AI疲れ・情報疲れ

画面ばかりの毎日で、疲れが抜けない。土いじりは効く?22件の研究のまとめでは、園芸のあとや園芸をする人で心と体の健康の指標がよかった

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的指針0件を整理
窓辺の鉢に出たバジルの芽
Photo: Jon Eben Field from Vancouver, British Columbia, Canada. / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

朝から晩まで画面に向かい、AIとチャットとメールの往復で一日が終わる。休んでも疲れが抜けず、何か手を動かすことで気分を変えたいと感じる人は少なくありません。園芸と健康を調べた22件の研究のまとめでは、園芸のあとや園芸をする人で、心と体の健康の指標がよい方向にそろっていました。

3行でわかる

  1. 22件の研究のまとめ(2017年)では、園芸に健康の指標をよくする方向の効果があった(全体で0.42。病気のない人では0.32)。
  2. 米国デンバーの291人の試験では、市民農園の区画をもらった人のほうが、待っていた人よりストレスと不安が大きく下がっていた。
  3. 韓国の24人の実験では、パソコン作業より観葉植物の植え替えの15分のほうが、心地よさが高く血圧が低かった。

01 結論から言うと画面疲れが抜けないとき、土いじりは効く?

気分の立て直しに役立つ可能性があります。22件の研究のまとめでは、園芸は落ち込みや不安の点数、生活の満足などをよくする方向の効果がありました。ただし、画面疲れの人を対象にした研究ではありません。

ここでいう園芸は、花や野菜を育てて世話をすることです。庭やベランダのほか、市民農園や地域の花壇での作業も含みます。

画面の作業は、頭は忙しいのに手と体はほとんど動きません。土や葉にふれ、水をやり、育つのを待つ作業は、それとは反対の時間です。研究はまだ多くありませんが、ほとんどの研究で結果はよい方向で、はっきりした悪い効果を示した研究はありませんでした。

02 研究とデータでわかっていること園芸で、ストレスや不安はどれくらい下がる?

効果は小さめから中くらいです。22件のまとめの全体の効果は0.42で、偏りを補正しても0.35でした。米国の試験では、区画をもらった人のストレスと不安が、待っていた人より大きく下がっていました。

22件園芸と健康を調べた研究(2001年以降の論文、76の比較。2017年発表のまとめ)
0.42園芸の健康への効果の大きさ(標準化平均差。病気のない人では0.32)
291人市民農園の区画をもらうか待つかを無作為に分けた米国の18歳以上(2017〜2019年に募集)
15分観葉植物の植え替えとパソコン作業を比べた時間(韓国の大学生の男性24人)

Soga ら(2017)[1]

園芸と健康を調べた22件の研究をまとめると、落ち込み・不安・体格指数(BMI)が下がり、生活の満足や生活の質、地域とのつながりの感覚が上がる方向の効果がありました。全体の効果は0.42で、はっきりした悪い効果を報告した研究はありませんでした。病気のない人を対象にした比較では0.32、園芸療法の比較では0.61でした。

対象: 平均8.5〜84.7歳の人を調べた22件(米国9件、欧州7件、アジア5件、中東1件)。半数は認知症やうつ病などの患者 / 限界: 出版の偏りが見られました(補正後は0.35)。園芸をする人としない人を比べた研究も多く、もともと健康な人が園芸をしている可能性があります。

Litt ら(2023)[2]

市民農園の順番を待っていた291人を、区画をもらう人と待ち続ける人に無作為に分けました。区画と種・苗、入門講座を受けた人は、春から秋にかけてストレスと不安の点数が待っていた人より大きく下がりました。もともとストレスが高めだった人では、ストレスの点数(0〜40点)が約3.1点下がると推定され、待っていた人の約1.1点を上回りました。

対象: 米国コロラド州デンバー周辺の18歳以上で、過去2年園芸をしていない人(平均41.5歳、女性82%) / 限界: ストレスと不安は主な目的ではない副次的な項目で、自己申告です。区画の費用は研究側が負担していました。

Lee ら(2015)[3]

同じ人が、観葉植物の植え替えと、パソコンでの文書作成を別の日に15分ずつ行いました。植え替えのあとは「心地よい」「落ち着く」「自然な」感じが高く、作業後の血圧の下の値は植え替えで約65、パソコンで約72でした。緊張したときに働く神経の指標は、最後の3分で植え替えのほうが低くなっていました。

対象: 韓国の健康な大学生の男性24人(平均24.9歳)。順番はくじで決定 / 限界: 若い男性だけの小さな実験で、15分だけの短い比較です。長く続けた効果はわかりません。

03 まだわかっていないことAIや画面の疲れにも、園芸は効く?

