比べて落ち込む

見た目を人と比べるくせが続いて、自分の体が好きになれない。体の「できること」を書く練習は効く?イタリアの女性231人の試験では、2週間の練習で体を大切に思う気持ちが高まり、15日後も保たれていた

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わかっている度 ★★☆ 中研究3本・公的指針0件を整理
木の机でノートに書く手元
Photo: Cathryn Lavery / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

SNSや加工された写真を見るたびに、自分の見た目を人と比べてしまう。それが何年も続いて、鏡に映る自分の体を好きになれない。そんな状態から少しずつ立て直す方法として、研究されているのが、体の「見た目」ではなく「できること」に目を向けて書く練習です。イタリア・中国・英国の3つの試験では、体を大切に思う気持ちが高まり、見た目を比べるくせが減った試験もありました。一方で、見た目の不安そのものは変わらなかった試験もあります。わかっていることと、15分から試せるやり方をまとめます。

3行でわかる

  1. イタリアの20〜28歳の女性231人の試験では、体の働きを学び、「体ができること」を書く2週間の練習で、体を大切に思う気持ちが高まり、15日後も保たれていた。体への強い不満が減ったのは、体の受け止め方の問題が起きる危険が高い人だけだった。
  2. 中国の女性204人の試験では、約40分の書く練習を1回しただけで、見た目を人と比べる傾向が、1週間後と4週間後に待っていた組より低くなっていた。
  3. 英国で募集した、皮膚の病気がある大人の試験では、体を大切に思う気持ちは高まったが、見た目への不安や恥ずかしさは変わらなかった。この練習は「好きになれる部分を増やす」もので、不安を消すものではない。

01 結論から言うと体の「できること」を書くと、比べるくせは変わる?

3つの試験で、体を大切に思う気持ちが高まっていました。見た目を比べる傾向が4週間後まで下がった試験もあります。ただ、試験はまだ少なく、見た目の不安そのものは変わらなかった試験もあります。「助けになる可能性がある」が今の答えです。

見た目を人と比べるくせが続くと、体を「どう見えるか」だけで評価しがちになります。研究で試されている練習は、注意を体の「働き」に向け直すものです。たとえば、歩ける、味や香りを感じられる、料理を作れる、人と話して笑える、といったことです。

この書く練習は、英語で「Expand Your Horizon(視野を広げよう)」と呼ばれています。この記事では、この練習をもとにした3つの試験の結果を整理します。見た目を比べる行動そのものを減らす方法は、比べる・鏡で確かめる行動を減らした試験の記事にまとめています。

02 研究とデータでわかっていること書く練習で、体の受け止め方はどのくらい変わる?

イタリアの試験では、2週間の練習で体を大切に思う気持ちが高まり、15日後も保たれていました。中国の試験では、1回の練習で見た目を比べる傾向が4週間後まで低くなっていました。

231人2週間の練習を試したイタリアの20〜28歳の女性(2025年発表)
15分以上イタリアの試験で、3回の書く課題それぞれに勧められた時間
4週間後中国の女性204人の試験で、見た目を比べる傾向がまだ低かった時点(約40分の練習1回、2025年発表)
変化なし皮膚の病気がある大人の試験で、見た目への不安と恥ずかしさ(2022年発表)

Cereaら(2025年)[1]

イタリアの20〜28歳の女性231人を、くじで2つの組に分けました。一方の組は、15日間の練習をすぐに始めました。1週目は体の受け止め方や体の働きについてのスライドを読み、2週目は「体ができること」を書く課題を3回行います。もう一方の組は、15日間待ってから同じ練習をしました。

練習をした組は、待っていた組より、体を大切に思う気持ちと、体の働きをありがたく思う気持ちが高まっていました。この変化は、練習が終わって15日後も保たれていました。体への強い不満や、食べ方の問題が起きる危険の点数が下がったのは、体の受け止め方の問題が起きる危険が高いと判定された人(231人中64人)だけでした。

対象: イタリアの20〜28歳の女性231人(平均21.8歳) / 限界: 測ったのは練習の15日後まで。比べた組は「待つだけ」の組で、別の練習をする組ではない。女性だけの試験。

Chengら(2025年)[2]

SNSをよく使う中国の女性204人を、くじで3つの組に分けました。体の働きについて書く約40分の練習を1回する組、SNSの写真の加工や編集のしくみを学ぶ約40分の練習を1回する組、待つ組です。

書く練習の組も、加工のしくみを学ぶ組も、待つ組より体への不満が減り、体を大切に思う気持ちが高まっていました。見た目を人と比べる傾向も、1週間後と4週間後の両方で、待つ組より低くなっていました。2つの練習の効果は、ほとんどの点で同じくらいでした。

対象: 中国のSNS利用者の女性204人(平均22.4歳)。食べ方の悩みの症状が強めの人が対象で、診断を受けている人は除かれている / 限界: 測ったのは4週間後まで。比べた組は「待つだけ」の組。

