの孤独な大人320人の実験では、どちらも3か月で孤独感が約1割下がり、差はありませんでした。途中でやめた人はグループ活動のほうが少なく、気分が沈みがちな人にはグループ活動のほうが効いていました。

約1割3か月で孤独感が下がった割合(10.5%、2つのグループ全体、スペインの孤独な大人320人、2023〜2025年)
約17%12か月の時点での孤独感の下がり方(16.8%、同じ実験)
14%と28%3か月までに途中でやめた人の割合(グループ活動と、紹介だけの順)
114人地域のグループ活動につなぐ取り組みを調べた、オーストラリアの孤独な大人(2024年発表)

Coll-Planasら(2026)[1]

孤独を感じる大人を、くじで2つに分けました。片方は8〜10人のグループで、週1回2時間、9週間、公園や庭園、海辺などに出かけながら話し合いました。もう片方は30分の面談を受け、近くの自然の中の活動の一覧を紹介されました。3か月で孤独感は全体で10.5%下がり、2つのやり方に差はありませんでした。生活の質は変わりませんでした。

対象: スペイン・バルセロナ周辺の所得の低い12地区に住む、孤独を感じる18歳以上の320人(80%が女性、年齢の中央値は約63歳) / 限界: 何もしないグループがなく、時間がたつだけで下がった分は区別できない。グループ活動の人のほうが効いたのは、気分や心の元気さが低めの人に限られ、元気さが高めの人では紹介だけのほうがよかった。

Dingleら(2024)[2]

孤独な大人を、地域のグループ活動につなぐ担当者の支援を受ける人と、ふだんの診療だけの人で比べました。8週間後、「どのくらい孤独を感じるか」という1問の答えは、つないでもらった人だけでよくなっていました。参加していた64の活動は、芸術・創作が24、運動・屋外が17、学びが12でした。

対象: オーストラリア・クイーンズランド州の孤独な大人114人(つないでもらった人63人、ふだんの診療51人) / 限界: くじで分けておらず、2つのグループの人の特徴がそろっていなかった。8問の孤独感の尺度では、グループ間の差ははっきりしなかった。

Masiら(2011)[3]

孤独を減らす取り組みの研究をまとめると、方法は「人づきあいの技術を高める」「支えを増やす」「人と会う機会を増やす」「人づきあいについての思い込みに働きかける」の4つに分かれました。くじ分けで比べた研究では、効果が最も大きかったのは思い込みに働きかける方法でした。

対象: 孤独を減らす取り組みを調べた研究のまとめ / 限界: 内容は論文の要旨で確認した範囲。前後だけを比べた研究は、くじ分けの研究より効果が大きく出ていて、実際より効いて見えやすい。

3つを並べると、近くの活動に出ることは孤独感を少しずつ下げるが、その差は大きくなく、続け方や形の選び方が大事だと見えてきます。新しい集まりでなかなか打ち解けられないときは、習い事やサークルで打ち解けられないときの記事も参考になります。

03 まだわかっていないこと地域の活動に出れば、孤独は必ず消える?

必ず消えるとは言えません。研究で見られた下がり方は約1割で、何もしない人と比べた研究も少ないためです。どんな人にどの形が合うかも、まだ一部しかわかっていません。

  • スペインの実験には何もしないグループがなく、活動の効果と、時間がたつだけの変化を分けられない。
  • 参加者は女性と60代前後が多かった。20〜40代の働く人や、在宅の仕事やAIとのやりとりで孤独になった人に絞った研究は見当たらない。
  • オーストラリアの研究はくじ分けではなく、結果の一部は測り方によって分かれていた。
  • 日本の地域活動で同じ結果になるかは確かめられていない。

04 今日からできるセルフケア孤独が長引いたとき、何から始めればいい?

近くで通える活動を2〜3個書き出し、気分が沈みがちなら決まったメンバーで毎週集まる会を選びます。下がり方はゆっくりなので、2〜3か月は続けるつもりで始めます。

1

近くで通える活動を2〜3個書き出す

公園の清掃や散策の会、図書館の講座、地域の教室など、歩いて行ける範囲の活動を探して書き出します。スペインの実験では、近くの活動を紹介されただけの人でも孤独感が下がっていました。

目安 15分、週末に1回

2

気分が沈みがちなら、毎週同じメンバーで集まる会を選ぶ

ひとりで参加する活動より、少人数で毎週集まる会を選びます。気分や心の元気さが低めの人では、グループで通う形のほうが孤独感が下がっていました。

目安 週1回、2〜3か月続ける

3

興味で選び、話すことを目的にしない

絵や手芸、散歩、学び直しなど、やりたいことで選びます。オーストラリアの研究で参加者が通っていたのも、芸術・創作や運動・屋外、学びの活動が中心でした。

目安 候補から1つ選んで、まず1回行ってみる

4

「どうせ浮く」という思い込みを書き出して確かめる

参加する前に浮かんだ不安を1行書き、帰ってから実際どうだったかを書き足します。研究のまとめでは、人づきあいについての思い込みに働きかける方法の効果が最も大きかったためです。連絡をためらう心理は今日も誰とも話していないときの記事で紹介しています。

目安 参加の前後に1分ずつ

05よくある質問

孤独が長く続いているとき、まず何から始めればいい?

近くで通える活動を2〜3個書き出すところから始められます。スペインの320人の実験では、近くの自然の中の活動を紹介され、30分の面談を受けただけのグループでも、3か月で孤独感が約1割下がっていました。

ひとりで通う活動と、グループで集まる活動はどちらがいい?

全体では差がありませんでした。ただ、気分や心の元気さが低めの人では、決まったメンバーで毎週集まるグループ活動のほうが孤独感の下がり方が大きく、心の元気さが高めの人では紹介だけのほうがよい結果でした。

孤独感が下がるまで、どのくらいかかる?

スペインの実験では、3か月の時点で約1割、12か月の時点で約17%下がっていました。ただ、何もしないグループはなかったため、時間がたつだけで下がった分がどのくらいかはわかりません。

参加しても、なかなか孤独感が消えないのは失敗?

失敗とは言えません。スペインの実験でも下がり方は約1割で、オーストラリアの研究でも、8週間で変わったのは「どのくらい孤独を感じるか」という1問の答えで、8問の尺度では差がはっきりしませんでした。孤独感はゆっくり変わるものと考えられます。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Coll-Planas L, Masó-Aguado M, Briones-Buixassa L, et al. (2026). Effectiveness of a nature-based social prescribing intervention on loneliness and health-related quality of life among vulnerable urban adults (RECETAS-BCN): an observer-blinded randomised controlled trial. The Lancet Regional Health – Europe. https://doi.org/10.1016/j.lanepe.2026.101821
  2. Dingle GA, Sharman LS, Hayes S, Haslam C, Cruwys T, Jetten J, Haslam SA, McNamara N, Chua D, Baker JR, Johnson T (2024). A controlled evaluation of social prescribing on loneliness for adults in Queensland: 8-week outcomes. Frontiers in Psychology, 15, 1359855. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2024.1359855
  3. Masi CM, Chen HY, Hawkley LC, Cacioppo JT (2011). A meta-analysis of interventions to reduce loneliness. Personality and Social Psychology Review, 15(3), 219–266. https://doi.org/10.1177/1088868310377394