人とのつながり

ひとりで食べる日ばかりになった。韓国の2万3千人の調査では、夕食をひとりで食べる人ほど気分の落ち込みと関連し、朝食では関連が見られなかった

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わかっている度 ★★☆ 中研究5本・公的指針0件を整理
茶わんに盛ったご飯
Photo: Douglas Perkins / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

在宅勤務の昼は、パソコンの前でひとり。夜は届いたお弁当を、動画を見ながらひとり。気づけば、誰かと向かい合って食べたのはいつだったか思い出せない。ひとりの食事は気楽でもあります。ただ、それが毎日になると、心に何か影響はあるのでしょうか。日本・韓国・英国などの研究から、わかっていることと、無理なく続く備え方を整理します。

3行でわかる

  1. 韓国の大人23,066人の調査では、夕食をひとりで食べる人は気分の落ち込みの症状と関連がありました。昼食では関連が弱く、朝食では関連が見られませんでした。
  2. 日本の65歳以上の人の3年間の追跡や、高齢の人の8研究のまとめでも、ひとりの食事が多い人ほど落ち込みと関連していました。ただし原因かどうかはわかっていません。
  3. 毎食でなくてかまいません。週に1回は夕食を誰かと食べる、離れた人とは画面ごしに食べる、一緒の食事では話して笑う、が手がかりになります。

01 結論から言うとひとりで食べることが多いと、心に影響はある?

ひとりの食事が多い人ほど、気分の落ち込みと関連があるという調査が複数の国で出ています。とくに夕食で関連がはっきりしていました。ただし観察の研究が中心で、ひとりで食べることが原因かどうかは、まだわかっていません。

ひとりで食べること自体は、悪いことではありません。自分のペースで食べられる、気をつかわない、という良さもあります。研究で見えてきたのは、「ひとりの食事しかない」状態が続くことと、気分の落ち込みとの関連です。

食事は、毎日くり返される数少ない「人と過ごす時間」の一つです。在宅勤務やデリバリー、画面を見ながらの食事が増えると、この時間が知らないうちに消えていきます。誰かと食べることは、人とのつながりを保つ、身近で続けやすい習慣と考えることができます。

02 研究とデータでわかっていることどんな「ひとりの食事」が、落ち込みと関係している?

韓国の大規模な調査では、夕食をひとりで食べることの関連がいちばん強く、朝食では関連が見られませんでした。日本の高齢の人の追跡でも、ひとりで食べる人で、その後うつの症状が出る割合が高い傾向がありました。

1.92倍夕食をひとりで食べる人の、気分の落ち込みの症状のオッズ(韓国の大人23,066人、2026年の論文)
0.88倍朝食をひとりで食べる人の同じ値。はっきりした関連は見られなかった(同じ調査)
1.58倍ひとりで食べる高齢の人の、落ち込みのオッズ(8研究のまとめ、2026年)
30%この半年、いちばんの友人と食事をしていないと答えた英国の大人(2,000人、2016年の調査)

BaekとYoon(2026年) [1]

韓国全国の大人23,066人(平均51.7歳)に、ふだん朝食・昼食・夕食をひとりで食べるかを聞き、気分の落ち込みの症状との関連を調べました。性別・年齢・学歴・収入・仕事の有無などをそろえて比べると、夕食をひとりで食べる人では、落ち込みの症状がある「オッズ」(なりやすさの目安)が1.92倍、昼食では1.36倍でした。朝食では0.88倍で、はっきりした関連は見られませんでした。一人暮らしの人の落ち込みの多さは、その一部がひとりの食事を通じて説明されていました。

対象: 韓国全国の大人23,066人 / 限界: 1回だけの調査で、ひとりで食べることと落ち込みのどちらが先かはわかりません。著者も長期の追跡が必要としています。

Taniら(2015年) [2]

日本の65歳以上で、最初の時点でうつの症状がなかった男性17,612人・女性19,581人を、2010年から2013年まで追いました。収入・健康状態・人との交流などをそろえて比べると、一人暮らしの男性では、ひとりで食べる人のうつの症状が出る割合は、誰かと食べる人の2.36倍でした。家族と住む男性では差がありませんでした(1.03倍)。女性では、一人暮らしで1.31倍、家族と住んでいてもひとりで食べる人で1.21倍でした。

対象: 日本の65歳以上の37,193人(JAGES) / 限界: 観察の研究で、原因とは言い切れません。働く世代や若い人に同じように当てはまるかはわかりません。

Zhangら(2026年) [3]

地域で暮らす高齢の人の、ひとりの食事と誰かとの食事を比べた21の研究(うち11は日本の研究)をまとめたメタ分析です。落ち込みについての8研究をまとめると、ひとりで食べる人の落ち込みのオッズは1.58倍でした。

対象: 日本・韓国・米国などの高齢の人の研究 / 限界: 研究ごとの結果のばらつきが大きく、多くは観察の研究です。

Dunbar(2017年) [4]

英国の大人2,000人の調査です。誰かと食事をすることが多い人ほど、幸福感や人生への満足が高く、人を信頼し、困ったときに頼れる友人が多い傾向がありました。この半年、いちばんの友人と食事をしていない人は30%でした。また、相手と「親しくなった」と感じた夕食には、人数が多い、笑いや思い出話があった、といった特徴がありました。

対象: 英国の18歳以上2,000人(2016年) / 限界: 1回だけの調査です。著者は分析から「一緒に食べることがつながりを強める」向きを推測していますが、実験で確かめたものではありません。

Hasuoら(2023年) [5]

日本の健康な大人56人(平均36.6歳)を、くじで2つのグループに分けました。画面ごしに2人で話しながら10分ほどおやつを食べたグループは、ひとりで食べたグループより、食べたあとの「活気がある」気分が高くなっていました。緊張がほぐれる変化は、どちらのグループでも見られ、差はありませんでした。

対象: 同じ職場で働く健康な大人56人 / 限界: 小さな予備的な試験で、1回の食事の直後だけを調べています。孤独感や気分の落ち込みへの長い効果はわかりません。

03 まだわかっていないこと誰かと食べれば、落ち込みは防げる?

