考える力・集中

飲み会の翌日、仕事で頭が回らなくなるのを防ぎたい。19本の研究のまとめでは、お酒がほぼ抜けた翌日でも、記憶や注意を保つ力が落ちていた

約8分で読めます

わかっている度 ★★☆ 中研究6本・公的指針0件を整理
テーブルに残された空のグラス
Photo: oatsy40 / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

飲み会の翌朝、頭痛は治まったのに、メールの文面が頭に入らない。会議で聞いたことがすぐ抜けていく。そんな経験は少なくありません。19本の研究をまとめた論文では、お酒が体からほぼ抜けた翌日でも、記憶や注意を保つ力が落ちていました。翌日の集中を守るいちばん確かな手は、水や飲む順番の工夫より、飲む量を前もって決めておくことです。

3行でわかる

  1. 19本の研究(計1,163人)のまとめでは、血中のアルコールがほぼ0になった翌日でも、短い記憶・長い記憶・注意を保つ力・手の反応の速さが落ちていました。
  2. オランダの働く人347人の調査では、二日酔いのまま働いた日の仕事ぶりは、ふだんより平均24.9%低いと答えていました。
  3. ビールとワインの順番を変えても二日酔いの重さは変わらず、飲みながら水をはさんでも翌日の症状に差はありませんでした。

01 結論から言うとお酒が抜けた翌日でも、頭は回りにくい?

回りにくいことが多いと言えます。19本の研究のまとめでは、血中のアルコール濃度が0.02%未満まで下がった翌日でも、記憶と注意を保つ力が落ちていました。酔いが覚めたことと、頭が元に戻ったことは別です。

ここでいう二日酔いは、お酒を飲んだあと、血中のアルコールが0に近づいたころから出る心と体のつらさのことです。頭痛や吐き気だけでなく、だるさや眠気もふくまれます。

研究では、アルコールが体に残っている状態の影響と区別するため、翌日の検査の時点で濃度が低い人だけを集めて調べています。それでも、集中して作業を続ける力などに差が出ていました。

02 研究とデータでわかっていること二日酔いで落ちるのは、どんな力?

複数の研究で落ちていたのは、記憶、同じ作業に注意を向け続ける力、手の反応の速さでした。一方、2つのことを同時にこなす力には、はっきりした差が見られませんでした。

19本・1,163人翌日の頭の働きを調べた研究のまとめ(1970年以降の実験、2018年)
24.9%二日酔いで働いた日に、ふだんより下がったと答えた仕事ぶり(オランダの働く人347人、2019年について)
33.4%2019年に1日以上、二日酔いのまま働いたと答えた人の割合(同じ調査)
11%二日酔いの重さで説明できた、翌朝の頭の切り替えテストの時間のばらつき(オーストラリアの99人)

Gunn ら / バース大学(2018)[1]

お酒を多く飲んだ翌日の頭の働きを調べた19本の実験をまとめ、そのうち11本の数字を合わせて計算しました。翌日は、短い記憶、長い記憶、注意を保つ力、手の反応の速さが落ちていました。

差の大きさを表す値は、記憶と反応の速さが0.59〜0.66で「中くらい」、注意を保つ力が0.47で「小さめ」でした。運転を試した研究では、車をまっすぐ保つ操作も乱れていました。作業を覚えておきながら進める力は結果が分かれ、2つの作業を同時にこなす力には、はっきりした差がありませんでした。

対象: 翌日の検査時に血中アルコール濃度が0.02%未満だった人をふくむ19本の研究、計1,163人 / 限界: 研究ごとにやり方の違いが大きく、人数の少ない研究も多いと著者たちが書いています。

Severeijns ら / ユトレヒト大学(2024)[2]

2019年に仕事があり、お酒を飲んでいたオランダの大人347人に、二日酔いで休んだ日と、二日酔いのまま働いた日をたずねました。休んだ人は8.1%、二日酔いのまま働いた日があった人は33.4%でした。

二日酔いのまま働いた日の仕事ぶりは、ふだんの日より平均24.9%下がったと答えていました。休むより、出勤してはかどらない日のほうがずっと多かったことになります。

対象: SNS広告で集めたオランダの働く大人347人(平均35.5歳、女性63.4%) / 限界: 1年前をふり返って答えた自己評価で、記憶違いがありえます。回答者は国全体を代表していません。

