比べて落ち込む

SNSで友達の近況を見ると、自分だけ取り残された気がする。7日間離れた実験で、その焦りは減っていた

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わかっている度 ★★☆ 中研究1本・レビュー2本を整理出典照合済み(2026-10-03)
晩秋の朝の静かな湖と木々
Photo: Extemporalist / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

旅行、転職、結婚。SNSを開くと、友達の楽しそうな近況が次々に流れてきます。見ているうちに、「自分だけ何も変わっていない」「取り残されている」と焦る。そんな気持ちになる人は少なくありません。この焦りは研究で「取り残される不安(FoMO)」と呼ばれ、少しずつ性質がわかってきています。

3行でわかる

  1. 106本の研究をまとめたレビューでは、取り残される不安は「他の人の楽しい体験と、自分を比べることから生まれる不快な気持ち」という点で研究者の見方が一致していました。
  2. 英国の大学の研究で、20〜49歳の61人が7日間SNSを離れた実験では、取り残される不安が減り、心の健康とつながりの感覚が高まりました。
  3. 取り残される不安は、SNSをやめにくくなる使い方と関連する要因の1つに挙げられています。通知が不安のきっかけになるという声もありました。

01結論から言うと

SNSで取り残された気がするのは、人の楽しい場面と自分を比べると起きやすい自然な気持ちです。小さな実験では、SNSから数日離れると、この焦りが減っていました。

SNSに流れてくるのは、多くの場合、人生の明るい場面です。それを自分のふだんの毎日と並べると、差が大きく見えます。

研究者は、この焦りを「ほかの人がよい体験をしているのに、自分はその場にいない」と感じる不安として説明しています。仲間とつながっていたいという気持ちの裏返しでもあります。

焦りを感じるとSNSを確かめたくなり、確かめるとまた焦る、という循環が起きやすいと考えられています。いったん距離を置くことが、その循環を止める手がかりになります。

02研究とデータでわかっていること

取り残される不安は、他人の体験との比較から生まれる不快な気持ちとされます。SNSをやめにくい使い方と関連し、短期間SNSを離れると減ったという実験があります。

106本取り残される不安の研究をまとめたレビュー(2013〜2023年の論文、2024年発表)
7日間SNSを離れて、取り残される不安が減った実験の期間(20〜49歳の61人)
35本SNSをやめにくい使い方の要因をまとめたレビューの数(2025年発表)

Groenesteinら(2024年)[1]

2013〜2023年に発表された取り残される不安の研究106本を整理しました。研究者の間で一致していたのは、「人と自分の活動を比べることで、逃した社会的な体験について起きる不快な気持ち」という本質でした。一方で、それが性格のようなものか、その場の気持ちか、心の健康とどう関わるのかは、研究の間でまだ意見が分かれていました。

対象: 106本の研究のまとめ / 限界: 原因と結果を確かめた研究が少なく、言葉の使い方もそろっていない、と著者らは指摘しています。

BrownとKuss(2020年)[2]

ふだん通りSNSを使った7日間のあと、次の7日間SNSを使わないようにしてもらいました。SNSを離れた後は、取り残される不安が減り、心の健康とつながりの感覚の点数が上がりました。参加者からは、通知が不安や使いたい気持ちのきっかけになるという声や、通知を切ると続けやすかったという声がありました。

対象: SNSで募集した20〜49歳の61人(平均24.4歳、英国の大学の研究) / 限界: 比べる対照グループがない実験で、自分から参加した人が対象です。7日間の後どうなったかは調べていません。

Fioravantiら(2025年)[3]

SNSをやめにくくなる使い方の心理的な要因を調べたレビュー35本を、さらにまとめました。取り残される不安は、孤独感や不安、自己評価の低さなどと並んで、やめにくい使い方と関連する要因の1つに挙がっていました。

対象: 35本のシステマティックレビュー・メタ分析 / 限界: もとの研究の多くは関連を調べたもので、取り残される不安が原因かどうかはわかりません。

03まだわかっていないこと

SNSを離れた効果がどのくらい続くのか、取り残される不安が心の健康を悪くする原因なのかは、まだわかっていません。研究者の間でも定義が完全にはそろっていません。

  • SNSを離れる実験は小規模なものが多く、対照グループのある大きな実験での確認が必要です。
  • 取り残される不安が、もともとの性格に近いものか、その場で起きる気持ちなのかは、研究によって扱いが違います。
  • 日本の大人を対象にした研究は、今回は見つかりませんでした。

04今日からできるセルフケア

SNSを完全にやめなくても、通知を切る、見る時間を区切る、数日離れてみる、といった工夫ができます。焦りを感じたら、比べている自分に気づくことが一歩目です。

1

SNSの通知を切る

実験の参加者は、通知が使いたい気持ちのきっかけになると話していました。友達の投稿やおすすめの通知だけでも、オフにしてみます。

目安 設定5分・1回

2

「比べている」と気づいたら言葉にする

焦りを感じたら、「いま人の一番よい場面と、自分の普段を比べている」と心の中で言います。取り残される不安は、比べることから生まれる気持ちです。

目安 気づいたとき・数秒

3

週末の2〜3日だけ離れてみる

いきなり7日間でなくても、週末だけアプリを開かない日を作ります。離れている間の気分を、メモに一言残しておくと変化に気づきやすくなります。

目安 週末2〜3日

4

気になった友達には、直接連絡する

近況を見て気になった相手がいれば、「元気?」と一言送ってみます。眺めるだけの関係を、やりとりのある関係に変えるきっかけになります。

目安 週1回・1通

05よくある質問

SNSで取り残された気がするのはなぜ?

研究では、この焦りは「人の楽しい体験と自分を比べることから生まれる不快な気持ち」とされています。SNSには明るい場面が多く流れるため、自分の普段と比べて差を大きく感じやすくなります。

FOMO(フォーモ)とは?

「Fear of Missing Out」の略で、ほかの人がよい体験をしているのに自分はその場にいない、と感じる不安のことです。日本語では「取り残される不安」などと訳されます。

SNSをやめれば焦りはなくなる?

英国の小さな実験では、7日間SNSを離れると取り残される不安が減りました。ただし対照グループのない実験で、効果がどのくらい続くかもわかっていません。完全にやめなくても、通知を切る、時間を区切るといった工夫から始められます。

友達の幸せを素直に喜べない自分が嫌になる

人と比べて焦る気持ちは、多くの人に起きます。責める必要はありません。比べていることに気づき、少しSNSから距離を置くと、気持ちが落ち着きやすくなります。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

出典

  1. Groenestein E, Willemsen L, van Koningsbruggen GM, Ket H, Kerkhof P (2024). The relationship between fear of missing out, digital technology use, and psychological well-being: a scoping review of conceptual and empirical issues. PLoS ONE, 19(10), e0308643. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0308643
  2. Brown L, Kuss DJ (2020). Fear of missing out, mental wellbeing, and social connectedness: a seven-day social media abstinence trial. International Journal of Environmental Research and Public Health, 17(12), 4566. https://doi.org/10.3390/ijerph17124566
  3. Fioravanti G, Bocci Benucci S, Ghinassi S (2025). Psychological risk factors for problematic social network use: an overview of systematic reviews and meta-analyses. Addictive Behaviors Reports, 21, 100600. https://doi.org/10.1016/j.abrep.2025.100600