AI疲れ・情報疲れ

スマホが鳴っていないのに振動した気がする。米国の病院職員の約7割が経験し、忙しい時期に増えていた

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・レビュー1本を整理出典照合済み(2026-10-03)
コーヒーテーブルに置かれたスマートフォンのワイヤレス充電器
Photo: Ominae / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

ポケットのスマホがブルッと震えた気がして見てみると、通知は何も来ていない。そんな経験が増えると、「疲れているのかな」「おかしいのかな」と気になります。研究では、この「幻の振動」は携帯電話を持つ人によくある体験でした。そして、忙しい時期ほど増えていたこともわかっています。

3行でわかる

  1. 米国の大学病院の職員169人の調査では、68%が「鳴っていないのに振動を感じた」経験がありました。
  2. 台湾の研修医74人を追った研究では、研修前78.1%だった経験者が、研修3〜6か月目に90%台まで増え、研修後2週間で50.0%に減りました。
  3. マナーモードをやめる、置き場所を変えるといった工夫で止められた人もいました。ただし、止め方の比べ方はまだ十分ではありません。

01結論から言うと

鳴っていないのに振動を感じるのは、携帯電話を持つ人によくある体験です。研究では、仕事が忙しくストレスが強い時期に増え、落ち着くと減っていました。

この体験は、研究では「幻想振動症候群(ファントム・バイブレーション)」と呼ばれています。名前に「症候群」と付いていますが、病気として診断する基準はまだありません。

研究者は、連絡を待って身構えていると、体に届く別の小さな刺激を「スマホの振動だ」と受け取ってしまうのではないかと説明しています。台湾の研究者たちも、研修中の張りつめた状態を背景の1つに挙げています。

つまり、振動を感じること自体より、「いつも連絡に身構えている状態」に目を向けるほうが役に立ちます。

02研究とデータでわかっていること

病院の職員や研修医、会社員の調査で、多くの人が幻の振動を経験していました。マナーモードでの利用や長時間の持ち歩き、忙しさや仕事の疲れと関連がありました。

68%幻の振動を経験した職員(米国の大学病院、169人、2010年発表)
95.9%研修3か月目に経験していた研修医(台湾、74人。研修前は78.1%)
50.0%研修が終わって2週間後の同じ研修医の経験率

Rothbergら(2010年)[1]

米国の大学病院の職員に、ポケベルや携帯電話の幻の振動を尋ねました。答えた169人のうち115人(68%)が経験していました。持ち歩く時間が長い人、マナーモードをよく使う人、胸ポケットに入れている人(ベルトにつける人と比べて)ほど、経験が多い傾向がありました。

対象: 米国の大学病院の医療スタッフ176人(回答率76%) / 限界: 1つの病院でのアンケートです。経験した人のうち、止められたのは39%でした。

Linら(2013年)[2]

台湾の研修医74人を、1年間の病院研修の前から後まで追いかけました。幻の振動の経験率は、研修前の78.1%から、研修3か月目に95.9%、6か月目に93.2%へ増えました。研修が終わって2週間後には50.0%まで下がりました。

対象: 台湾の研修医74人(平均24.8歳) / 限界: 医師の研修という、とても忙しい場面での結果です。不安や落ち込みの点数とは、はっきりした関連は見られませんでした。

Chenら(2014年)[3]

台湾のハイテク企業の社員384人を調べると、個人的な疲れや仕事の疲れが強い人ほど、幻の振動を経験している傾向がありました。研究者は、幻の振動が仕事の疲れのサインになりうると考えています。

対象: 台湾の1社の社員384人(平均33.7歳) / 限界: 1回だけの調査で、疲れが原因かどうかはわかりません。1つの会社だけの結果です。

Deb(2015年)[4]

それまでの研究をまとめたレビューです。幻の振動や幻の着信音は携帯電話の利用者によくある体験で、困っていると感じる人は少なく、そのため対策をとらない人が多いとまとめています。

