考える力・集中

25分作業して5分休む「ポモドーロ」で、集中切れを防げる?オランダの大学生の3つの実験では、決まった休憩で気分が保たれた研究と、自分で休んだほうが集中していた研究に分かれていた

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わかっている度 ★☆☆ 低研究4本・公的指針0件を整理
キッチンタイマー
Photo: Retro00064 / Public domain / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

気づけば2時間、休まずに画面に向かっていた。夕方には頭が回らない。そんな日を防ごうと、25分作業して5分休む「ポモドーロ・テクニック」を試す人は少なくありません。オランダの大学生を対象にした3つの実験を見ると、決まった休憩が気分を保った研究と、自分で休んだほうが集中していた研究に分かれていました。理解度や進み具合は、どのやり方でも変わりませんでした。

3行でわかる

  1. 大学生87人の実験では、決まった時間で休んだ組のほうが、自分で休んだ組より集中と意欲が高く、疲れと気の散りが少なめでした。
  2. 一方、176人の実験では、12分ごとに3分休んだ組より、自分で休んだ組のほうが集中と意欲が高く、気が散りにくいと答えていました。
  3. 3つの実験のどれでも、文章の理解度や課題の進み具合に差は出ませんでした。決まった時間が合うかどうかは人と作業によりそうです。

01 結論から言うとポモドーロで、集中切れは防げる?

防げるとはまだ言えません。オランダの大学生の3つの実験では、決まった休憩が有利だった研究と不利だった研究があり、理解度や進み具合の差はどれにも出ていません。合うかどうかは試して確かめるしかない段階です。

ポモドーロ・テクニックは、タイマーで25分作業し、5分休むことをくり返すやり方です。休むタイミングを自分で決めなくてよいので、休みそびれや休みすぎを防げると言われてきました。

ただ、教育の研究ではほとんど調べられてこなかったと、2025年の論文の著者たちは書いています。ここで紹介する3つの実験は、どれもオランダの同じ大学の研究者が中心になって行ったものです。

02 研究とデータでわかっていること決まった休憩と自分で決める休憩、どちらが集中できる?

実験によって結果が逆でした。24分ごとや12分ごとの休憩が集中を保った実験がある一方、12分ごとの休憩より自分で休んだほうが集中していた実験もあります。休憩そのものには、疲れを減らす効果が研究のまとめで見られています。

87人決まった休憩の組で集中と意欲が高めだった実験の参加者(オランダの大学生、2023年)
176人自分で休んだ組で集中と意欲が高めだった実験の参加者(同じ大学の学生、2026年)
差なし3つの実験での理解度・課題の進み具合の差
2,335人10分以内の休憩を調べた19本の論文のまとめの参加者(2022年)。疲れは減っていた

Biwer ら / マーストリヒト大学(2023)[1]

ふだんの自習の1日を使い、24分ごとに6分休む組(ポモドーロ)、12分ごとに3分休む組、休むタイミングを自分で決める組を比べました。決まった時間で休んだ2つの組のほうが、集中と意欲が高く、疲れと気の散りが少なめでした。

自分で休んだ組は、1回の作業も休憩も長くなっていました。頭を使った量の感じ方や、課題がどこまで終わったかには、組のあいだで差がありませんでした。著者たちは、決まった休憩には気分の面での利点があると結論しています。

対象: オランダの大学の学部生・大学院生87人(自分で休む組35人、24分と6分の組25人、12分と3分の組27人) / 限界: 1日だけの実験で、人数も多くありません。

Smits ら / マーストリヒト大学(2025)[2]

2時間の自習で、自分で休む組、25分ごとに5分休む組(ポモドーロ)、休むタイミングは自分で決めて長さだけ作業時間に合わせる組を比べました。ポモドーロの組は疲れが早く増え、意欲が早く下がりましたが、全体の疲れや意欲の高さに差はありませんでした。

はかどった感じ、課題の終わり方、時間を忘れて没頭する「フロー」にも、3つの組で差は見られませんでした。

対象: オランダの大学の心理学の学生94人(自分で休む組25人、ポモドーロの組36人、長さを合わせる組33人) / 限界: 学生が自分の課題をそれぞれ進めたため、課題の難しさがそろっていません。指示どおりに休んだかを確かめられない設計でした。

Göksu ら / マーストリヒト大学(2026)[3]

4,599語の英文を読む課題で、12分読んで3分休むことを最大4回くり返す組と、好きなときに休む組を比べました。自分で休んだ組のほうが、元気さ、集中、意欲が高く、気が散りにくいと答えていました。

読んだあとの20問のテストの成績に、はっきりした差はありませんでした。疲れ、退屈、ストレスにも差はありません。自分で休んだ組の多くは、休憩を1回しか取っていませんでした。12分と3分の組では、区切りが短すぎて流れが切れるという声が多く出ていました。

対象: マーストリヒト大学の18〜41歳の学生176人(平均21.62歳、決まった休憩の組90人、自分で休む組86人) / 限界: 決まった休憩は一般的なポモドーロの半分の長さでした。テストが小さな差を見分けるには粗かった可能性があると著者たちは書いています。

Albulescu ら / 西ティミショアラ大学(2022)[4]

10分以内の短い休憩の効果を調べた19本の論文(22の研究データ)をまとめました。休憩は元気さを高め(効果の大きさ0.36)、疲れを減らしていました(0.35)。作業の成績を上げる効果は、はっきりしませんでした(0.16)。

成績が上がっていたのは、頭をあまり使わない作業だけでした。休憩が長いほど、成績の上がり方は大きい傾向がありました。著者たちは、頭を強く使う作業からの回復には10分より長い休憩が要るかもしれないと書いています。

対象: 実験と準実験の19本の論文の22の研究データ、計2,335人 / 限界: どのタイミングで休むのがよいかは、このまとめでは比べていません。

03 まだわかっていないこと自分に合う休憩の区切りは、何分?

