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疲れとストレスが何週間も抜けない。森林浴は効く?11件の研究のまとめでは、森を歩いたあとに疲れや緊張の点数が下がっていたが、根拠の確かさは「とても低い」とされていた

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わかっている度 ★☆☆ 低研究3本・公的指針0件を整理
朝もやの森の小道
Photo: Jonathan Kington / CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

一日じゅう画面とチャットに向かい、休みの日に寝ても疲れとストレスが抜けない。そんなとき「森林浴がいい」と聞くと、試してみたくなるかもしれません。11件の研究をまとめた2026年の論文では、森で過ごしたあとに疲れや緊張の点数が下がっていました。ただ、ほとんどが前後を比べただけの研究で、根拠の確かさは「とても低い」と評価されています。わかっていることと、近所の緑で試せる始め方をまとめます。

3行でわかる

  1. 11件の研究のまとめでは、森で過ごしたあとに、疲れ・緊張と不安・落ち込みの点数が下がり、心拍数も1分あたり平均4回ほど少なかった。ただし11件中10件は前後を比べただけで、根拠の確かさは「とても低い」。
  2. 中国の大学生34人の実験では、同じ強さの30分の歩きでも、森の小道のほうが屋内のランニングマシンより退屈が少なく、気分がよく、「また続けたい」気持ちも強かった。
  3. 北京の大学院生の小さな実験では、案内役がいてもいなくても、気分の改善はほとんど同じだった。街の中を3時間歩いた組でも、いやな気分の点数は下がっていた。

01 結論から言うと疲れが抜けないとき、森林浴は効く?

森で過ごした直後に、疲れや緊張の点数が下がるという結果はそろっています。ただ、研究の方法が弱く、根拠の確かさは「とても低い」とされています。長引く疲れそのものが軽くなるかは、まだわかっていません。

森林浴は、森の中をゆっくり歩いたり、座って景色や音を感じたりして過ごすことです。1980年代の日本で生まれた考え方で、英語でも「Shinrin-Yoku」と呼ばれています。

研究の多くは、森に入る前と出たあとに気分のアンケートや心拍を測り、変化を比べたものです。この方法では、「森だから」なのか「歩いたから」「仕事から離れたから」なのかを分けられません。この記事では、その弱点も含めて数字を整理します。自然と気分の研究全体は、自然の中で過ごす時間と気分の記事にまとめています。

02 研究とデータでわかっていること森のあと、疲れや気分はどのくらい変わる?

11件の研究のまとめでは、疲れ・緊張と不安・落ち込みの点数が下がり、元気さの点数は上がっていました。森を歩くと、同じ強さの屋内の歩きより退屈が少なく、続けたい気持ちも強いという実験もあります。

11件森林浴の研究をまとめた数。うち10件は前後を比べただけの研究(2026年発表、日本・ポーランドなど)
約4回森で過ごしたあとに少なかった、1分あたりの心拍数(前後の比較の平均)
34人30分の森歩きと屋内の歩きを比べた中国の大学生(平均21.3歳、2026年発表)
ほぼ差なし北京の大学院生の実験で、案内役のいる森林浴と、ひとりで歩く森林浴の気分の改善の差

Andradeら(2026年)[1]

森林浴の研究11件をまとめました。森で過ごしたあと、気分のアンケートで「緊張と不安」「落ち込み」「怒り」「疲れ」「混乱」の点数が下がり、「元気さ」の点数は上がっていました。心拍数は1分あたり平均4回ほど少なく、上の血圧も下がっていました。

一方で、別の不安のアンケートや、ストレスにかかわるホルモン(だ液のコルチゾール)では、はっきりした変化は見られませんでした。研究の半分近くは1日だけのもので、内容は15分の散歩から5時間ほどのプログラムまでさまざまでした。

対象: 11件の研究(日本・ポーランドが7件。多くは病気のない大人で、平均年齢は21〜56歳。子どもの研究も1件) / 限界: 11件中10件は、比べる組のない前後の比較。根拠の確かさは、どの結果も「とても低い」と評価され、著者らは病気の予防や治療の方法ではなく、健康づくりを補う習慣として考えるべきだとしている。

Liら(2026年)[2]

中国の大学生34人に、森の小道を30分歩く日と、窓のない屋内でランニングマシンの上を30分歩く日の両方を、くじで決めた順番で体験してもらいました。歩く強さは心拍計で同じにそろえています。

歩いたあとの退屈さは、森のほうが低く(効果の大きさ0.49)、気分のよさも森のほうが高めでした(0.43)。「また続けたい」という気持ちも、森のほうが強くなっていました(0.37)。退屈さは、森では歩くうちに下がり、ランニングマシンでは上がっていました。

対象: 中国・南昌の健康な大学生34人(男性21人・女性13人、平均21.3歳) / 限界: 屋内の条件は音楽や映像のない「何もない」ジムで、ふだんのジムより退屈になりやすい設定。測ったのはその日の気分だけで、疲れが何週間も続く人を対象にした研究ではない。

