人とのつながり

人とのつながりを増やしたくて、ボランティアを考えている。孤独は防げる?ドイツの65歳以上の追跡では始めた人の孤独感がわずかに下がったが、ヨーロッパや米国の若い大人の追跡でははっきりしなかった

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わかっている度 ★★☆ 中研究5本・公的指針0件を整理
地域の菜園に並ぶ野菜の畝
Photo: Mack Male from Edmonton, AB, Canada / CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

在宅の仕事が増え、調べものや相談もAIで済む。気づけば、家族以外と話さない週がある。そんなとき「ボランティアでもしてみようか」と考える人は少なくありません。研究の答えは「孤独を防ぐ決め手とまでは言えないが、始めた人の孤独感がわずかに下がった追跡はある」です。効き方を左右しそうなのは、参加する理由と始め方でした。

3行でわかる

  1. ドイツの65歳以上の追跡では、3年のあいだにボランティアを始めた188人で、孤独感がわずかに下がる関連があった。
  2. 一方、ヨーロッパの50歳以上1万9,821人や、米国の若い大人の追跡では、その後の孤独との関連ははっきりしなかった。
  3. オーストラリアの調査では「人と知り合いたい」が動機の人ほど孤独が低く、つらさから逃れるための参加では高めだった。

01 結論から言うとボランティアで孤独は防げる?

ボランティアが孤独を防ぐかどうかは、研究ではまだ結論が出ていません。始めた人の孤独感がわずかに下がった追跡もあれば、関連が見られなかった大規模な追跡もあります。

研究の多くは「ボランティアをしている人」と「していない人」を比べています。これだと、もともと元気で人づきあいの多い人が参加しているだけかもしれません。

同じ人を何年か追いかけて、始めた前後でどう変わったかを見た研究は、まだ多くありません。その数少ない追跡の結果が分かれている、というのが今の状況です。

02 研究とデータでわかっていることボランティアを始めた人の孤独感はどう変わった?

ドイツの65歳以上では、始めた人の孤独感がわずかに下がり、やめた人で孤独が増える関連は見られませんでした。ヨーロッパの50歳以上や米国の若い大人の追跡では、孤独との関連ははっきりしませんでした。

188人ドイツの65歳以上で、2014〜2017年にボランティアを始めた人。孤独感がわずかに下がる関連があった
1万9,821人ヨーロッパ15か国の50歳以上(2011〜2020年)。ボランティアとその後の孤独に関連は見られなかった
35.4点日本の65歳以上500人(2021年)のうち、ボランティアをしている64人の孤独感(20〜80点)。していない人は41.0点

Richardsonら(2025)[1]

ドイツの65歳以上を3年あけて2回調べたところ、そのあいだにボランティアを始めた188人では、孤独感がわずかに下がる関連がありました(孤独感は1〜4点で測定し、係数は−0.07)。一方、やめた307人では、孤独感や「社会から取り残されている感じ」が増える関連は見られませんでした。

対象: ドイツの全国調査に答えた65歳以上(延べ6,628件) / 限界: 活動の時間の長さは測っておらず、始めた人の数も多くない。

Weziak-Bialowolska(2024)[2]

ヨーロッパ15か国の50歳以上を6年追ったところ、ほぼ毎週ボランティアや慈善活動をする人は、のちに「将来は明るい」「元気がある」と感じる度合いが高めでした。ただし、その後の孤独との関連は見られませんでした。逆に、孤独が強い人ほど、のちにボランティアに参加しにくくなっていました。

対象: 50歳以上1万9,821人 / 限界: 1回あたりの活動時間を測っておらず、年100時間以上など長い参加の効果はとらえきれていない可能性がある、と著者は述べている。

Nakamuraら(2025)[3]

18〜26歳のときにボランティアをしていた米国の人は、33〜43歳の時点で抑うつの症状が少し低い関連がありました。一方、24〜32歳の時点の孤独とは、はっきりした関連が見られませんでした。病院や政治団体など、活動の場によっては健康によくない結果と結びついた例もありました。

対象: 米国の全国追跡調査の1万2,234人 / 限界: 観察研究で、一部の関連は、多くの項目を同時に調べたことを補正すると有意でなくなった。

Williamsら(2024)[4]

オーストラリアのボランティア経験者では、「人と知り合いたい」という動機が強い人ほど、友人や仲間についての孤独が低い傾向がありました。反対に「自分の悩みから気をそらしたい」という動機が強い人ほど、家族や恋人・パートナーについての孤独が高めでした。

対象: 18〜90歳の160人(平均約60歳、女性が77.5%、2021〜2022年) / 限界: 1回だけの調査で、どちらが原因かはわからない。

Mayersら(2024)[5]

日本の65歳以上500人のネット調査では、ボランティアをしている64人の孤独感の平均は35.4点で、していない436人の41.0点より低くなっていました(20〜80点、高いほど孤独)。趣味や習いごとをしている人も多めでした。

対象: 自立して暮らす65歳以上(2021年6月) / 限界: 1回だけの調査で、元気な人が参加しているだけの可能性も残る。

03 まだわかっていないことどんなボランティアなら孤独が減りやすいのかは?

