AI疲れ・情報疲れ

情報やAIで頭が休まらない、ストレスを手軽に下げたい。マインドフルネス瞑想は136件の試験で不安やストレスを下げたが、運動などより優れてはいなかった

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わかっている度 ★★★ 高研究6本・公的指針0件を整理
南禪寺石庭  Zen  Stone Garden in Nanzen-ji Temple
Photo: lienyuan lee / CC BY 3.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

通知、ニュース、AIとのやりとり。画面を閉じても頭の中が騒がしく、休まった気がしない。そんなとき「マインドフルネス瞑想がいい」と聞いて、本当に効くのか気になっている人は多いはずです。結論から言うと、ストレスや不安を下げる効果は複数のメタ分析でそろっています。ただし効果は小〜中くらいで、運動など他の取り組みより優れているわけではありませんでした。

3行でわかる

  1. 病気のない大人を対象にした136件の試験のまとめでは、マインドフルネスの講座を受けた人は、何もしない人より不安やストレスが下がっていました。
  2. 効果の大きさは小〜中くらいで、運動など効果が期待される別の取り組みと比べると、優れているという証拠はありませんでした。
  3. 合う人には、お金をかけずに試せる選択肢の一つです。合わなければ散歩や運動など別の方法を選んでかまいません。

01結論から言うと

マインドフルネス瞑想は、何もしない場合と比べてストレスや不安を小〜中くらい下げます。ただし運動やリラックス法より優れているとは言えず、「数ある効く方法の一つ」と考えるのが研究に沿った見方です。

マインドフルネス瞑想は、呼吸や体の感覚など「いまここ」に注意を向け、浮かんだ考えを評価せずに眺める練習です。

研究で多く調べられているのは、数週間かけて講座を受けるプログラムです。代表的なMBSRでは、8週間で合計20〜27.5時間ほどの指導を受けます。こうした講座は、病気のない大人でも、職場でも、ストレスや不安を下げていました。

一方で、運動など別の「効きそうな取り組み」と比べると、はっきりした差は出ていません。瞑想でなければいけない理由はなく、自分が続けられる方法を選べばよい、というのが今の研究の答えです。

02研究とデータでわかっていること

病気のない大人、職場、病気のある大人のどのまとめでも、マインドフルネスでストレスや不安の改善が見られました。一方、運動などの別の取り組みより優れているという証拠はありませんでした。

136件病気のない大人を対象にしたマインドフルネス講座のランダム化比較試験(29か国・11,605人、2021年のまとめ)
23件職場で行われたマインドフルネス研修のランダム化比較試験(2019年のまとめ)
47件病気や不調のある大人で、瞑想を別の活動と比べたランダム化比較試験(2014年のまとめ)
8.3%瞑想全般の研究83件で、何らかの悪影響が報告された人の割合(2020年のまとめ)

Galanteら(2021年)[3]

病気のない大人を対象に、専門家が定めた対面のマインドフルネス講座を調べたランダム化比較試験136件をまとめました。何もしないグループと比べると、講座を受けた人は、終了1〜6か月後の不安・抑うつ・心理的な苦痛(ストレス)が平均して下がり、心の健康感が上がっていました。しかし、運動など効果が期待される別の取り組みと比べると、マインドフルネスが優れているという統計的な証拠はありませんでした。

対象: 29か国の18〜73歳11,605人(77%が女性) / 限界: 試験によって効果のばらつきが大きく、偏りのリスクが高い試験も多いため、確からしさは「中程度〜非常に低い」と評価されています。偏りのリスクが高い試験を除くと、残った効果は心理的な苦痛だけでした。

Khouryら(2015年)[2]

健康な大人を対象に、「マインドフルネスストレス低減法(MBSR)」という講座を調べた29件の研究をまとめました。比較グループのある分析で、効果の大きさは中程度でした。ストレスへの効果は大きく、不安には中程度、燃え尽きには小さい効果で、終了後平均19週の時点でも保たれていました。

対象: 健康な大人2,668人 / 限界: ランダム化比較試験に限らない研究を含み、研究の設計や測り方の違いで結果のばらつきが大きくなっていました。

Bartlettら(2019年)[4]

職場で行われたマインドフルネス研修のランダム化比較試験23件をまとめました。研修のあと、ストレス、不安、心理的な苦痛、心の健康感、睡眠に改善が見られました。

対象: 職場で研修を受けた働く人 / 限界: 燃え尽きは結果が割れていて、抑うつは出版の偏りのため、結論が出せませんでした。仕事の成果はデータが足りませんでした。

Goyalら(2014年)[1]

病気や不調のある大人を対象に、瞑想を「効果を期待させる別の活動」と比べた47件の試験をまとめました。マインドフルネス瞑想は、8週間の時点で不安を小〜中程度下げていて、ストレスや心の苦痛の改善は根拠が弱めでした。運動・薬・他の心理療法など、効果がわかっている方法より優れているという証拠は見つかりませんでした。

対象: 高血圧や不安などの症状や病気のある大人(健康な人の研究は含まない) / 限界: 偏りのリスクが低い試験は一部で、プログラムの長さや方法もさまざまでした。

Gálら(2021年)[5]

スマホのアプリで行うマインドフルネス瞑想を調べたランダム化比較試験34件をまとめました。使った人たちでは、感じるストレス・不安・抑うつに小〜中くらいの改善が見られました。一方、心理的な苦痛と全般的な幸福感では、はっきりした効果は見られませんでした。

