AI疲れ・情報疲れ

スマホの待ち受けを自然や動物の写真にすれば、疲れやストレスをためずにすむ?シンガポールの大学生60人が1週間ずつ試した実験では、ストレスも気分も作業のはかどり方も変わらず、動物の写真はかえって気が散りやすかった

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わかっている度 ★☆☆ 低研究4本・公的指針0件を整理
木々の間を通る森の小道
Photo: Sanzzu / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的機関のデータ・指針をAIが調べて整理しました(商品の紹介や診断はしていません。出典は末尾)。

AIやチャット、ニュースに追われて、スマホを開くたびに気持ちがざわつく。せめて待ち受けを森や海、かわいい動物の写真にすれば、少しは疲れがたまりにくくなるのでは、と考える人は多いはずです。シンガポールの大学生60人が試した実験では、待ち受けを変えても、ストレスや気分、作業のはかどり方は変わりませんでした。

3行でわかる

  1. シンガポールの大学生60人が、自然・動物・無地の模様の待ち受けを1週間ずつ使った実験では、ストレスや気分、作業のはかどり方などの6項目に差がありませんでした。
  2. 動物の写真は、自然や無地の模様より「気が散る」と感じられ、自然の写真はいちばん好ましいと感じられていました。
  3. 自然の映像をじっくり見る研究でも結果は分かれています。待ち受けに頼るより、意識して眺める時間を取るほうが研究に合っています。

01 結論から言うと待ち受けを自然の写真にすると、ストレスは防げる?

防げるとは言えません。大学生60人の実験では、自然や動物の写真を待ち受けにした週も、無地の模様の週と比べてストレスや気分に差がありませんでした。

待ち受けは、スマホを開くたびに一瞬だけ目に入るものです。研究者たちは、そうした短い目に入り方では、気分やストレスを変えるほどの力がないのかもしれない、と考察しています。

一方で、自然の写真は「見ていて心地よい」と感じられていました。待ち受けを好きな写真にすること自体は悪くありません。疲れをためない工夫としては、待ち受けに期待するより、別の手を打つほうが確実です。外で自然の中を過ごす研究は画面ばかりの一日で、気分が重いで整理しています。

02 研究とデータでわかっていること待ち受けや自然の映像で、何が変わった?

待ち受けの実験では、ストレスや気分、作業のはかどり方は変わりませんでした。かわいい動物の写真を意識して眺めた実験では、そのあとの細かい作業が丁寧になっていました。

60人自然・動物・無地の模様の待ち受けを1週間ずつ試した、シンガポールの大学生(平均21.6歳、2023〜2025年)
6項目同じ実験で差がなかった項目(ストレス、よい気分、いやな気分、生活の満足度、はかどり方、先延ばし)
43.9%日本の大学生が子犬や子猫の写真を眺めたあと、細かい作業の成功が増えた割合(大人の犬や猫では11.9%、2012年発表)
164人画面で自然の映像を見ても、室内の映像と比べてストレスの反応に差がなかった実験の参加者(オーストリア、2026年)

Majeed ら / シンガポール国立大学ほか(2026)[1]

大学生60人が、森や山、水辺などの自然の写真、犬や猫、キリンなどの動物の写真、色や形だけの無地の模様を、1週間に1種類ずつ順番に待ち受けにしました。どの週も、ストレス、よい気分、いやな気分、生活の満足度、作業のはかどり方、先延ばしに差はありませんでした。

待ち受けへの感じ方には差が出ました。動物の写真の週は、自然や無地の模様の週より、待ち受けに目が留まりやすく、気が散ると感じられていました。自然の写真は、動物や無地の模様よりも好ましいと感じられていました。

対象: シンガポールの1つの大学の学生60人(18〜26歳、75%が女性) / 限界: 1種類あたり5日間の短い実験です。都会に住む若い大学生だけが対象で、ほかの年代や国で同じかはわかりません。

入戸野ら / 広島大学(2012)[2]

大学生が細かい作業を2回行い、その間に動物の写真7枚を好きな順に並べ替えました。子犬や子猫の写真を見た組は、2回目の成功が平均43.9%増え、大人の犬や猫の写真を見た組の11.9%を上回りました。

数字を探す課題でも、子犬や子猫の写真を見た組は成績が15.7%上がり、大人の動物の組は1.4%、おいしそうな食べ物の写真では1.2%でした。研究者たちは、かわいいと感じると注意が狭く絞られ、作業が丁寧になったと考えています。

対象: 日本の大学生を対象にした3つの実験(1つ目と2つ目は48人ずつ) / 限界: 写真を見た直後の短い作業だけを調べたもので、待ち受けとして毎日目に入る場合の効果は調べていません。

Steininger ら / ウィーン大学ほか(2026)[3]

大人164人が、画面で湖や草原の自然の映像か、室内の映像を見てから、またはストレスのかかる課題のあとに見ました。課題は、評価されていると思わされながら、氷水に手を入れることと暗算をくり返すものでした。自然の映像を見た人は「回復の助けになった」と後から感じていましたが、ストレスの感じ方や心拍、ストレスで増えるホルモンの反応には、はっきりした差がありませんでした。

対象: オーストリアの健康な大人164人 / 限界: 1回の実験室での結果です。小さな効果があることまでは否定できない、と研究者たちは書いています。

Chen ら / 華中師範大学ほか(2025)[4]

画面やVRで自然の映像を見た健康な大人の研究24件をまとめると、見る前より見たあとで、不安やストレス、落ち込みが下がっていました。不安の下がり方は、見る時間の長さではっきりした違いがありませんでした。

対象: 18〜60歳の健康な大人を対象にした24件の研究 / 限界: 見る前と後を比べたもので、比べる相手のいない研究も含まれます。映像を見たこと以外の理由で下がった可能性があります。

03 まだわかっていないこと待ち受けの効果について、まだ何がわからない?