どんな活動を、どのくらいの頻度で続けると孤独が減りやすいのかは、まだわかっていません。働く世代や学生を追った研究も少ないのが現状です。

  • 追跡研究の多くは50歳以上や65歳以上が対象で、在宅勤務の会社員や学生にそのまま当てはまるかはわからない。
  • 活動時間を測っていない研究が多く、「週に何時間なら」という目安は出せない。
  • 動機と孤独の関係は1回だけの調査で、動機を変えれば孤独が減るとまでは言えない。

04 今日からできるセルフケアボランティアを無理なく孤独予防に生かすには?

「人と知り合う」目的で、単発の短い活動から試し、合わなければやめてよいと決めておく。研究から無理なく言えるのは、この3つです。

1

「人と知り合いたい」を目的に入れて選ぶ

ひとりで黙々と作業する活動より、ほかの参加者と一緒に動く活動を選びます。オーストラリアの調査では、この動機が強い人ほど友人や仲間についての孤独が低い傾向でした。

目安 探すのに15分

2

まずは単発・短時間の活動を1回だけ

清掃や地域行事の手伝いなど、1回で終わるものから試します。孤独が強いときほど参加しにくいのは自然なことなので、続ける約束はしなくて大丈夫です。

目安 月1回・2〜3時間

3

つらいときの逃げ場にしすぎず、やめてもよいと決めておく

悩みから気をそらすためだけの参加は、孤独が高めの傾向と重なっていました。負担が大きいと感じたら休みます。ドイツの追跡では、やめた人で孤独が増える関連は見られませんでした。

目安 3回参加したら続けるか見直す

ボランティア以外のつながり方は、属するグループが多い人ほどうつになりにくかった研究や、店員とのひとことのような「ゆるいつながり」の研究でも整理しています。孤独がどれくらいありふれたものかは148か国の調査が参考になります。

05よくある質問

ボランティアをすれば、孤独は防げる?

研究では結論が分かれています。ドイツの65歳以上の追跡では、始めた人の孤独感がわずかに下がる関連がありましたが、ヨーロッパの50歳以上1万9,821人や米国の若い大人の追跡では、その後の孤独との関連ははっきりしませんでした。

ボランティアをやめたら、孤独になる?

ドイツの65歳以上の追跡では、ボランティアをやめた307人で、孤独感や社会からの疎外感が増える関連は見られませんでした。合わなければ休んだりやめたりしてもよいと考えられます。

孤独でつらいと、ボランティアに踏み出せないのはおかしい?

おかしくありません。ヨーロッパ15か国の追跡では、孤独が強い人ほど、その後ボランティアに参加しにくい傾向がありました。単発で短い活動から試す方法があります。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Richardson A, König HH, Hajek A (2025). The Association Between the Onset and Ending of Volunteering on Loneliness and Perceived Social Isolation Among Older Adults: Longitudinal Evidence From the German Ageing Survey. Brain and Behavior, 15(1), e70244. https://doi.org/10.1002/brb3.70244
  2. Weziak-Bialowolska D (2024). Longitudinal reciprocal associations between volunteering, health and well-being: evidence for middle-aged and older adults in Europe. European Journal of Public Health. https://doi.org/10.1093/eurpub/ckae014
  3. Nakamura JS, Wilkinson R, Nelson MA, Suzuki E, VanderWeele TJ (2025). Volunteering in Young Adulthood: Complex Associations With Later Health and Well-Being Outcomes. American Journal of Health Promotion, 39(1). https://doi.org/10.1177/08901171241273424
  4. Williams T, Lakhani A, Spelten E (2024). Exploring the relationship between loneliness and volunteering amongst Australian adults: a cross-sectional study. BMC Public Health, 24, 269. https://doi.org/10.1186/s12889-024-17807-4
  5. Mayers T, Eto S, Maki N, Araki A, Matsuda H (2024). Volunteering and Its Association with Depression, Loneliness, and Lifestyle of Older Adults: Insights from a Japanese Cross-Sectional Study. Healthcare, 12(21), 2187. https://doi.org/10.3390/healthcare12212187