Ayre ら / スウィンバーン工科大学(2021)[3]

オーストラリアの繁華街で飲んだ帰りの99人に、翌朝、家で二日酔いの症状と睡眠をたずね、頭の切り替えを見るテストを受けてもらいました。二日酔いが重い人ほどテストに時間がかかり、その重さでテスト時間のばらつきの11%が説明できました。

夜中に目が覚めていた時間が長い人ほど、二日酔いも重い傾向がありました。参加者はこの夜、平均で13.85杯を約7.6時間かけて飲んでいました。

対象: オーストラリアの18〜49歳の99人(平均24.2歳) / 限界: 飲んだ翌日の1回だけを調べた研究で、飲まなかった日と比べてはいません。

Köchling ら / ヴィッテン・ヘァデケ大学(2019)[4]

19〜40歳の90人を、ビールのあとワイン、ワインのあとビール、どちらか一方だけを飲む組に分けました。順番に飲む組は、息のアルコール濃度が0.11%に届くまで飲みました。翌日の二日酔いの重さは、お酒の種類でも順番でも変わりませんでした。

二日酔いの重さをいちばんよく予想したのは、飲んでいる最中の「酔った」という自分の感覚と、吐いたかどうかでした。

対象: ドイツの19〜40歳の90人(平均23.9歳、女性50%) / 限界: 若い人が多く、量はかなり酔うまでの条件でした。少量の場合は調べていません。

Imai ら / 大分大学(2026)[5]

日本の健康な男性13人に、体重1kgあたり純アルコール1.3gの日本酒を1時間かけて飲んでもらいました。同じ量の日本酒に、体重1kgあたり15mLの水をはさんで飲んだ日と比べても、翌日の頭の作業テストや、集中しにくさなどの症状に差はありませんでした。

体重60kgの人なら、純アルコール約78gに、水約900mLをはさんだことになります。息のアルコールの減り方も変わりませんでした。

対象: アルコールを分解する酵素の働きがふつうの日本人男性13人(20〜50歳の条件) / 限界: 人数が少なく、小さな差は見落とした可能性があります。共同研究者に酒造会社の研究所の人がふくまれます。

03 まだわかっていないこと少しだけ飲んだ翌日も、集中は落ちる?

まだはっきりしていません。研究の多くは、かなり酔うまで飲んだ翌日を調べたもので、1〜2杯の翌日の頭の働きを確かめた研究は少ないためです。

  • どのくらいの量から翌日の集中が落ちはじめるのか、その境目はわかっていません。19本のまとめでは、飲む量が多い研究ほど翌日の差が出やすい傾向が見られただけです。
  • 計画を立てる、判断するといった、仕事に近い高度な頭の働きへの影響は、研究が足りないと著者たちが書いています。
  • 睡眠が短くなることと、お酒そのものの影響を、どこまで分けられるかは研究によって結果が分かれています。
  • 水を飲むことについては、別の研究のまとめでも、飲んでいる間や直後に水を飲んでも、翌日の二日酔いを防ぐ効果は控えめだったと報告されています[6]。

04 今日からできるセルフケア翌日の仕事に響かせないためには?

飲む前に量と帰る時間を決め、「酔ってきた」と感じたら止めることです。水や順番の工夫だけでは翌日の集中を守れないという結果が出ており、量を減らすことがいちばん確かな方法です。

1

飲む前に「何杯まで」と「何時に帰るか」を決める

翌日の予定を思い出し、大事な会議や締め切りがある日は量を少なめに決めます。スマホのメモに書いておくと、その場の勢いで増やしにくくなります。

目安 飲み会の前に1分

2

「酔ってきた」と感じたら、そこで止める

90人の実験では、飲んでいる最中の酔った感覚が、翌日の二日酔いの重さをいちばんよく予想していました。その感覚が出たら、次の1杯は水やお茶に切り替えます。

目安 飲み会の途中に1回、自分に確かめる

3

翌朝は、記憶と注意を使う作業を後ろにずらす

翌日は記憶や注意を保つ力が落ちやすいため、数字の確認や大事な文章は午後に回し、朝は単純な作業から始めます。運転の予定はできるだけ入れないようにします。

目安 前の晩か朝に5分、予定を並べ替える

4

寝る時間を先に確保して帰る

99人の研究では、夜中に目が覚めていた時間が長い人ほど二日酔いが重い傾向がありました。帰る時間を決めるときは、起きる時刻から逆算して眠る時間を残します。

目安 起きる時刻から逆算して、いつもの睡眠時間を残す

寝不足そのものと考える力の関係は寝不足だと頭が回らないのはなぜ?、水分不足と集中は画面作業で頭がぼーっとして、集中が続かない、仕事のためのコーヒーと睡眠は仕事のためのコーヒーが増えて、そわそわして眠れないで整理しています。