対象: 7,566人 / 限界: 試験の数が少なく、偏りのリスクが不明なものが多いため、結果は慎重に受け止めるよう著者らは書いています。

03まだわかっていないこと

どのくらいの長さ・頻度で練習すれば十分か、誰に合って誰に合わないかは、まだはっきりしていません。AIや情報による疲れに特に効くかを調べた研究も見つかりませんでした。

  • 研究の多くは、指導者のいる講座を数週間受ける形です。1日数分の自己流の練習で同じ効果が出るかは、今回調べた範囲では確かめられていません。
  • 136件のまとめでは、試験や国によって効果が大きくばらつき、どの場面でも効くとは言えないとされています。
  • 瞑想の悪影響を調べた83件のまとめでは、何らかの悪影響の報告は全体で8.3%(実験研究に限ると3.7%)でした。多かったのは不安や落ち込みで、心の不調の経験がない人にも起こりうると著者らは書いています。誰に起きやすいかは、まだはっきりしていません。
  • 情報の多さやAIの利用による疲れに、瞑想が特に効くかを調べた研究は見つかりませんでした。

04今日からできるセルフケア

まずは数分、呼吸に注意を向けてみます。合わなければ散歩や運動に切り替えてかまいません。研究では、瞑想は「数ある効く方法の一つ」です。

1

画面を閉じて、呼吸を10回数える

座ったまま、息を吐くたびに1から10まで数えます。考えごとに気づいたら、責めずに1から数え直します。

目安 1回3分・1日1〜2回

2

頭の中の考えに「いま、考えている」とラベルを付ける

仕事やニュースのことが浮かんだら、追いかけずに「考えている」と心の中で言い、呼吸か足の裏の感覚に注意を戻します。

目安 気づいたとき・数秒

3

合わなければ、歩く・体を動かすに切り替える

研究では、運動など別の取り組みとの差ははっきりしていません。瞑想が退屈だったり、かえって落ち着かなかったりしたら、外を歩くなど続けやすい方法を選びます。

目安 1回10分・2週間試して見直す

4

気分が悪くなったら、目を開けてやめる

瞑想中に不安や落ち込みが強くなることもあります。そのときは無理に続けず、目を開けて周りの物を見たり、体を動かしたりします。

目安 そのつど

体を動かす方法を選ぶなら散歩と気分の研究や運動と落ち込み・不安の研究が参考になります。情報そのものを減らしたい人は情報疲れの減らし方、仕事の合間に頭を休めたい人は短い休憩の研究もどうぞ。

05よくある質問

マインドフルネス瞑想は本当にストレスに効くの?

何もしない場合と比べると、効果はあります。病気のない大人を対象にした136件のランダム化比較試験のまとめでは、講座を受けた人たちで不安やストレス(心理的な苦痛)が平均して下がっていました。ただし効果の大きさは試験によってばらつきがありました。

運動やリラックス法と比べてどっちがいい?

研究では、どちらが上とは言えていません。136件のまとめでは、運動など効果が期待される別の取り組みと比べて、マインドフルネスが優れているという統計的な証拠はありませんでした。続けやすいほうを選んでかまいません。

スマホの音声ガイドで瞑想しても効果はある?

スマホのアプリで行う瞑想を調べた34件の試験のまとめでは、ストレスや不安の点数に小〜中くらいの改善が見られました。ただし試験の数が少なく、偏りのリスクも不明なものが多いため、慎重に受け止める必要があると著者らは書いています。

瞑想で気分が悪くなることはある?

あります。瞑想の悪影響を調べた83件の研究のまとめでは、何らかの悪影響が報告された割合は全体で8.3%で、多かったのは不安や落ち込みでした。気分が悪くなったら中断してかまいません。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Goyal M, Singh S, Sibinga EM, Gould NF, Rowland-Seymour A, Sharma R, Berger Z, Sleicher D, Maron DD, Shihab HM, Ranasinghe PD, Linn S, Saha S, Bass EB, Haythornthwaite JA (2014). Meditation programs for psychological stress and well-being: a systematic review and meta-analysis. JAMA Internal Medicine, 174(3), 357-368. https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2013.13018
  2. Khoury B, Sharma M, Rush SE, Fournier C (2015). Mindfulness-based stress reduction for healthy individuals: A meta-analysis. Journal of Psychosomatic Research, 78(6), 519-528. https://doi.org/10.1016/j.jpsychores.2015.03.009
  3. Galante J, Friedrich C, Dawson AF, Modrego-Alarcón M, Gebbing P, Delgado-Suárez I, Gupta R, Dean L, Dalgleish T, White IR, Jones PB (2021). Mindfulness-based programmes for mental health promotion in adults in nonclinical settings: A systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. PLoS Medicine, 18(1), e1003481. https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1003481
  4. Bartlett L, Martin A, Neil AL, Memish K, Otahal P, Kilpatrick M, Sanderson K (2019). A systematic review and meta-analysis of workplace mindfulness training randomized controlled trials. Journal of Occupational Health Psychology, 24(1), 108-126. https://doi.org/10.1037/ocp0000146
  5. Gál É, Ștefan S, Cristea IA (2021). The efficacy of mindfulness meditation apps in enhancing users' well-being and mental health related outcomes: a meta-analysis of randomized controlled trials. Journal of Affective Disorders, 279, 131-142. https://doi.org/10.1016/j.jad.2020.09.134
  6. Farias M, Maraldi E, Wallenkampf KC, Lucchetti G (2020). Adverse events in meditation practices and meditation-based therapies: a systematic review. Acta Psychiatrica Scandinavica, 142(5), 374-393. https://doi.org/10.1111/acps.13225