対象: 既存研究のまとめ / 限界: 研究の数がまだ少なく、どのくらいの人に起きるのか、なぜ起きるのかは十分にわかっていない、と著者自身が書いています。

03まだわかっていないこと

一般の人がどのくらい経験しているのか、どうすれば確実に止められるのかは、まだわかっていません。研究の多くは医療職を対象にしています。

  • 研究の多くは医師や研修医が対象です。一般の会社員や学生で同じ割合になるかはわかりません。
  • 止め方を比べた研究は少なく、米国の調査でも、マナーモードをやめる・置き場所を変える・別の端末にするの間で、成功した割合にはっきりした差は出ていません。
  • 日本の人を対象にした研究や、スマホが普及した最近の状況での研究はまだ少ない段階です。

04今日からできるセルフケア

振動を感じたら、責めずに「身構えているサイン」と受け止めます。マナーモードの使い方と置き場所を少し変え、確認する時間を決めると、連絡への身構えをゆるめやすくなります。

1

バイブの設定を見直す

米国の調査で、試した人のうち止められた割合が最も高かったのは、マナーモード(バイブ)をやめる方法でした(75%)。急ぎでないアプリはバイブを切り、画面の表示だけにしてみます。

目安 設定5分・1回

2

体から離して置く

胸ポケットに入れている人ほど経験が多い傾向がありました。座っているときは机の上やかばんに置き、体に触れない場所にしてみます。

目安 今日から・デスクにいる間

3

確認する時間を決める

「振動したかも」とすぐ見るのをやめ、30分〜1時間に1回など、確認する時間を決めます。見ない時間があるとわかっていると、身構えが少しゆるみます。

目安 1日のうち2〜3時間から

4

増えたら、忙しさを見直す合図にする

研究では、忙しい時期に増え、落ち着くと減っていました。最近増えたと感じたら、睡眠や休憩がとれているか、一度ふり返ってみます。

目安 週1回・3分

05よくある質問

スマホが鳴っていないのに振動を感じるのは病気?

研究では、携帯電話を持つ人によくある体験でした。米国の病院の調査では68%が経験しています。病気として診断する基準はまだなく、研究者は、ふつうの脳の働きの中で起きている体験だと考えています。

なぜ鳴っていないのに振動を感じるの?

連絡を待って身構えているときに、体に届く別の小さな刺激を「スマホの振動だ」と受け取ってしまうためと考えられています。仕組みはまだ十分には解明されていません。

幻の振動はストレスのサイン?

台湾の研修医の研究では、忙しい研修中に増え、研修後に減りました。会社員の調査では、仕事の疲れが強い人ほど多い傾向がありました。ただし関連を調べた研究で、ストレスが原因とまでは言えません。

着信音が聞こえた気がすることもある

「幻の着信音」と呼ばれ、研究では振動より少ないものの、忙しい時期には増えていました。台湾の研修医では、研修前27.4%から研修中は80%台に増えていました。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

出典

  1. Rothberg MB, Arora A, Hermann J, Kleppel R, St Marie P, Visintainer P (2010). Phantom vibration syndrome among medical staff: a cross sectional survey. BMJ, 341, c6914. https://doi.org/10.1136/bmj.c6914
  2. Lin YH, Lin SH, Li P, Huang WL, Chen CY (2013). Prevalent hallucinations during medical internships: phantom vibration and ringing syndromes. PLoS ONE, 8(6), e65152. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0065152
  3. Chen CP, Wu CC, Chang LR, Lin YH (2014). Possible association between phantom vibration syndrome and occupational burnout. Neuropsychiatric Disease and Treatment, 10, 2307-2314. https://doi.org/10.2147/NDT.S73038
  4. Deb A (2015). Phantom vibration and phantom ringing among mobile phone users: A systematic review of literature. Asia-Pacific Psychiatry, 7(3), 231-239. https://doi.org/10.1111/appy.12164