AI疲れ・情報疲れ

チャットと通知に追われて、体の力が抜けない。力を入れてから抜く「筋弛緩法」は、大学生60人の実験で20分後のリラックス度を高めていた

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的指針0件を整理
静かな湖の水面
Photo: Julian Herzog (Website) / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

チャットの返信や通知、AIの新しい情報に追われて、気づくと肩に力が入ったまま。体の力をうまく抜けないと感じる人は少なくありません。結論から言うと、筋肉にわざと力を入れてから抜く「筋弛緩法(漸進的筋弛緩法)」は、20分の練習でリラックスした状態を高めた実験があり、ストレスや不安を軽くした研究も多く報告されています。

3行でわかる

  1. 大学生60人の実験では、20分の筋弛緩法で、雑誌を読んだ比較グループよりリラックス度が上がり、体の興奮の指標も下がっていった。
  2. 46本の研究を整理したレビューでは、ストレスの軽減を支持する研究が24本、不安の軽減が21本あった。
  3. 研究での1回の長さは5〜28分と幅があり、長さや頻度で結果は大きく変わらなかったと著者らは述べている。

01 結論から言うと体の力が抜けないとき、筋弛緩法は効く?

その場の緊張をほぐす方法として、研究の裏づけがあります。大学生60人の実験では、20分の練習でリラックス度が上がりました。ただし、研究の多くは小規模で、比較グループのないものも含まれます。

筋弛緩法は、1920年代にジェイコブソンが考えた方法です。手や肩などの筋肉にわざと力を入れ、そのあと力を抜きます。これを体の部位ごとにくり返します。

力を入れた感覚と抜いた感覚を比べることで、ふだん気づかずにこわばっている筋肉に気づきやすくなる、と説明されています。呼吸を使う方法はゆっくりした呼吸とストレスの記事にまとめています。

02 研究とデータでわかっていること筋弛緩法で、心と体はどれくらい変わる?

大学生60人の実験では、筋弛緩法・深呼吸・イメージ法のどれでもリラックス度が上がり、筋弛緩法では体の興奮の指標も下がっていきました。46本の研究の整理でも、ストレスや不安の軽減が多く報告されていました。

20分リラックス度が上がった、筋弛緩法の練習時間(大学生60人、2021年発表)
24本46本の研究のうち、ストレスの軽減を支持した研究の数(16か国・3,402人超、2024年発表)
5〜28分一人で行う筋弛緩法の研究での、1回の長さの幅
0.51リラクセーション法の練習が不安を下げた効果量(中くらい。ランダム化比較の19件・1,005人、2008年発表)

Toussaintら(2021)[1]

健康な大学生60人を4つのグループに分け、録音された音声の案内で、筋弛緩法・深呼吸・イメージ法のどれかを20分行いました。比較グループは雑誌を読みました。3つの方法はどれも、比較グループよりリラックス度を高め、方法どうしの差はありませんでした。筋弛緩法とイメージ法では、緊張すると増える皮膚の電気反応がまっすぐ下がっていきました。

対象: 心理学の授業を受ける大学生60人(平均19.6歳、71.4%が女性) / 限界: 1回だけの実験で、効果がどれくらい続くかは調べていない。心拍数には、はっきりした変化が見られなかった。

Muhammad Khirら(2024)[2]

病気の治療中ではない大人を対象に、筋弛緩法の効果を調べた46本の研究を整理したレビューです。ストレスの軽減を支持する研究が24本、不安が21本、落ち込みが11本ありました(ほかの方法と組み合わせた研究を含む)。一人で行う場合の1回の長さは5〜28分で、長さや、毎日か週に数日かで結果は大きく変わらなかったと著者らは述べています。

対象: 16か国、3,402人を超える大人(看護師などの医療職、大学生、会社員など) / 限界: 結果を数字で統合したメタ分析ではない。比較グループのない研究も含み、医療職の研究が多かった。

Manzoniら(2008)[3]

1997〜2007年の、リラクセーション法と不安の研究27件のまとめです。ランダムに分けて比べた19件(1,005人)では、練習したグループの不安が中くらいの大きさで下がっていました(効果量0.51)。この19件のうち10件が筋弛緩法を使っていました。

対象: 体の病気がある人、心の不調がある人、ボランティアや学生 / 限界: 筋弛緩法以外の方法も合わせた結果。研究の時期が古く、効果が最も大きかったのは瞑想だった。

3つの研究を並べると、筋弛緩法は、その場で体と気持ちの緊張をほぐす方法として、裏づけのある選択肢の一つと言えます。ほかの方法と比べて特に優れているという結果ではありません。瞑想の研究はマインドフルネスとストレスの記事で整理しています。

03 まだわかっていないこと画面作業のこわばりにも同じ効果がある?

