比べて落ち込む

人と比べて落ち込んだ話を、友達に何度も聞いてもらってしまう。ハンガリーの大学生178人の10日間の記録では、同じ悩みをくり返し話し合った日ほど、一人でくよくよ考える度合いも高かった

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わかっている度 ★☆☆ 低研究3本・公的指針0件を整理
木のテーブルに置かれた急須と湯のみ、開いた本
Photo: Christopher Michel / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

同期の昇進や友達の近況を見て落ち込んだ日、気心の知れた友達に「聞いてよ」と話したくなるのは自然なことです。話すこと自体は、研究でも心の不調の少なさと結びついていました。ただ、同じ悩みを何度もくり返し話し込むと、その良さが弱まり、一人でくよくよ考える時間まで増えやすいこともわかってきています。

3行でわかる

  1. オーストラリアの女子中高生186人の調査では、困ったときに友達に相談しやすい人ほど、落ち込みや不安が少ない傾向があった。
  2. 一方、同じ悩みをくり返し話し込む傾向は、その良さを一部打ち消していた。ハンガリーの大学生178人の記録では、くり返し話し合った日ほど、一人で考え込む度合いも高かった。
  3. どれも人と比べた話に限った研究ではなく、関連を見た調査。話すなら時間を区切り、そのあとは別の話題や一緒にやることに移るのが一つの手。

01 結論から言うと比べて落ち込んだ話を、友達に聞いてもらっていい?

聞いてもらうこと自体は悪くありません。ただ、同じ悩みのあらゆる面を何度も話し、悪い想像やつらさばかりを話し合うと、話す良さが弱まりやすいことが調査で示されています。

研究では、悩みを親しい人とくり返し話し込むことを「共反すう(コ・ルミネーション)」と呼びます。反すうは、同じことを頭の中で何度も考え続けることです。それを2人で一緒にしている状態、と考えるとわかりやすいでしょう。

共反すうには、相手と親しく感じられるといった良い面もあると研究者は述べています。問題は、同じ話のくり返しが、一人で考え込むことや落ち込みの多さと結びついていた点です。

02 研究とデータでわかっていることくり返し話し込むと、何が起きる?

友達に相談しやすい人ほど不調は少なめでしたが、くり返し話し込む傾向はその良さを一部打ち消していました。毎日の記録では、くり返し話し合った日ほど、その日に一人で考え込む度合いも高くなっていました。

178人10日間、毎晩その日の悩みと話し合いを記録した大学生(ハンガリー、平均22.7歳、2025年発表)
34.1%親しい人と悩みを話し合った日の割合(同じ記録、1,605日分のうち547日)
186人友達への相談のしやすさと、落ち込み・不安の関係を調べた女子中高生(オーストラリア、2023年発表)
187人親友の支えと、くり返し話し込む傾向を調べた中学生(オランダ、2025年発表)

Kovácsら / エトヴェシュ・ロラーンド大学(2025年)[1]

大学生が10日間、毎晩その日の出来事と気持ちを記録した。親しい人と悩みを話した日には、「予定していた別のことをせずに、その問題を話した」「問題のあらゆる面を何度も話した」などに答えた。

同じ人の中で比べると、くり返し話し込んだ日ほど、その日に一人で気持ちや問題をくよくよ考えたり、先のことを心配したりする度合いも高かった。いやな出来事があった日には、この結びつきがより強かった。

対象: ハンガリーの大学生178人(女性158人、平均22.7歳)。新型コロナの流行中に実施 / 限界: 同じ日の関連を見たもので、話し込んだから考え込んだのか、その逆かはわからない。チャットなどネット上でのくり返しのやりとりは測っていない。

Mackenzieら / ウェスタンシドニー大学など(2023年)[2]

親とけんかした、仲間外れにされたといった場面を4つ示し、友達に相談するか、ネットで相談するかを尋ねた。友達に相談しやすい人ほど、落ち込みや不安が少なかった。

一方、友達に相談しやすい人ほど、くり返し話し込む傾向も強く、その傾向は落ち込みの多さと結びついていた。くり返し話し込むことが、友達に相談する良さを一部打ち消していた。ネットで相談しやすい人では、落ち込みや不安が多かった。

対象: シドニーの女子校4校の生徒186人(平均13.6歳) / 限界: 一度きりの調査で、因果の向きはわからない。もともと不調な人が、くり返し話し込みやすい可能性もある。

van der Mey-Baijensら / アムステルダム自由大学など(2025年)[3]

小学校の最終学年と中学校で、同じ子どもの不調を2回調べた。親友に支えられていると感じる子ほど、中学校での落ち込み・不安・ストレスが少なかった(小学校のときの不調をそろえて比べた)。一方、くり返し話し込む傾向が強い子ほど、不調が多かった。

くり返し話し込む傾向が平均より強いと、親友の支えと、落ち込みやストレスの少なさとの結びつきが弱まっていた。とても強い場合は、親友の支えがあるほどストレス感が高かった。

対象: オランダの中学生187人(1回目の平均11.8歳、2回目13.3歳) / 限界: 家庭の経済状況が比較的よい子が多く、不調の少ない子が中心。大人にどこまで当てはまるかはわからない。

03 まだわかっていないこと比べて落ち込んだ話でも、同じことが言える?

