友達が少ない、あまり会わない自分はおかしい?イタリアの18〜64歳2万5千人の調査では、会う回数より、友達づきあいに満足しているかのほうが暮らしの満足と大きく結びついていた

周りは友達と出かけているのに、自分は誘う相手も少なく、会うのは年に数回。在宅の仕事やAIで用が足りる日が増えると、「このままでいいのか」と不安になることがあります。研究で見ると、暮らしの満足と大きく結びついていたのは、会う回数や人数よりも「今の友達づきあいに満足しているか」でした。
3行でわかる
- イタリアの18〜64歳25,190人の調査(2012年)では、生活の満足度が10点中7点以上だった人は、友達づきあいに「とても満足」の人で78.0%、「満足していない」人で43.3%だった。
- 会う回数で分けると、週2回以上会う人(66.3%)と週1回〜月に数回の人(65.0%)はほぼ同じで、差が出たのは年に数回以下・友達がいない人(53.5%)だった。
- 英国の18歳約2,000人の研究では、頼れる人が少ない度合いで上位25%の人のうち、寂しさも上位25%だったのは51%だった。人数の少なさと寂しさは、同じものではなかった。
01 結論から言うと友達が少ないと、幸せになれない?
友達が少ないこと自体で幸せが決まるわけではなさそうです。イタリアの大規模な調査では、会う回数より、友達づきあいに満足しているかのほうが、暮らしの満足と大きく結びついていました。
友達の多さは、数えやすいので気になりがちです。ただ、研究では「何人いるか」「何回会うか」と、「その関係に満足しているか」を分けて調べることがあります。
その結果を見ると、週に何度も会う人と、週1回〜月に数回会う人の間で、暮らしの満足はほとんど変わりませんでした。差が大きかったのは、友達づきあいへの満足度でした。ただし、どれも一度きりの調査で、友達づきあいが満足を生んだのか、満足している人が友達を高く評価しているのかは区別できていません。
02 研究とデータでわかっていること会う回数と満足度、どちらが関係していた?
イタリアの25,190人の調査では、生活満足が7点以上の人の割合は、友達づきあいへの満足度で約35ポイント、会う回数で約13ポイント違いました。英国の研究では、頼れる人が少ない人の約半数は、寂しさは強くありませんでした。
Amatiら / スイス・チューリッヒ工科大学、イタリア・パドヴァ大学ほか(2018年)[1]
イタリア国立統計研究所が2012年に行った暮らしの調査から、18〜64歳の25,190人を分析しました。暮らしの満足度(0〜10点)を、友達と会う回数と、この1年の友達づきあいへの満足度で比べています。
生活満足が7点以上だった人の割合は、友達づきあいに「とても満足」の人で78.0%、「まあ満足」で62.3%、「満足していない」で43.3%でした。会う回数で分けると、週2回以上会う人で66.3%、週1回〜月に数回で65.0%、年に数回以下か友達がいない人で53.5%でした。
年齢や健康、仕事、家族などの条件をそろえて分析しても、友達づきあいへの満足度と、年に数回以下しか会わない(または友達がいない)ことは、暮らしの満足と関連していました。一方、週1回〜月に数回の人は、週2回以上の人とはっきりした差がありませんでした。
対象: イタリアの18〜64歳25,190人(2012年の国の調査) / 限界: 一度きりの調査で、因果関係はわかりません。友達の人数そのものは聞いておらず、「年に数回以下」と「友達がいない」は同じ区分にまとめられています。
Matthewsら / 英国・キングス・カレッジ・ロンドンほか(2016年)[2]
イングランドとウェールズで1994〜95年に生まれた双子を追う研究で、18歳になった約2,000人に、頼れる家族や友達がいるか(孤立の度合い)と、寂しさを別々に聞きました。
2つの関連は中くらい(相関0.39)でした。孤立の度合いが上位25%の人のうち、寂しさも上位25%だったのは51%でした。逆に、寂しさが上位25%の人のうち、孤立も上位25%だったのは47%でした。2つを同時に分析すると、うつの症状とよりはっきり結びついていたのは寂しさのほうでした。
対象: 英国(イングランドとウェールズ)の18歳の双子 約2,000人 / 限界: 一時点の調査です。孤立は「頼れる人がいると感じるか」の質問で測っており、友達の人数を数えたものではありません。
Dunbar / 英国・オックスフォード大学(2017年)[3]
英国の18歳以上2,000人に、困ったときに頼れる親しい友達や家族が何人いるかを聞いたところ、全体の平均は5人ほどでした。夕食を誰かと食べる回数が多い人ほど、頼れる人の数も多い傾向がありました。
対象: 英国の18歳以上2,000人(2016年4月の調査会社のパネル) / 限界: 一度きりの調査で、家族も含めた人数です。
頼れる人が数人というのは、珍しいことではありません。SNS上のつながりと頼れる人の数のずれは「SNSの友達は多いのに頼れる人がいない」でも整理しています。
03 まだわかっていないこと友達を増やせば、満足は上がる?