まだわかっていません。誰かと食べる回数を増やして、気分の落ち込みが減るかを確かめた実験は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。落ち込んでいるから人と食べなくなる、という逆の向きもありえます。

  • ひとりで食べることと落ち込みのどちらが先かは、1回だけの調査では区別できません。日本の追跡研究は高齢の人が対象です。
  • 働く世代や学生を対象に、在宅勤務やデリバリーでひとりの食事が増えた影響を調べた研究は、ほとんど見つかりませんでした。
  • 週に何回誰かと食べればよいか、という目安を示した研究はありません。
  • 画面ごしの食事が、対面の食事の代わりになるかは確かめられていません。

04 今日からできるセルフケアひとりの食事が続くとき、何から始める?

週に1回、夕食を誰かと食べる日を決める、離れた人とは画面ごしに食べる、一緒の食事では画面を置いて話す、の3つです。毎食を変えなくてかまいません。どれもお金をかけずに始められます。

1

週に1回、「誰かと夕食を食べる日」を決める

家族、友人、同僚など、相手は誰でもかまいません。韓国の調査で関連がはっきりしていたのは夕食で、朝食では関連が見られませんでした。毎食を変えようとせず、まず夕食を1回だけ決めて、手帳やカレンダーに書きます。

目安 週1回・決めるのは2分

2

会えない人とは、画面ごしに一緒に食べる

遠くに住む家族や友人と、ビデオ通話をつないで同じ時間に食べます。長くなくてかまいません。日本の小さな試験では、画面ごしに2人で10分ほど食べたグループで、食べたあとの「活気がある」気分が高くなっていました。

目安 1回10分〜

3

一緒に食べるときは、画面を置いて話す

誰かと食べるときは、スマホを伏せて、最近あったことや昔の思い出を話します。英国の調査では、相手と親しくなったと感じた夕食には、笑いや思い出話がありました。同じ食卓でも、それぞれが画面を見ていると、話す時間が減ってしまいます。

目安 食事のあいだ

昼休みもパソコンの前で食べてしまう人は 昼休みの過ごし方の研究、人と話さない日が増えた人は 「ゆるいつながり」の研究 も参考になります。誘いたいけれど気まずい相手がいる人は 昔の友達に連絡するときの研究 をどうぞ。

05よくある質問

ひとりで食べるのは、心に悪いの?

ひとりの食事が多い人ほど気分の落ち込みと関連がある、という調査は複数あります。ただし多くは観察の研究で、ひとりで食べることが原因かどうかはわかっていません。韓国の調査では、朝食をひとりで食べることには関連が見られませんでした。

一人暮らしだと、どうしても孤食になる。どうすればいい?

毎食でなくてかまいません。研究で関連がはっきりしていたのは夕食でした。週に1回、夕食を誰かと食べる日を決めるところから始められます。離れた人とは、画面ごしに一緒に食べる方法もあります。

ビデオ通話で一緒に食べても意味はある?

日本の56人の小さな試験では、画面ごしに2人で10分ほどおやつを食べたグループは、ひとりで食べたグループより、食べたあとの「活気がある」気分が高くなっていました。孤独感や長い期間の効果は調べられていません。

家族と住んでいても、ひとりで食べることが多い。関係ある?

日本の65歳以上の人の3年間の追跡では、家族と住んでいてもひとりで食べる女性は、誰かと食べる女性より、うつの症状が出る割合が1.21倍でした。男性では、一人暮らしでひとりで食べる人で2.36倍でした。高齢の人の研究なので、若い世代に同じように当てはまるかはわかりません。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Baek, S.-U., & Yoon, J.-H. (2026). Associations Among Living Alone, Eating Alone, and Depressive Symptoms: Evidence from a Nationwide Study of South Korean Adults. Nutrients, 18(14), 2379. https://doi.org/10.3390/nu18142379
  2. Tani, Y., Sasaki, Y., Haseda, M., Kondo, K., & Kondo, N. (2015). Eating alone and depression in older men and women by cohabitation status: The JAGES longitudinal survey. Age and Ageing, 44(6), 1019-1026. https://doi.org/10.1093/ageing/afv145
  3. Zhang, Y., Zhang, Y., Cai, J., Yu, W., Feng, P., & Wang, H. (2026). The association of communal vs. solitary dining on nutritional intake and depression risk in older adults: a systematic review and meta-analysis. Frontiers in Nutrition, 13, 1878848. https://doi.org/10.3389/fnut.2026.1878848
  4. Dunbar, R. I. M. (2017). Breaking Bread: the Functions of Social Eating. Adaptive Human Behavior and Physiology, 3(3), 198-211. https://doi.org/10.1007/s40750-017-0061-4
  5. Hasuo, H., et al. (2023). Effects of eating together online on autonomic nervous system functions: a randomized, open-label, controlled preliminary study among healthy volunteers. BioPsychoSocial Medicine, 17, 10. https://doi.org/10.1186/s13030-023-00263-8