待ち受けの効果を調べた実験は、まだシンガポールの大学生60人の1本だけです。長く使った場合や、ほかの年代、自分で撮った思い出の写真で違うかはわかっていません。

  • 実験は1種類あたり5日間でした。何か月も使い続けたときに変わるかは調べられていません。
  • 研究者が選んだ12枚から選ぶ方式でした。自分で撮った写真や、家族やペットの写真で違いが出るかはわかりません。
  • 自然の映像をじっくり見る研究は、見る前後の比較が多く、ほかの映像と比べた実験では結果が分かれています。
  • かわいい写真で作業が丁寧になった実験は、見た直後の数分の作業だけを調べたものです。

04 今日からできるセルフケアスマホ疲れをためないために、写真をどう使う?

待ち受けは好きな落ち着く写真にしておき、効果は期待しすぎないことです。疲れをためない工夫としては、意識して眺める時間を作る、気が散る写真は避ける、といった使い方が研究に合っています。

1

待ち受けは、見て心地よい自然の写真にしておく

実験で自然の写真はいちばん好ましいと感じられ、気が散る感じも無地の模様と変わりませんでした。ストレスが減るとまでは言えないので、気分よく使える程度に考えます。

目安 1回だけ、1分

2

動物の写真で気が散るなら、待ち受けからは外す

動物の写真は目に留まりやすく、気が散ると感じられていました。開くたびについ見入ってしまうなら、自然や落ち着いた模様に戻します。

目安 気になったときに1回

3

細かい作業の前に、かわいい写真を少し眺める

日本の実験では、子犬や子猫の写真を眺めたあと、細かい作業が丁寧になっていました。待ち受けでなく、作業の前に意識して見るのがポイントです(詳しくはかわいい動物の写真と集中の研究)。

目安 作業の前に1〜2分

4

疲れた日は、自然の映像をじっくり見る時間を取る

ちらっと目に入るのではなく、音も一緒に、景色の中にいるつもりで見ます。効果は確かめきれていないので、外に出られる日は短い散歩も選択肢です。

目安 10分ほど

スマホを開く回数そのものを減らしたい場合は、画面を白黒にする実験や、通知をオフにした1日の研究も参考になります。

05よくある質問

待ち受けを癒される写真にしても意味はない?

気分やストレスを変える効果は、大学生60人の実験では見られませんでした。ただ、自然の写真はいちばん「好ましい」と感じられていました。見るたびに少し心地よいなら、それ自体は悪いことではありません。効果を期待しすぎないのがよさそうです。

動物や赤ちゃん動物の写真を待ち受けにすると、集中できなくなる?

待ち受けの実験では、動物の写真は自然や無地の模様より「気が散る」と感じられていました。一方、日本の実験では、子犬や子猫の写真をしばらく眺めたあとに細かい作業が丁寧になっていました。いつも目に入る待ち受けより、作業の前に意識して眺めるほうが合っていそうです。

自然の映像や動画を見るのは、本物の自然の代わりになる?

自然の映像を見る前後で不安やストレスが下がった研究は多くありますが、比べる相手のない研究がほとんどです。画面で約10分の自然の映像を見た実験では、室内の映像と比べてストレスの反応に差はありませんでした。本物の自然の代わりになるとまでは言えません。

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出典

  1. Majeed NM, Chen NRY, Goh AYH, Hu M, Koh KJJ, Ang YHG, Hartanto A (2026). Examining the Effects of Viewing Nature and Animal Smartphone Wallpapers on Affect, Behaviour, and Cognition: A Randomised Cross-Over Trial. Behavioral Sciences, 16, 623. https://doi.org/10.3390/bs16050623
  2. Nittono H, Fukushima M, Yano A, Moriya H (2012). The Power of Kawaii: Viewing Cute Images Promotes a Careful Behavior and Narrows Attentional Focus. PLoS ONE, 7(9), e46362. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0046362
  3. Steininger MO, Nitschke JP, Schenk L, White MP, Lamm C (2026). Brief virtual nature exposure and acute stress: inconclusive evidence regarding stress reactivity, recovery, and emotion regulation. Journal of Environmental Psychology, 114, 103181. https://doi.org/10.1016/j.jenvp.2026.103181
  4. Chen L, Yan R, Yu J (2025). Virtual nature, real relief: how exposure to virtual natural environments reduces anxiety, stress, and depression in healthy adults. npj Digital Medicine, 8, 679. https://doi.org/10.1038/s41746-025-02057-4