比べて落ち込む

運動アプリのランキングで友達と比べて、しんどくなりそう。中国の大学生1,019人の調査では、ランキングをよく見る人ほど運動が多く、ストレスはわずかに低かった

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わかっている度 ★☆☆ 低研究3本・公的指針0件を整理
朝日が差し込む公園の木々と芝生
Photo: Dietmar Rabich / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

歩数や走った距離が、友達と並んでランキングに出る。励みになる日もあれば、「みんなこんなに動いているのに」と気が重くなる日もあります。SNSで人と比べて疲れた経験があると、運動まで比べる場になるのが心配になるものです。結論から言うと、中国の大学生1,019人の調査では、ランキングをよく見る人ほど運動が多く、ストレスはわずかに低い傾向でした。ただし、研究はまだ1本の調査が中心です。

3行でわかる

  1. 中国の大学生1,019人の調査では、運動アプリのランキングをよく見る人ほど、人と比べることも運動も多かった。
  2. ランキングとストレスに直接の結びつきはなく、運動が多いことを通して、全体ではストレスがわずかに低い傾向だった。
  3. 1回きりの調査で、順位が低いままの人の気持ちは調べられていない。比べたあとに沈む日が続くなら、見方や見る回数を変える工夫ができる。

01 結論から言うと運動アプリのランキングで比べると、心の負担になる?

今わかっている範囲では、ランキングを見ること自体がストレスを増やすという結果は出ていません。中国の大学生の調査では、むしろ運動が多い人ほどストレスが低く、全体ではわずかにストレスが低い傾向でした。

SNSで自分より上の人と比べることは、多くの研究で不安や落ち込みと結びついています。そのため、ランキングも同じように心の負担になると考える人は多いはずです。

ところが、運動の場面の調査では少し違う姿が見えました。比べることが、運動のきっかけとして働いていた可能性があります。ただ、比べ方が「励み」になるか「重荷」になるかは、人や状況で変わると考えられています。

02 研究とデータでわかっていることランキングをよく見る人は、ストレスが多い?

中国の大学生1,019人では、ランキングをよく見る人ほど運動が多く、運動が多い人ほどストレスが低い傾向でした。ランキングとストレスの直接の結びつきは見られませんでした。

1,019人運動アプリのランキングを使ったことがある中国の大学生(2026年1月の調査、約9割が17〜20歳)
0.004ランキングを見る頻度とストレスの直接の結びつき(ほぼゼロで、はっきりした関係なし)
約1,600歩ゲームのような仕組みの運動プログラムで、1日の歩数が増えた平均(試験のまとめ、2022年)
0.33SNSで上の人と比べることと心の負担の相関の平均(54の調査集団、3万6,583人、2026年)

Wangら(2026)[1]

運動アプリのランキングを見る頻度、ランキングで人と比べる頻度、中くらいの強さの運動の量、この1か月のストレスを、大学生にたずねました。ランキングをよく見る人ほど人と比べることが多く、運動も多くしていました。運動が多い人ほどストレスは低めでした。ランキングとストレスの直接の結びつきはほぼゼロで、全体としてはストレスがわずかに低い傾向でした。人と比べることからストレスへの直接の結びつきも、はっきりしませんでした。

対象: ランキング機能を使ったことがある中国の大学生1,019人(男性55.5%、89.1%が17〜20歳) / 限界: 1回きりの自己申告の調査で、因果関係はわからない。比べる「回数」は測ったが、自分より上と比べたのか、悔しく感じたのかは測っていない。激しい運動では、比べることと運動量の結びつきははっきりしなかった。

この論文が紹介している先行研究では、歩数計のランキングに参加すると1日の歩数が平均で約370歩増えた一方、もともと1日1万3,000歩以上歩いていた人では、約630歩減っていました。ランキングの効き方は、人によってかなり違うということです。

Mazeasら(2022)[2]

ポイント・レベル・ランキング・チームなど、ゲームのような仕組みを運動に取り入れたやり方を調べた、くじで分けた試験をまとめました。16件・2,407人の分析で、運動量は小〜中程度増えていました。終了から平均14週たった時点でも、小さな効果が残っていました。一部の試験を除いた分析では、1日の歩数が平均で約1,600歩多くなっていました。

対象: 2010〜2020年に英語で発表された試験(大人と10代、持病のある人を含む) / 限界: ランキングを使った試験は一部(レビューに含めた18件中7件)で、ランキングだけの効果は取り出せていない。心の状態への影響は調べていない。

Leiら(2026)[3]

ネットで自分より上の人と比べることと、心の負担の関係を調べた54の調査集団(3万6,583人)をまとめました。相関の平均は0.33でした。ねたみ・体への不満・人からの評価への不安・孤独感といった気持ちとの結びつきが最も強く(0.438)、次いで不安、落ち込みの順でした。

対象: 10代と大人の調査を含み、年齢や文化による違いは見られなかった / 限界: 多くが1時点の調査で、比べることが原因かどうかはわからない。運動アプリのランキングに限った分析ではない。

03 まだわかっていないことランキングで落ち込む人はいないの?