Adkinsら(2022年)[3]

皮膚・髪・爪の病気があり、見た目の受け止め方に影響を感じている大人451人を、くじで2つの組に分けました。1週間で、体の働きについて書く課題を3回する組と、体と関係のない自由な文章を3回書く組です。

もともと体を大切に思う気持ちが低い〜中くらいの人では、書く練習の組で、その気持ちが中くらい〜大きく高まっていました。1か月後には効果が小さくなっていました。見た目への不安、皮膚についての恥ずかしさ、生活の質は、2つの組で差がありませんでした。

対象: 英国の団体などを通じて集めた、皮膚などの病気がある18歳以上の大人451人 / 限界: 最後まで回答したのは155人(約3分の1)だけで、途中でやめた人がとても多かった。

見た目を比べてつらくなる日の研究は、運動やダンスを続けた試験のまとめの記事や、自分にやさしい言葉を毎日読んだ実験の記事にもまとめています。

03 まだわかっていないことこの練習で、見た目の不安はなくなる?

はっきりしていません。皮膚の病気がある人の試験では、見た目への不安と恥ずかしさは変わりませんでした。体を大切に思う気持ちが高まることと、不安が消えることは、別のことと考えたほうがよさそうです。

  • 効果がどのくらい続くかは、長くても1か月ほどしか調べられていない。皮膚の病気の試験では、1か月後には効果が小さくなっていた。
  • イタリアと中国の試験は女性だけが対象で、男性や中高年での効果はよくわかっていない。
  • 何年も比べるくせが続いている人にしぼった試験は、今回の調査では見つからなかった。
  • イタリアと中国の試験は「待つだけ」の組と比べたもので、「何かを書くこと」そのものの効果と分けきれていない。

04 今日からできるセルフケア体の「できること」を、どう書けばいい?

1回15分、体ができることと、それがなぜ自分に大切かを書きます。テーマを変えて1週間に3回が、試験で使われた形です。SNSの加工や編集のしくみを知ることも、比べる傾向を下げていました。

1

体ができることを、15分書き続ける

「体のおかげでできていること」を挙げ、それが自分にとってなぜ大切かを書きます。試験では、書き始めたら手を止めず、書き終えたら一度読み返すよう勧められていました。

目安 1回15分以上

2

テーマを変えて、1週間に3回

イタリアの試験では、①見る・聞く・歩くなどの感覚と体の力、②健康と、ものを作る力、③身の回りのことと人とのやりとり、の3つのテーマで1回ずつ書いていました。

目安 1週間で3回、1回1テーマ

3

SNSの写真の加工や編集のしくみを知る

中国の試験では、写真の加工の前後を見比べるなどして、SNSの見せ方のしくみを学んだ組でも、見た目を比べる傾向が4週間後まで下がっていました。比べてしまう投稿に、加工や角度の工夫がないか考えてみます。

目安 気になる投稿を見たとき、その場で1回

加工した写真と素顔の受け止め方については、写真をよく加工する人の調査の記事にもまとめています。

05よくある質問

見た目を褒める言葉を書くのとは違う?

違います。研究で使われた練習は、見た目ではなく、体が「何をできるか」に注意を向けるものです。歩ける、味わえる、人と話せる、といった働きと、それが自分にとってなぜ大切かを書きます。

男性にも効果はある?

紹介した3つの試験のうち、イタリアと中国の試験は女性だけが対象でした。男性での効果は、今回の調査では確かめられませんでした。

書くのが苦手でもできる?

試験では、1回15分以上、手を止めずに書くよう勧められていました。文章のうまさは問われていません。箇条書きから始めてもかまいませんが、その形で効果があるかは確かめられていません。

見た目の悩みで外に出られないほどつらいときは?

紹介した練習は、見た目の不安そのものを下げる効果ははっきりしませんでした。見た目の悩みで生活に支障があるときは、ひとりで抱えずに医療機関や相談窓口に相談できます。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Cerea S, Panzeri A, Burdisso B, Bottesi G, Mancin P, Rapisarda M, Ghisi M (2025). More than Body Appearance! Improving body image in young women through a functionality-focused intervention combined with psychoeducation: A randomized controlled trial. British Journal of Clinical Psychology, 64, 415-441. https://doi.org/10.1111/bjc.12514
  2. Cheng Y, Chen Y, Barnhart WR, Chen C, Yim SH, Nagata JM, Ji F, He J (2025). Improving body image in female Chinese social media users with eating disorder symptoms: a randomized controlled trial of two online self-guided single-session interventions. Journal of Eating Disorders, 14, 37. https://doi.org/10.1186/s40337-025-01497-3
  3. Adkins KV, Overton PG, Thompson AR (2022). A brief online writing intervention improves positive body image in adults living with dermatological conditions. Frontiers in Medicine, 9, 1064012. https://doi.org/10.3389/fmed.2022.1064012