AI疲れ・情報疲れ

情報とAIに追われて、不安でざわざわして落ち着かない。その場で体を動かすと楽になる?9件の試験のまとめでは、1回の運動で不安が下がったのは13の条件のうち7つだった

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的指針0件を整理
午後の陸上トラック
Photo: JIP / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

通知、チャット、次々に届くAIのニュース。何かに追われているようで、胸のあたりがざわざわして落ち着かない日があります。そんなとき、その場でできる手当ての一つとして研究されてきたのが、1回だけ体を動かすことです。研究では、効いた例と効かなかった例の両方がありました。

3行でわかる

  1. 健康な大人を対象にした9件の試験のまとめでは、1回の運動のあとで不安が下がったのは13の条件のうち7つ。効かなかった条件も6つあった。
  2. 29件の研究のまとめでは、運動したあとは、計算や人前で話すといったストレスのかかる課題での血圧の上がり方が小さかった。ただし差は小さい。
  3. 運動の種類・長さ・強さのどれが一番よいかは、まだわかっていない。自然の映像やゆっくりした呼吸でも不安が下がった試験がある。

01 結論から言うと不安でざわざわするとき、体を動かすと楽になる?

楽になることが多いものの、いつもではありません。健康な大人の9件の試験のまとめでは、1回の運動で不安が下がったのは13の条件のうち7つでした。効果は小さめで、どんな運動が一番よいかも決まっていません。

ここで言う不安は、病気としての不安ではありません。「いま、この瞬間に感じている緊張やそわそわ」のことで、研究では「状態不安」と呼ばれます。

運動のあとに不安が少し下がることは、何十年も前から調べられてきました。以前の2つのまとめでも、運動しない場合と比べて小さいけれど確かな効果がある、とされていました。ただ、研究の質にばらつきがあることも、くり返し指摘されています。

02 研究とデータでわかっていること1回の運動で、不安やストレスの反応は変わる?

健康な大人の試験では、1回の運動のあとに不安が下がった条件が半分ほどありました。29件の研究のまとめでは、運動したあとのストレス課題で、血圧の上がり方が小さくなっていました。どちらも効果の大きさは小さめです。

13のうち71回の運動のあとで不安が下がった条件の数(健康な大人の9件の試験、2015年以降の研究。2023年発表)
平均3.7mmHg運動したあと、ストレス課題での上の血圧の上がり方が小さかった分(29件・795人、主に40歳までの健康な大人。2022年発表)
28,977人座る時間と不安の症状の関連を調べた中国の調査の人数(2022年)。1日6時間を超えて座る人で関連があった

Connorら(2023年)[1]

2015年以降に発表された、健康な大人の9件の試験(運動の条件は13)をまとめた。1回の運動のあとで不安が下がったのは7つの条件(53%)だった。運動しない組と比べてはっきり効果が大きかったのは4つで、1つは運動しない組と同じくらいだった。残りの6つの条件では、不安は下がらなかった。

たとえば、30分の自転車こぎをした組と、自然のドキュメンタリーを見た組では、どちらも同じように不安が下がった。10分の歩行(自分のペース)では変わらず、同じ試験で呼吸を整えるバイオフィードバック(呼吸の様子を画面で見ながら整える練習)をした組で不安が下がった。25分の自転車こぎで下がったのは、ふだんから不安を感じやすい人だけだった。運動の種類・長さ・強さのどの組み合わせがよいかに、はっきりした傾向はなかった。

対象: 病気としての不安がない健康な大人(各試験17〜88人) / 限界: もともと不安が低い人が多く、下がる余地が小さかった。測ったのは運動の直後から数日後までの不安が中心。

Marianoら(2022年)[2]

1回の運動のあとに、色の名前を答える課題や計算、人前で話すなどのストレス課題をした29件の研究(795人)をまとめた。運動したあとは、課題中の血圧の上がり方が、運動しなかったときより小さかった。上の血圧では平均3.7mmHg、下の血圧では平均2.9mmHg小さかった。29件のうち21件は有酸素運動で、23件は軽い〜中くらいの強さだった。

対象: 大人(研究の8割は40歳までの健康な人) / 限界: 差は小さく、研究者も「健康への意味は慎重に考える必要がある」としている。実験室のストレス課題での結果で、気持ちの不安は測っていない。

Tianら(2025年)[3]

中国各地の28,977人の調査では、1日に座っている時間が6時間を超える人で、不安の症状がある人が多い関連があった。6時間以下では、座る時間と不安の症状の間に関連は見られなかった。6時間を超えて座る人の中でも、10分以上続けて歩く日が週に5日より多い人では、この関連が弱くなっていた。

対象: 中国本土の23省などで2022年に集めた28,977人 / 限界: 一度きりの調査で、座ることが不安の原因かどうかはわからない。座る時間や歩いた日数は本人の申告。

03 まだわかっていないことどんな運動を何分すれば、一番効く?