まだわかっていません。試された区切りは25分と5分、24分と6分、12分と3分などに限られ、45分や50分ごとのような長めの区切りと比べた実験は見当たりませんでした。

  • 3つの実験は、どれもオランダの大学生が、1日か2時間ほど試しただけのものです。働く人や、何週間も続けた場合の結果はわかっていません。
  • 決まった休憩が合う人と、自分で休むほうが合う人の違い(性格や作業の種類)は、著者たちも今後の課題としています。
  • 休憩中にSNSを見るか、立って歩くかといった過ごし方の違いは、これらの実験では比べていません。
  • 理解度や進み具合に差が出なかったのは、本当に差がないのか、測り方が粗かったのかは、まだ区別できていません。

04 今日からできるセルフケア集中切れを防ぐ休み方は、どう選ぶ?

「次にいつ休むか」を作業の前に決め、決まった区切りと自分で決める休憩を数日ずつ試して比べることです。休憩そのものは疲れを減らすので、どちらのやり方でも休みを抜かないことが土台になります。

1

作業の前に「次に休む目安」を1つ決める

「25分たったら」でも「この章が終わったら」でもかまいません。87人の実験では、自分で休んだ組は作業が長くなりやすく、疲れと気の散りが多めでした。目安を先に決めておけば、少なくとも休みそびれには気づきやすくなります。

目安 作業を始める前に30秒

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区切りが短すぎると感じたら、長めに変える

12分ごとの休憩では「流れが切れる」という声が多く出ていました。タイマーが鳴るたびにいら立つなら、作業の時間と休憩の時間を両方のばして試します。短い休憩のまとめでは、休憩が長いほど成績の上がり方が大きい傾向でした。

目安 区切りをのばしたら、まず1日試す

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2つのやり方を2日ずつ試して、終わりに5段階でメモする

決まった区切りで休む日と、自分で休む日を作り、1日の終わりに「集中」「疲れ」「進み具合」を1〜5でつけます。実験でも、学生は同じような5段階で今の状態を答えていました。数字が良かった方を続けます。

目安 4日間、1日の終わりに1分

4

休憩の中身も1つだけ変えて比べる

176人の実験では、休憩中にいちばん多かったのはSNSを見る・メッセージを送ることでした。過ごし方の効果はまだ比べられていないので、スマホを見る休憩と、立って水を飲む休憩を日ごとに入れ替え、手順3のメモで違いを見ます。

目安 休憩1回ごとに、同じ過ごし方を続ける

10分以内の短い休憩の効果はパソコン作業で頭が疲れる。10分以内の短い休憩は効く?、座りっぱなしを区切る工夫は座りっぱなしで、だんだん頭が回らなくなる、中断が多い日の集中の戻し方は作業を中断されたあと、集中が戻らないでも整理しています。

05よくある質問

ポモドーロ・テクニックは本当に集中に効きますか?

研究ではまだ結論が出ていません。オランダの大学生87人の実験では決まった休憩の組のほうが集中や意欲が高めでしたが、176人の実験では自分で休んだ組のほうが集中していました。どの研究でも、理解度や課題の進み具合には差が出ていません。

休憩は決まった時間で取るのと、疲れたときに取るのと、どちらがいいですか?

どちらが優れているとはまだ言えません。自分で決めると休憩までが長くなりやすい一方、短すぎる決まった区切りは「流れが切れる」と感じる人が多くいました。自分に合う方を数日ずつ試して比べるのが現実的です。

25分と5分という時間は、守らないと意味がありませんか?

そう決める根拠は研究にはありません。紹介した実験は25分と5分、24分と6分、12分と3分などで試されていて、時間の長さどうしを細かく比べた研究はまだ少ないです。10分以内の短い休憩のまとめでは、休憩が長いほど作業の成績の上がり方が大きい傾向でした。

休憩中にスマホを見てもいいですか?

今回の実験では、休憩中の過ごし方による違いは比べていません。176人の実験では、休憩中にいちばん多かったのはSNSを見る・メッセージを送ることで、全体の49.64%でした。気になる人は、スマホを見ない休み方も試して比べてみてください。

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出典

  1. Biwer, F., Wiradhany, W., Oude Egbrink, M. G. A., & de Bruin, A. B. H. (2023). Understanding effort regulation: Comparing 'Pomodoro' breaks and self-regulated breaks. British Journal of Educational Psychology, 93(Suppl 2), 353–367. https://doi.org/10.1111/bjep.12593
  2. Smits, E. J. C., Wenzel, N., & de Bruin, A. (2025). Investigating the Effectiveness of Self-Regulated, Pomodoro, and Flowtime Break-Taking Techniques Among Students. Behavioral Sciences, 15(7), 861. https://doi.org/10.3390/bs15070861
  3. Göksu, A., Wiradhany, W., & de Bruin, A. B. H. (2026). When to Take a Break: Comparing Effects of Systematic Short (Pomodoro) and Self-Regulated Breaks on Subjective Experience and Actual Learning. Behavioral Sciences, 16(7), 1158. https://doi.org/10.3390/bs16071158
  4. Albulescu, P., Macsinga, I., Rusu, A., Sulea, C., Bodnaru, A., & Tulbure, B. T. (2022). "Give me a break!" A systematic review and meta-analysis on the efficacy of micro-breaks for increasing well-being and performance. PLOS ONE, 17(8), e0272460. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0272460