まだわかっていません。ここで紹介した研究はどれも一度きりの調査で、友達づきあいを変えたら満足が上がるかを確かめた実験ではありません。
- 友達づきあいに満足しているから暮らしに満足するのか、暮らしに満足している人が友達づきあいも高く評価するのか、向きはわかっていません。
- イタリアの調査は友達の「人数」を聞いておらず、何人いれば十分かは答えられません。
- 日本の大人で同じ結果になるか、オンラインだけの友達をどう数えるかは、これらの研究ではわかりません。
- ひとりの時間を好む人と、本当は人と関わりたい人では、同じ「少なさ」でも意味が違う可能性があります。
04 今日からできるセルフケア友達の少なさが気になるとき、何から始める?
人数や回数を数えるより、「今の関係に満足しているか」「寂しいか」を分けて確かめるのが出発点になります。どれも5分以内でできます。
人数ではなく「満足している関係」を書き出す
連絡を取ると気持ちが軽くなる人を1〜2人書き出します。研究で暮らしの満足と大きく結びついていたのは、人数より友達づきあいへの満足度でした。
目安 一度・5分
「寂しいか」と「人と会ったか」を別々にメモする
1週間、寝る前に「今日は寂しかったか」と「誰かと話したか」を分けて記録します。人と会わない日でも寂しくない日があれば、少なさそのものは困りごとではないのかもしれません。
目安 1日1分・1週間
会いたい人がいるなら、月に1回の予定を1つだけ入れる
イタリアの調査では、週1回〜月に数回会う人と週2回以上会う人の満足はほぼ同じでした。毎週でなくてよいので、会いたい1人に短い連絡を送ります。
目安 月1回・メッセージ1通
ひとりの時間が好きな人は「ひとりの時間は好きだけど、孤独にならないか心配」、新しく友達をつくりたい人は「大人になってから友達ができない」も参考になります。
05よくある質問
友達が少ないのは、おかしいこと?
おかしいことではありません。英国の大人2,000人の調査では、困ったときに頼れる友達や家族は平均で5人ほどでした。イタリアの調査でも、暮らしの満足と大きく結びついていたのは人数や回数より、友達づきあいへの満足度でした。
友達とは、どのくらいの頻度で会えばいい?
決まった目安はありません。イタリアの25,190人の調査では、週1回〜月に数回会う人と週2回以上会う人で、生活満足が7点以上の割合はほぼ同じ(65.0%と66.3%)でした。差が出たのは、年に数回以下か友達がいない人でした。
友達が少なくても寂しくないのは、強がり?
強がりとは限りません。英国の18歳の研究では、頼れる人が少ない度合いが上位25%の人のうち、寂しさも上位25%だったのは51%でした。人数の少なさと寂しさは、重なる部分はあっても別のものとして測られています。
寂しさが強いときはどうすればいい?
寂しさが続くときは、人と一緒にいても気分が上がりにくいことがあります。「寂しいのに、人といると余計につらい」で、その仕組みを紹介しています。
つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。
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出典
- Amati V, Meggiolaro S, Rivellini G, Zaccarin S (2018). Social relations and life satisfaction: the role of friends. Genus, 74(1), 7. https://doi.org/10.1186/s41118-018-0032-z
- Matthews T, Danese A, Wertz J, et al. (2016). Social isolation, loneliness and depression in young adulthood: a behavioural genetic analysis. Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology, 51(3), 339–348. https://doi.org/10.1007/s00127-016-1178-7
- Dunbar RIM (2017). Breaking Bread: the Functions of Social Eating. Adaptive Human Behavior and Physiology, 3(3), 198–211. https://doi.org/10.1007/s40750-017-0061-4