Zhangら(2026年)[3]

北京の大学院生30人を、くじで3つの組に分け、午後の3時間を過ごしてもらいました。森林セラピーの案内役と体操や瞑想などをする組、同じ森を自由に歩く組、街なかの大きな運動施設の周りを自由に歩く組です。

3つの組すべてで、緊張・落ち込み・怒り・疲れ・混乱の点数が下がっていました。組のあいだの差は統計的にはっきりせず、案内役のいる組とひとりで歩いた組の差は、ほとんどありませんでした(効果の大きさ0.08)。森を自由に歩いた組は、街の組より気分の全体の改善がやや大きい傾向でした(0.45)。

対象: 北京の大学院生(分析できたのは26人、21〜28歳、女性が多い) / 限界: 人数がとても少ない試しの研究で、測ったのは直後の気分だけ。効果がどのくらい続くかはわからない。

疲れが抜けない時期の回復の研究は、話せるくらいの軽いランニングの記事や、土いじりの研究のまとめの記事にもまとめています。

03 まだわかっていないこと森林浴だけの効果は、もうわかっている?

わかっていません。ほとんどの研究は前後の比較で、歩くことや仕事から離れることの効果と分けられていません。北京の実験では、街を歩いた組でも気分はよくなっていました。

  • 森で過ごした効果が、何時間・何日続くのかは、ほとんど調べられていない。
  • 何週間も疲れが抜けない人や、画面作業・AIの使用で疲れている人にしぼった研究は、今回の調査では見つからなかった。
  • 何分・週に何回がよいのか、決まった方法はない。研究ごとに時間も中身もばらばらだった。
  • 香りや静けさ、空気のきれいさなど、森の何が気分に影響しているのかは確かめられていない。

04 今日からできるセルフケア疲れが抜けない日、森林浴をどう試せばいい?

遠くの森でなくてかまいません。近くの緑の多い公園や林を、ひとりで30分ほどゆっくり歩くところから始めます。森が遠ければ、外を歩くだけでもいやな気分の点数は下がっていました。

1

緑の多い道を30分、ゆっくり歩く

近くの公園や林、川沿いなど、木の多い道を選びます。息が上がらない、話せるくらいの速さで歩きます。中国の実験では、30分の森歩きのあとに気分がよくなり、退屈も少なくなっていました。

目安 1回30分

2

案内なしで、ひとりで五感を向ける

スマホはかばんにしまい、葉の形、鳥や風の音、土の感触に注意を向けます。北京の実験では、案内役がいなくても、案内役のいる組とほとんど同じだけ気分がよくなっていました。

目安 歩きながら、気づいたものを3つ数える

3

森が遠ければ、外を歩く日を作る

森に行けない週は、街の中を歩くだけでもかまいません。北京の実験では、街を自由に歩いた組でも、緊張や疲れの点数が下がっていました。「また行きたい」と思える場所を選ぶと続けやすくなります。

目安 週に1〜2回、休みの日の午後に

外に出られない日は、窓の外の緑を眺める研究の記事も参考になります。

05よくある質問

森林浴は何分くらい歩けばいい?

11件の研究のまとめでは、15分の散歩から5時間ほどのプログラムまでさまざまで、半分近くは1日だけの研究でした。何分がいちばんよいかは、まだわかっていません。中国の大学生の実験では、30分の森歩きのあとに気分がよくなっていました。

森林浴の効果は、木の香りや空気のおかげ?

北京の研究では、森は街より静かで、空気中の細かいちりが少ないことが測られていました。ただ、香りや空気が気分を変えたのかどうかは確かめられていません。何が効いているのかは、まだわかっていません。

1回行けば、何週間も続く疲れは取れる?

研究で測られているのは、ほとんどが森で過ごした直後の気分です。効果がどのくらい続くか、長引く疲れそのものが軽くなるかは、まだ確かめられていません。

持病があっても森を歩いていい?

紹介した研究の多くは、病気のない人を対象にしています。持病や体の痛みがある人は、歩く距離や時間について医師に相談してください。

つらい状態が2週間以上続くときや、日常生活に支障があるときは、医療機関や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの相談窓口に相談できます。

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出典

  1. Andrade AM, Durães SDF, Franco Netto LCR, Fenner ALD, Carvalho MAB, Franco Netto G (2026). Short-term cardiovascular and mental health responses to Shinrin-Yoku (forest bathing): a systematic review and meta-analysis. Frontiers in Psychology, 17, 1707829. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2026.1707829
  2. Li H, Fang Y, Li B, Zhang W, Dong P (2026). Effects of forest bathing versus indoor gym exercise on exercise-related boredom: a randomized crossover trial with repeated measures. Frontiers in Psychology, 17, 1827928. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2026.1827928
  3. Zhang Z, Gao Y, Huang X, Ye B (2026). Comparing guided and unguided forest bathing for graduate student stress management: a pilot study. Frontiers in Psychology, 17, 1759571. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2026.1759571