05よくある質問

二日酔いの日に、頭が回らないのは気のせいですか?

気のせいとは言い切れません。19本の研究のまとめでは、血中のアルコールがほぼ0の翌日でも、記憶や注意を保つ力のテストの成績が落ちていました。オランダの働く人の調査でも、二日酔いで働いた日の仕事ぶりはふだんより平均24.9%低いと答えていました。

お酒の合間に水を飲めば、翌日の集中を守れますか?

水だけで守れるとは言えません。日本の男性13人の実験では、日本酒の合間に水をはさんでも、翌日の頭の作業テストや集中しにくさの症状に差はありませんでした。研究のまとめでも、飲んでいる間の水の効果は控えめでした。水を飲むことで、結果的に飲む量が減る場合はありえます。

ビールを先に飲めば、二日酔いになりにくいですか?

順番では変わらないという結果です。ドイツの90人の実験では、ビールのあとワイン、ワインのあとビール、どちらか一方だけのどれでも、翌日の二日酔いの重さに差はありませんでした。重さと結びついていたのは、飲んでいる最中の酔った感覚と、吐いたかどうかでした。

二日酔いの朝は、どんな仕事から始めるといいですか?

落ちやすい力を使わない作業からがおすすめです。研究で落ちていたのは記憶と注意を保つ力、反応の速さでした。数字の確認や大事な文章、運転は後ろに回し、整理や返信など単純な作業から始めると、ミスを減らしやすくなります。

お酒の量を自分で減らしにくいと感じるときや、つらい状態が2週間以上続くとき、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

無料ツール
セルフチェックで「今日やること」をまとめる
当てはまる悩みを選ぶだけ。診断はせず、記事の対策を一覧にします。
研究早見表でほかの悩み311件も見る

出典

  1. Gunn, C., Mackus, M., Griffin, C., Munafò, M. R., & Adams, S. (2018). A systematic review of the next-day effects of heavy alcohol consumption on cognitive performance. Addiction, 113(12), 2182–2193. https://doi.org/10.1111/add.14404
  2. Severeijns, N. R., Sips, A. S. M., Merlo, A., Bruce, G., Verster, J. C., et al. (2024). Absenteeism, Presenteeism, and the Economic Costs of Alcohol Hangover in The Netherlands. Healthcare, 12(3), 335. https://doi.org/10.3390/healthcare12030335
  3. Ayre, E., Scholey, A., White, D., Devilly, G. J., Kaufman, J., Verster, J. C., Allen, C., & Benson, S. (2021). The Relationship between Alcohol Hangover Severity, Sleep and Cognitive Performance; a Naturalistic Study. Journal of Clinical Medicine, 10(23), 5691. https://doi.org/10.3390/jcm10235691
  4. Köchling, J., Geis, B., Wirth, S., & Hensel, K. O. (2019). Grape or grain but never the twain? A randomized controlled multiarm matched-triplet crossover trial of beer and wine. The American Journal of Clinical Nutrition, 109(2), 345–352. https://doi.org/10.1093/ajcn/nqy309
  5. Imai, H., Kushio, S., Matsuura, K., Nakamura, A., Mori, K., Kadowaki, M., Oikawa, I., & Uemura, N. (2026). Water intake during drinking does not alleviate hangover symptoms. Frontiers in Pharmacology, 17, 1852528. https://doi.org/10.3389/fphar.2026.1852528
  6. Mackus, M., Stock, A. K., Garssen, J., Scholey, A., & Verster, J. C. (2024). Alcohol hangover versus dehydration revisited: The effect of drinking water to prevent or alleviate the alcohol hangover. Alcohol, 121, 9–18. https://doi.org/10.1016/j.alcohol.2024.07.006