いないとは言えません。順位が低いままの人や、差が大きい人の気持ちは、まだきちんと調べられていません。大学生以外の人でも同じかどうかもわかっていません。

  • 運動アプリのランキングと心の状態を調べた研究はまだ少なく、ここで紹介した調査も1回きりの調査です。運動が多い人がランキングをよく見るだけ、という可能性もあります。
  • 論文の著者は、低い順位や大きな差を見続けると、励みより負担になるかもしれないと述べています。ただ、これは測った結果ではなく推測です。
  • 社会人や高齢の人、運動が苦手な人で同じ結果になるかはわかりません。

04 今日からできるセルフケアランキングで落ち込まないための使い方は?

ランキングを「動くきっかけ」として使い、比べたあとに沈む日が続くなら、比べる相手や見る回数を変えます。どれもお金をかけずに、アプリの設定と見方だけでできます。

1

ランキングを見たら、まず少し動く

順位を見たら、考え込む前に5分だけ歩くなど、体を動かすほうに使います。調査では、ストレスの低さと結びついていたのは、比べることそのものより運動の多さでした。

目安 ランキングを見たあとに5分

2

比べたあとの気分を、1週間だけメモする

ランキングを見たあと「やる気が出た」「沈んだ」を一言ずつ書きます。沈む日が多いなら、自分には重荷になっているサインと考え、表示を減らします。比べ方による違いは上を見て頑張るのは逆効果かを調べた記事で紹介しています。

目安 1日10秒、1週間

3

比べる相手を「先週の自分」にする

友達との順位ではなく、先週の自分の歩数や回数と比べる画面を主に見ます。前の自分と比べる習慣は前の自分と比べる記事で詳しく紹介しています。

目安 週1回、記録を見返す

4

ランキングを見る日を決めておく

毎日何度も見るのではなく、「日曜の夜だけ」のように見る日を決めます。調査では、ランキングを見る回数が多い人ほど人と比べる回数も多くなっていました。

目安 週1回

05よくある質問

運動アプリのランキングを見ると、ストレスが増える?

中国の大学生1,019人の調査では、ランキングを見ることとストレスの間に直接の結びつきは見られませんでした。ランキングをよく見る人ほど運動が多く、運動が多い人ほどストレスが低いという形で、全体ではわずかにストレスが低い傾向でした。1回きりの調査なので、因果関係まではわかりません。

ランキングで人と比べるのは、やめたほうがいい?

一律にやめる必要があるとは言えません。運動の場面では、比べる回数が多い人ほど運動も多い傾向がありました。ただ、SNSで自分より上の人と比べることは、54の調査集団のまとめで不安や落ち込みと結びついていました。比べたあとに気分が沈む日が続くなら、表示を減らすのも一つの方法です。SNSでの比べ方のしくみは上の人を見ると落ち込む理由の記事にまとめています。

ランキングの順位がいつも下のほうで、落ち込む。

順位が低いままの人の気持ちは、今回の調査でははっきり調べられていません。論文の著者も、低い順位や大きな差を見続けると、励みより負担になるかもしれないと述べています。比べる相手を前の自分に変える、ランキングを週1回だけ見る、などの工夫ができます。

ゲームのような仕組みの運動アプリは、本当に運動を増やす?

16件の試験、2,407人のまとめでは、ポイントやランキングなどを取り入れたやり方で、運動量が小〜中程度増えていました。終了後も平均14週の時点で小さな効果が残っていました。ただ、ランキングだけの効果を取り出した分析ではありません。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Wang S, Zhang M, Wutichat S, Tanphanich T, Li H, Zhang X (2026). Associations between leaderboard usage in physical activity apps and perceived stress among university students: the roles of social comparison and physical activity. Frontiers in Public Health, 14, 1794299. https://doi.org/10.3389/fpubh.2026.1794299
  2. Mazeas A, Duclos M, Pereira B, Chalabaev A (2022). Evaluating the Effectiveness of Gamification on Physical Activity: Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials. Journal of Medical Internet Research, 24(1), e26779. https://doi.org/10.2196/26779
  3. Lei Y, Hu S, Sun Y, Zheng L (2026). "Looking up" linked to feeling down: a meta-analysis of online upward social comparison and psychological maladjustment. Frontiers in Psychology. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2026.1825169