まだわかっていません。紹介した研究は、人と比べた話に限らず日々の悩み全般を調べたもので、どれも関連を見た調査です。話し方を変えると気分が変わるのかを試した実験は見つかりませんでした。

  • 人と比べて落ち込んだ話に絞って、友達との話し合いを調べた研究は見つからなかった。
  • 3本とも調査で、くり返し話し込むことが不調を生むのか、不調な人が話し込みやすいのかは区別できていない。
  • 対象は中高生と大学生で、女性が多い。働く大人や男性で同じかはわからない。
  • チャットやSNSでのくり返しのやりとりが、対面と同じように働くかはまだ調べられていない。

04 今日からできるセルフケア友達に話すとき、どうすればくり返しを避けられる?

話す時間を区切り、悪い想像を広げるより「次にどうするか」に話を移します。そのあとは別の話題や、一緒にやる予定に戻ると、くり返し話し込む状態を避けやすくなります。

1

話す時間を先に決める

「10分だけ聞いて」と最初に伝えます。研究では「予定していた別のことをせずに、その問題を話した」ことが、くり返し話し込む目安の一つでした。

目安 10分

2

「これからどうする?」に話を移す

「起こりそうな悪いこと」を一緒に挙げ続けるのではなく、「次に自分ができること」を1つ決めて話を終えます。

目安 話の最後に1〜2分

3

話したあとは、一緒に別のことをする

食事や散歩、予定していた遊びなど、もともとの予定に戻ります。同じ話を蒸し返したくなったら、「さっき話したね」と区切ります。

目安 話のあとすぐ

一人で考え込んでしまうときの気のそらし方は気をそらすのは逃げ?の記事に、何度も愚痴を聞く側のしんどさは聞く側の記事に、AIに愚痴をくり返すときの注意はAIへの愚痴の記事にまとめています。

05よくある質問

人と比べて落ち込んだとき、友達に話すのはいいこと?

話すこと自体は悪くありません。オーストラリアの女子中高生186人の調査では、困ったときに友達に相談しやすい人ほど、落ち込みや不安が少ない傾向がありました。ただ、同じ悩みをくり返し話し込む傾向が強いと、その良さが一部打ち消されていました。

「くり返し話し合う」と、どうなるの?

ハンガリーの大学生178人の10日間の記録では、同じ問題をくり返し話し合った日ほど、その日に一人でくよくよ考えたり心配したりする度合いも高くなっていました。いやな出来事があった日ほど、この結びつきは強めでした。

友達に話すのをやめたほうがいい?

やめる必要はありません。研究で問題とされているのは、悩みのあらゆる面を何度も話し、悪い想像やつらさばかりを話し合うことです。話す時間を区切り、そのあとは別の話題や一緒にやることに移ると、くり返しを避けやすくなります。

比べて落ち込んだ話に限った研究はある?

見つかりませんでした。この記事で紹介した研究は、人と比べた話に限らず、日々の悩みを親しい人と話し合うことを調べたものです。比べて落ち込んだ話でも同じかどうかは、まだ確かめられていません。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Kovács LN, Kocsel N, Tóth Z, Smahajcsik-Szabó T, Karsai S, Kökönyei G (2025). The daily relations of co-rumination and perseverative cognition. Scientific Reports, 15, 3021. https://doi.org/10.1038/s41598-025-87335-7
  2. Mackenzie E, McMaugh A, Van Bergen P, Parada RH (2023). Online support seeking, co-rumination, and mental health in adolescent girls. Frontiers in Psychiatry, 14, 1040636. https://doi.org/10.3389/fpsyt.2023.1040636
  3. van der Mey-Baijens S, Vuijk P, Bul K, van Lier PAC, Sijbrandij M, Maras A, Buil M (2025). Co-Rumination as a Moderator Between Best-Friend Support and Adolescent Psychological Distress. Journal of Adolescence, 97(5), 1161. https://doi.org/10.1002/jad.12483