まだわかっていません。試験では10〜45分の運動が使われましたが、種類・長さ・強さのどれがよいかに傾向はありませんでした。情報やAIの多さで生まれた不安に絞って調べた研究も、今回の調査では見つかりませんでした。

  • 情報の多さやAIへの焦りから生まれた不安でも、同じように下がるか。試験の多くは、ふだんの不安の度合いを問わずに参加者を集めていた。
  • 不安が強い人で、効果がどのくらい大きくなるか。もともと不安が低い人が多く、下がる余地が小さかった。
  • 自分で選んだ強さの運動で効果が変わるか。研究者は今後の課題としている。
  • 筋トレのような運動でも同じように効くか。試験の多くは有酸素運動だった。

04 今日からできるセルフケア不安でざわざわしたら、その場で何をすればいい?

画面から離れて、好きな形で10〜30分ほど体を動かします。動けないときは、ゆっくりした呼吸や自然の映像に切り替えます。座りっぱなしの日が続くなら、10分以上歩く日を少しずつ増やします。

1

画面を離れて、好きな運動を1回する

早歩き、階段の上り下り、自転車など、自分が続けやすいものを選びます。研究では種類による差がはっきりせず、好きな形でよいとされています。息が少し上がるくらいを目安にし、体調がすぐれないときは無理をしません。

目安 10〜30分、1回

2

動けないときは、呼吸か自然の映像に切り替える

会議の合間などで動けないときは、ゆっくり吸って長めに吐く呼吸をします。自然の景色の映像を見るのも一つです。試験では、呼吸を整える練習や自然のドキュメンタリーで不安が下がった例がありました。

目安 5〜10分

3

座りっぱなしの日は、10分以上歩く時間をつくる

一日中画面の前に座る日は、昼休みや帰り道に10分以上続けて歩きます。調査では、長く座る人の中でも、10分以上歩く日が週5日より多い人で不安との関連が弱くなっていました。

目安 10分以上、週5日を目標に

ゆっくりした呼吸の研究は深呼吸とストレスの試験のまとめに、窓から緑を眺める効果は自然が見える窓の研究にまとめています。歩くことを毎日の習慣にしたいときは散歩と気分の研究も参考になります。

05よくある質問

不安でざわざわするとき、運動するとすぐ落ち着く?

落ち着くことが多いものの、いつもではありません。健康な大人を対象にした9件の試験のまとめでは、1回の運動のあとで不安が下がったのは13の条件のうち7つでした。以前の2つのまとめでも、運動しない場合と比べた効果は小さいけれど確かにある、とされていました。

どんな運動を何分すればいい?

決まった答えはありません。試験では10〜45分の自転車こぎや早歩き、ダンスのゲームなどが使われましたが、種類・長さ・強さのどの組み合わせが一番よいかははっきりしませんでした。まとめた研究者は、好きな形の運動でよいとしています。

運動する時間も気力もないときは?

ほかの方法でも不安が下がった例があります。ある試験では、自然のドキュメンタリーを見ただけの組でも、30分の自転車こぎの組と同じように不安が下がっていました。別の試験では、呼吸の様子を画面で見ながら整える練習で不安が下がり、10分の歩行では変わりませんでした。

座りっぱなしの仕事だと、不安になりやすい?

関連はありました。中国の28,977人の調査では、1日6時間を超えて座っている人で不安の症状がある人が多い関連がありました。そうした人の中でも、10分以上歩く日が週5日より多い人では、この関連が弱くなっていました。調査なので、座ることが原因とは言い切れません。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Connor, M., Hargreaves, E. A., Scanlon, O. K., & Harrison, O. K. (2023). The Effect of Acute Exercise on State Anxiety: A Systematic Review. Sports, 11(8), 145. https://doi.org/10.3390/sports11080145
  2. Mariano, I. M., Amaral, A. L., Ribeiro, P. A. B., & Puga, G. M. (2022). A single session of exercise reduces blood pressure reactivity to stress: a systematic review and meta-analysis. Scientific Reports, 12, 11837. https://doi.org/10.1038/s41598-022-15786-3
  3. Tian, Z., Li, Y., Zhang, N., Liu, Y., Wu, Y., & Wang, L. (2025). Dose-response relationship between sedentary time and anxiety and the moderating effect of a 10-min walk: a cross-sectional study. BMC Psychiatry, 25, 51. https://doi.org/10.1186/s12888-025-06496-x