まだわかっていません。研究の多くは医療職や学生が対象で、チャットやAIを使う仕事の緊張に絞った研究は見当たりません。効果がどれくらい続くかも、はっきりしていません。

  • 画面の前で働く人の緊張にも、同じように効くか。46本のレビューの著者らも、医療職以外の働く人での研究が必要だとしている。
  • 1回の練習の効果が、どれくらいの時間続くか。60人の実験は練習の直後までしか測っていない。
  • 筋弛緩法ならではの効果か。60人の実験では深呼吸やイメージ法と差がなかった。
  • 肩こりなど体の痛みそのものが軽くなるか。今回の研究はストレスや不安を測ったもので、痛みは調べていない。

04 今日からできるセルフケア気が張りっぱなしのとき、何から試せばいい?

まず5分だけ、手・腕・肩・顔の順に力を入れては抜いてみます。夜に時間が取れる日は、音声の案内に合わせて20分行います。深呼吸など、続けやすい別の方法と入れ替えてもかまいません。

1

5分だけ、力を入れてから抜く

椅子に座ったまま、手を握る、肩をすくめる、顔をしかめる、の順に力を入れ、ゆっくり抜きます。抜いたあとの感覚に注意を向けます。痛みが出るほど力を入れないようにします。

目安 1回5分、各部位2回ずつ

2

時間のある夜は、音声の案内に合わせて20分

60人の実験では、録音された案内に合わせて20分行いました。無料で公開されている案内の音声や、自分で読み上げて録音した手順を使えます。

目安 夜に1回20分

3

合わなければ、深呼吸やイメージ法に替える

感じたリラックス度に、方法どうしの差はありませんでした。力を入れるのがつらい日は、ゆっくり息を吐く方法や、落ち着く場所を思い浮かべる方法に替えます。

目安 1回5〜10分

05よくある質問

筋弛緩法は1回だけでも効果がある?

大学生60人の実験では、1回20分の練習のあと、雑誌を読んだグループよりリラックス度が高くなっていました。ただし1回の実験で、どれくらい続くかは調べられていません。

筋弛緩法と深呼吸は、どちらがいい?

大学生60人の実験では、練習後に本人が感じたリラックス度に、筋弛緩法・深呼吸・イメージ法の差はありませんでした。続けやすい方を選んでかまいません。

毎日やらないと意味がない?

46本の研究を整理したレビューでは、毎日でも週に数日でも、結果に大きな違いは見られなかったと著者らは述べています。できる日に行うだけでもよいと考えられます。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Toussaint, L., Nguyen, Q. A., Roettger, C., Dixon, K., Offenbächer, M., Kohls, N., Hirsch, J., & Sirois, F. (2021). Effectiveness of Progressive Muscle Relaxation, Deep Breathing, and Guided Imagery in Promoting Psychological and Physiological States of Relaxation. Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine, 2021, 5924040. https://doi.org/10.1155/2021/5924040
  2. Muhammad Khir, S., Wan Mohd Yunus, W. M. A., Mahmud, N., Wang, R., Panatik, S. A., Mohd Sukor, M. S., & Nordin, N. A. (2024). Efficacy of Progressive Muscle Relaxation in Adults for Stress, Anxiety, and Depression: A Systematic Review. Psychology Research and Behavior Management, 17, 345-365. https://doi.org/10.2147/PRBM.S437277
  3. Manzoni, G. M., Pagnini, F., Castelnuovo, G., & Molinari, E. (2008). Relaxation training for anxiety: a ten-years systematic review with meta-analysis. BMC Psychiatry, 8, 41. https://doi.org/10.1186/1471-244X-8-41