SNSに投稿したあと、反応が気になって何度も見てしまう。「いいね」が少ないと落ち込むしくみと、見る回数の決め方

投稿したあと、何度もアプリを開いて反応を確かめてしまう。「いいね」が思ったより少ないと、自分が否定されたような気持ちになる。そう感じる人は少なくありません。実験では、コンピューターがでたらめに決めた「いいね」の数でも、少ないと自己評価が下がることがわかっています。数はあなたの価値を測っていないのに、心はそう受け取ってしまうのです。
3行でわかる
- カナダの大学生1,007人の実験では、「いいね」を1〜2個しかもらえなかった人は、9〜10個もらった人より自己評価が下がりました。数はコンピューターがでたらめに決めたものでした。
- 10代(平均14.3歳)を対象にした実験でも、「いいね」が少ないと拒絶されたと感じやすく、否定的な気持ちになりやすい結果でした。
- 投稿後の様子を録画した小さな研究では、自分の投稿を見返す回数と生活の満足度には関連がありませんでした。ただし人数が少なく、見返しても影響がないとまでは言えません。
01結論から言うと
「いいね」が少ないと落ち込むのは、心の弱さではありません。人は仲間からの反応に敏感で、数が少ないと「受け入れられていない」と感じやすいのです。数は自分の価値の物差しではない、と知っておくことが第一歩です。
人は、仲間から受け入れられているかどうかに敏感です。SNSの「いいね」は、その手がかりが数字で見えてしまうしくみです。
研究者は、「いいね」が少ないことを、仲間外れ(無視されること)の一種と考えています。受け入れられたいという気持ちが満たされず、いやな気分につながるという考え方です。
ただ、実験で使われた「いいね」の数は、本人の投稿の中身とは関係なく、コンピューターがでたらめに決めたものでした。それでも気持ちは下がりました。数が少ないことは、あなたの価値が低いことを意味しません。
02研究とデータでわかっていること
「いいね」が少ないと、自己評価や前向きな気持ちが下がることが、大学生と10代の実験で確かめられています。ただし差は大きくなく、投稿を見返す回数そのものと満足度の関連は見られていません。
Xiaoら(2025年)[1]
SNSに似た画面で、3分間おたがいのプロフィールを見て反応し合う実験です。もらえる「いいね」の数を、コンピューターが1〜2個、4〜5個、9〜10個のどれかにでたらめに振り分けました。1〜2個の人は、ほかの人より自己評価が下がり、「自分には意味がある」という感覚や前向きな気持ちも弱くなりました。
対象: カナダの大学生1,007人(平均19.3歳) / 限界: 実験用の画面での短い体験で、ふだんのSNSと同じとは限りません。差の大きさは小さめでした。SNSを控えたい気持ちには変化がありませんでした。
Leeら(2020年)[2]
10代の若者に、同じようにSNSに似た画面で「いいね」の数を振り分けました。少ない「いいね」を受け取った人は、多く受け取った人より、拒絶されたと強く感じ、否定的な気持ちや自分についての否定的な考えが増えました。別の研究でも同じ結果がくり返され、学校でいじめを受けた経験のある人が最も影響を受けやすいことがわかりました。
対象: 10代(613人、579人など3つの研究) / 限界: 要旨で確認できた範囲の紹介です。大人にそのまま当てはまるとは限りません。
Caryら(2024年)[3]
自撮り写真を投稿したあとの10分間、写真共有SNSでの行動を画面録画で記録しました。「いいね」やコメントなどの反応をたくさん受け取った人ほど、生活の満足度が高い関連がありました。自分の投稿や反応を見返す回数と、満足度との関連は見られませんでした。
対象: 米国の大学生70人(18〜25歳) / 限界: 人数が少なく、一度だけの関連を調べた研究です。満足度が反応を左右したのか、その逆かはわかりません。
03まだわかっていないこと
何度も反応を確かめる習慣が、長い目で気分にどう関わるかはわかっていません。研究の多くは若い人の短い実験で、働く大人や日本の人を対象にした研究も少ない段階です。
- 実験は数分間の体験で、ふだんのSNSでの長い積み重ねとは違います。
- 対象は大学生や10代が中心です。働く大人で同じ結果になるかは確かめられていません。
- 「いいね」の数を非表示にすると気持ちが楽になるかは、この記事では確かめられる研究を見つけられませんでした。
- 反応を見る回数を減らす工夫が、気分を良くするかを試した研究は、まだほとんどありません。
04今日からできるセルフケア
反応を見ること自体をやめる必要はありません。見る時間を決める、数ではなく中身を見る、数が少ない日は「でたらめでも落ち込むのが人の心」と思い出す。この3つが手軽な始め方です。
反応を見る時間を先に決める
投稿したら「1時間後と夜に1回」のように、見るタイミングを決めておきます。何度もアプリを開く代わりに、その時間だけ確かめます。
目安 1日2回まで
数ではなく、言葉の反応を見る
数字の合計より、誰がどんな言葉をくれたかに目を向けます。1つの温かいコメントを読み返すほうが、数を何度も確かめるより気持ちが落ち着きやすいかもしれません。
目安 1回1分
少なかった日は、実験を思い出す
実験では、でたらめに決めた数でも、少ないと自己評価が下がりました。「数が少ない=自分の価値が低い」ではない、と一言つぶやきます。
目安 その都度10秒
投稿したら、別のことを1つ始める
投稿のあとすぐに、散歩や家事など手を動かすことを1つします。反応を待つ時間に、気持ちを向ける先をつくる工夫です。
目安 10分
05よくある質問
いいねが少ないと落ち込むのは、自分だけ?
自分だけではありません。実験では、「いいね」が少なかったグループは、平均して自己評価が下がりました。その数がでたらめに決められたものでも、同じことが起きていました。
投稿の反応を何度も見てしまうのはやめたほうがいい?
米国の大学生の小さな研究では、自分の投稿を見返す回数と生活の満足度に関連はありませんでした。見ること自体より、数を自分の価値と結びつけないことが大切そうです。
いいねの数を気にしない方法はある?
研究で確かめられた方法はまだ少ないです。見る時間を決める、数より言葉の反応に目を向けるなど、負担の少ない工夫から試せます。
いいねが少ないのは、嫌われているから?
そうとは限りません。表示される数は、投稿した時間や、相手が画面を見たかどうかなど、あなたへの気持ちと関係ないことでも変わります。
つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。
出典
- Xiao B, Parent N, Coplan RJ, Shapka JD (2025). How do young adults feel about receiving "Likes" on social media? The moderating role of shyness and cybervictimization. Emerging Adulthood, 13(6), 1347-1358. https://doi.org/10.1177/21676968251367493
- Lee HY, Jamieson JP, Reis HT, Beevers CG, Josephs RA, Mullarkey MC, O'Brien JM, Yeager DS (2020). Getting fewer "likes" than others on social media elicits emotional distress among victimized adolescents. Child Development, 91(6), 2141-2159. https://doi.org/10.1111/cdev.13422
- Cary KM, Maas MK, Greer KM, Meshi D (2024). Observed Instagram use and satisfaction with life: Associations with received communications and exploration of others' content after posting a selfie. PLOS ONE, 19(3), e0297392. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0297392