まだ確かめられていません。仕事の画面やAIで疲れた人を対象に園芸の効果を調べた試験は、この記事で調べた範囲では見当たりません。どのくらいの頻度や期間が必要かも、研究ではわかっていません。

  • 22件のまとめの半数は病気のある人の研究で、病気のない人では効果は小さめ(0.32)でした。
  • 園芸をする人としない人を比べた研究が多く、園芸が健康をよくしたのか、健康な人が園芸を選んだのかは区別しきれません。
  • 観葉植物の実験は15分の1回だけで、毎日の水やりなど室内で続けたときの効果は調べられていません。
  • 米国の試験は区画と講座、仲間との交流がセットでした。どの要素が効いたのかはわかりません。

04 今日からできるセルフケア画面疲れの毎日に、植物の時間をつくるには?

画面から離れて手を動かす時間を、短く決めて入れることです。研究で使われた形を参考に、お金をほとんどかけずに始められる工夫を4つ挙げます。

1

作業の合間に、植物の世話を15分

水やり、枯れた葉を取る、鉢の向きを変えるなど、植物にふれる作業をします。韓国の実験では、パソコン作業と比べて15分の植え替えで心地よさが高くなっていました。

目安 1回15分・1日1回

2

野菜の根元を水に挿して育てる

ネギや豆苗などの根元を、浅く水を張った器に置いて窓辺で育てます。毎日水を替えるだけで、育つ様子を見る小さな世話になります。

目安 1日2〜3分・1〜2週間

3

世話をしている間は、画面を見ない

スマホは別の部屋に置き、手元の土や葉に注意を向けます。実験で比べられていたのは「植物の作業」と「パソコン作業」でした。植物の時間を画面のながら作業にしないことがポイントです。

目安 世話をする間ずっと

4

地域の花壇や市民農園を調べてみる

自治体の花壇の手入れのボランティアや、市民農園の募集を調べます。米国の試験では、区画に加えて講座や仲間との交流がある形で、ストレスと不安が下がっていました。

目安 調べるのに10分

自然の中で過ごす時間の研究は「自然の中で過ごすと前向きな気分が増える」、趣味を楽しむ気力がないときは「疲れて、趣味を楽しむ気力がなくなった」、疲れが長引くときは「燃え尽きた感じが続く」も参考になります。

05よくある質問

庭やベランダがなくても、園芸の効果はありますか?

研究ではまだはっきりしません。22件のまとめは屋外の園芸の研究に限っていました。一方、韓国の24人の実験では、室内で観葉植物を15分植え替えたあと、パソコン作業のあとより心地よさが高く、血圧の下の値が低くなっていました。窓辺の鉢植えから始める方法もあります。

園芸は、どのくらい続ければ効果がありますか?

研究では決まっていません。米国の試験では、春から秋にかけての1シーズン、区画で育てた人のストレスと不安が下がっていました。観葉植物の実験は1回15分でした。最適な頻度や期間を比べた研究は見当たりません。

植物を枯らしてしまいそうで、かえってストレスになりませんか?

そう感じる人もいるかもしれません。研究では、植え替えに慣れていない大学生でも、パソコン作業より心地よさが高い結果でした。米国の試験でも、過去2年園芸をしていない人が入門講座を受けて始めていました。水に挿すだけの野菜の根元など、手間の少ないものから試せます。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Soga M, Gaston KJ, Yamaura Y (2017). Gardening is beneficial for health: A meta-analysis. Preventive Medicine Reports, 5, 92–99. https://doi.org/10.1016/j.pmedr.2016.11.007
  2. Litt JS, Alaimo K, Harrall KK, Hamman RF, Hébert JR, Hurley TG, et al. (2023). Effects of a community gardening intervention on diet, physical activity, and anthropometry outcomes in the USA (CAPS): an observer-blind, randomised controlled trial. The Lancet Planetary Health, 7(1), e23–e32. https://doi.org/10.1016/S2542-5196(22)00303-5
  3. Lee MS, Lee J, Park BJ, Miyazaki Y (2015). Interaction with indoor plants may reduce psychological and physiological stress by suppressing autonomic nervous system activity in young adults: a randomized crossover study. Journal of Physiological Anthropology, 34, 21. https://doi.org/10.1186/s40101-015-0060-8